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ニール・ジョーダン監督『マイケル・コリンズ』アイルランドの英雄


<作品情報>

アイルランド独立運動の英雄マイケル・コリンズ(1890~1922)の半生を描いた歴史ドラマ。監督・脚本は自身もアイルランド出身である、「クライング・ゲーム」「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のニール・ジョーダン。製作のスティーヴン・ウーリー、共同製作のレドモンド・モリス、音楽のエリオット・ゴールデンサル(「ヒート」)、衣裳のサンディ・パウエル(「ロブ・ロイ ロマンに生きた男」)は、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」に続きジョーダンと組んだ。撮影はジョーダンとは『殺人天使』(V、82)以来となる「セカンド・ベスト 父を探す旅」のクリス・メンゲス、美術は「嵐の中で輝いて」のアンソニー・プラット、編集は『殺人天使』「マイ・レフト・フット」のJ・パトリック・ダフネーと「オセロ」(95)のトニー・ローソンのコンビ。主演はジョーダン同様アイルランド出身の「判決前夜 ビフォア・アンド・アフター」のリーアム・ニーソン。共演は「ジキル&ハイド」のジュリア・ロバーツ、「月下の恋」のエイダン・クイン、「いつか晴れた日に」のアラン・リックマン、「ナッシング・パーソナル」のイアン・ハート、ジョーダンとは『殺人天使』以来5作で組む「プレタポルテ」のスティーヴン・レイ、『アクシデント』(V)のチャールズ・ダンスほか。

1996年製作/133分/アメリカ
原題:Michael Collins
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1997年3月1日

https://eiga.com/movie/49551/

<作品評価>

65点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆

<短評>

おいしい水
よく出来てはいます。欠点の見つからない映画ではありますが、正直あまり新味がなく退屈してしまいました。
顔も知られていない暗殺者としてのマイケル・コリンズをリーアム・ニーソンが見事に演じていました。ですが、個人的にはそれを上回るキャラの濃さだったのはアラン・リックマン演じるデ・ヴァレラでした。不遜な表情で立ち回る政治家としての恐ろしさを体現していました。
一番いらないなーと思ったのはジュリア・ロバーツ演じるキティの取り合いです。なんかどっちでもいいし恋愛劇が長くて退屈でした。まぁマイケル・コリンズの人間味を描きたかったのだとは思いますが。ジュリア・ロバーツ自体はよかったです。
アイルランド問題に興味がある人ならもっと楽しめるのではないでしょうか。まぁ一種の勉強として知らないことを知ることができたという意味で意義ある一作ではありますね。

吉原
アイルランドを独立へと導いたマイケル・コリンズの人生を描いた伝記映画で、独立への物語と独立後の内戦が描かれています。
本作はベネチアにて金獅子を受賞した映画ですが、パルムドールを受賞したケン・ローチ監督の「麦の穂をゆらす風」も同様の時期と題材を描いた作品であり、主人公が最終的に立つ立場が異なるので比較してみるとより理解が深まると思います。
アイルランド独立という歴史的事件をエンタメ的に描いているので一本の映画としては非常に面白いですが、この題材に触れたことが一度もないと少し難しい内容なのかもしれません。
しかし、リーアム・ニーソンのカリスマ性と熱意を感じる鮮やかな演技には感服しました。この演技をだけで本作を観る価値は十分にあると思います。

<おわりに>

 いわゆるアイルランドものですが、クオリティは高いものの人を選ぶ映画だと言えるでしょう。

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