見出し画像

狙い澄ましたビターエンドがやや消化不良。Netflix「恋愛バトルロワイヤル」5〜8話感想

もっとバカっぽく終わってくれた方が、個人的には好きだったかな。

1〜4話の感想はこちら。

お金持ちの子ばかりが通う恋愛禁止の学校で繰り広げられる群像劇…書き出しただけでも盛り過ぎな設定

後半はLGBTQの問題も絡めながら世界観を広げていきましたが、やっぱ設定のガバガバ感が目につく。
ラストは学校相手に裁判を起こすというトンデモ展開。権力者ばかりが通ってる学校な訳ですから、もっと前に誰かが訴訟起こしそうだけどな。笑

とはいえ、キャラクター描写がしっかり出来ているので、群像劇としては中々見応えがあります。

登場人物が多いですがそれぞれに個性があるし、一人一人の掘り具合も丁度良い。
8話という短い時間の中でここまでしっかり各キャラを魅力的に描いたのは脚本が良くできているからでしょう。

ただ、ここまでファンタジーな設定ならラストはもっと素直にハッピーエンドで良かったんじゃないの?って思っちゃいます。
逆張りというか、一捻りして終わらせたいというのがすごい透けて見えてしまった感じ。

終盤の展開とか、古き良き学園ドラマって感じで結構好きだったんですよ。
これまで唯千花(三上愛)に救われた生徒や、敵対していた生徒も仲間になってグッと盛り上がる感じ。
あれで普通に押し切って、恋愛禁止の校則も改正で良かったんじゃないのかなぁ。

で、真木(宮世琉弥)が留学に行くのはそのままで涙の別れと感動の再会を描いておけばそれが一番綺麗だったんじゃないの?

なんか、これだけ夢物語な箱庭を広げているのに最後だけ現実を突きつけられた感じがすごい中途半端でした。
唯千花と敵対していた校長(寺島しのぶ)の言葉の意味もよく分かんなかったしね。

まあでも、出てくるキャラが最終的にみんな憎めない良い奴なのでなんだかんだ最後まで楽しめましたけどね。
ただし真木兄(浅香航大)と父(石黒賢)、おめーらはダメだ。本当、最後までしっかり悪人だった。

校長を演じた寺島しのぶ、こういうラブコメに出てるイメージ全くなかったですけど流石の存在感というか。怖かったし、役に合ってましたね。

あとは、真木(兄)の恋人を演じた穂志もえかが美しくて印象に残りました。こんな女優さんがいらっしゃるんですね。

あと、真木を演じた宮世琉弥のカッコよさがずーっと分からんなーと思ってたんですけど(ファンの人ごめんなさい)この作品ではめちゃくちゃカッコよく見えました。

他にも、本心の読めない水沢林太郎や暴走ガールの秋田汐梨、明るいけど心の中は繊細な本田響矢等、魅力的なキャストが多数。今後、日本の映像業界を支えていく人たちだと思うので一見の価値ありです。

終わり方はちょっと微妙でしたけど、若手を中心としたキャスト陣の躍動感で佳作に仕上がっていた「恋愛バトルロワイヤル」。現在Netflixで配信中ですので、興味がある人は是非。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?