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バックパッカーズゲストハウス

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二〇〇九年、二十七歳の時に、秋葉原にあるゲストハウスへ四ヶ月滞在したときの旅行記です。 著者の記憶違い、主観が多分に含まれています。また、主に登場人物に関して名前や設定を故意に… もっと読む
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2021年8月の記事一覧

バックパッカーズ・ゲストハウス(68)「餞別にもらうタバコ」

バックパッカーズ・ゲストハウス(68)「餞別にもらうタバコ」

前回のあらすじ:六月の最終日。ゲストハウスの面子が私のためにお別れ会を開いてくれた。食べるものがなくなったところで、文学青年の塚田にコンビニへ行こうと誘われて、二人でパーティーを抜け出すというロマンスを予感させる展開がおとずれた。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2

 コンビニで塚田は、
「値段もだけど内容量を気にしちゃ

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バックパッカーズ・ゲストハウス(69)「寝ている間に」

バックパッカーズ・ゲストハウス(69)「寝ている間に」

前回のあらすじ:ゲストハウスで過ごす最後の夜。開いてもらったお別れ会のあと、ベッドに入るとニキからみんなで撮った写真が送られてきた。それには、「同じ空の下で」というファイル名が付けられていた。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2

 翌日は早朝に新宿から出る大阪行きのバスを取っていた。若かったので、前日の深酒にも負けず、ち

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バックパッカーズ・ゲストハウス(70)最終話「おやすみ東京」

バックパッカーズ・ゲストハウス(70)最終話「おやすみ東京」

前回のあらすじ:早朝にゲストハウスを出た。秋葉原に四ヶ月住んだもののメイドとのロマンスはなかったが、好青年の恭平から「いってらっしゃいませ、ご主人様」というメールは来た。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2

 新宿では龍と待ち合わせていた。事前にこの日発つことを伝えた時に、彼は、「最後に見送りに行く」と言った。

 西口

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