布を指で持つだけなのに、それが意外と難しい…|「衣食住」とハンドメイドについて
回転ずしのお寿司で食中毒に当たってから、真面目に「衣食住」について考えるようになった私…。
NHKのEテレで放送されているイギリスの番組「ソーイング・ビー」にも触発されて、自分で服を作ってみようとしたこともあるけれど、私はどうも手先が不器用らしく、全然上手にできなかった…。
というのも、布は意外と指で持つこと自体が難しいのだ!
普段の日常生活で、例えば膝掛けやシーツをわし掴みして、洗濯かごに放り投げるのは簡単である。
でも、柔らかい布を縫って服を作るという作業は、思っていたよりもずっと繊細だった…。
布によっては、まず洗って糊を取り、変な方向に伸ばさないように気を付けながら、そして太陽光に直接当たらないように気を遣いながら乾かし、布が落ち着いてから縫わなければならない。
布を裁ちばさみで切る作業も想像以上に難しくて、重しで固定しても、なかなか真っ直ぐに切ることができなかった。(今は布カッターという便利な道具もあるらしい!)
やっとの思いで裁断した布同士を待ち針で合わせて、ずれないように慎重に布を持ち、ミシン台に置く。
これだけの作業だけど、これが本当に難しい!
柔らかい布は、想定外の動きをする。
いつも着ている服と同じ性質の布にも関わらず、まるで最近開発された新素材を扱っているような感じがする。
ミシンで縫う時は、「手で縫った方が速いんじゃないの?」というぐらいのスピードで縫わないと、真っ直ぐ縫えなかった。ゆっくり縫っていても、気付くとミシンのスピードについていくのが精いっぱいで、いつの間にかヨロヨロと曲がっていたり、細かいシワができたまま縫ってしまったりで、とても苦労したのである。
これを経験して、「うん。裁縫は向いてないな…。」と自信を持って言えるようになった(笑)(残念だけど…。)
今までも時々、ハンドメイドの商品が売られているサイトに寄って、「この服、可愛いな~。」と思いながら服をチラチラと見ていたけれど、今度からは「すげー…。」と感嘆の声が出てしまうことでしょう。
服でも何でも、自分の手で最初から最後まで作ることは、尊いことだと思う。材料を目利きする大切さを学ぶし、良い素材を集めることが難しいこともよく分かるし、せっかく良い素材が揃っても、自分の実力不足で上手に仕上げられない悔しさも体験する。
市販の物だけを買っていたら分からない苦労が見えてくるので、物を大切にしようという気持ちが芽生えるし、それを作ってくれた人々への感謝の気持ちも出てくる。
私の場合、服を作るのはなかなかハードルが高いかもしれないけど、何か別の方法で、自分にも他の人にも良い影響を与えられるような仕事がしたいなと、改めて思ったのでした。