花井雄也

広告制作や撮影の傍ら、オールドレンズやクラシックカメラのリペアやレンズ改修(ミラーレス…

花井雄也

広告制作や撮影の傍ら、オールドレンズやクラシックカメラのリペアやレンズ改修(ミラーレス仕様に改造)をおこなっています。 こちらにて改造に使用できる用品販売もおこなっております。https://florcamera.base.shop/

最近の記事

#018 Wollensak Raptar 1:2 2inch(50mm)

 以前にもWollensakのレンズについてこちらに記事を書いたのですが、今回は解放値2.0の大口径レンズを手に入れました。 Wollensakはアメリカ製のちょっとマイナーなレンズですが、色のり・ボケともに優秀で、隠れた銘玉と言われることも。 こちらのレンズは「CLARUS MS-35」に付属するレンズで、 WOLLENSAK VELOSTIGMAT 2INCH(50mm) f/2.8(3群4枚 最大絞り22) WOLLENSAK ANASTIGMAT 2INCH(50m

    • #017 旧渋沢家飛鳥山邸 青淵文庫 FOCA OPLEX 1:3.5 f=3.5cm

       つい先日、仕事の撮影の合間に飛鳥山公園に行ってみました。 飛鳥山公園は徳川吉宗の時代に庶民のための桜の名所として整備され、明治時代には公園の隣の敷地に渋沢栄一が別荘を構える。戦時下において東京大空襲で大部分を消失。その後、売却され、飛鳥山公園の一部となった。 現在でも渋沢史料館や北区飛鳥山博物館、紙の博物館とともに庶民の憩いの場となっている。  実は恥ずかしながら東京に生まれ暮らして40年、何度も近くに来ていながら、公園の中に入ったことはなかった。 現在でも渋沢家の青淵文庫

      • #016 FOCA OPLEX 1:3.5 f=3.5cm

        ルヴァロア光学精機(O.P.L社) FOCA(フォカ)は、フランスのパリ郊外にあるルヴァロア光学精機社(Oputique et Precision de Lavallois(O.P.L.)社)によるカメラブランドで、ライカを彷彿とさせるレンジファインダーカメラを製造しました。 ルヴァロア光学精機社は1919年にフランス貴族によって創立され、第一次大戦、第二次大戦と軍需光学機器や医療機器を製造していたそうです。第一次大戦ではドイツに接収されたため、ドイツ向けの光学機器を製造

        • #015 WITTNAUER Chronostar Corted 1:2.8 f=50mm

          Chronostar Corted 1:2.8 f=50mmの実写  WITTNAUER Continentalの標準レンズの「Chronostar Corted 1:2.8 f=50mm」(クロノスター)をM42ミラーレス仕様にしたので、FUJIFILM X-Pro2に装着して早速実写してみました。 M42化にはこちらの「M42 3点留めネジアダプタ」を使用しました。 このリングは36mm以下のマウントであれば簡単に取り付けられるため重宝しています。 ※ネジの締め付けで

        #018 Wollensak Raptar 1:2 2inch(50mm)

          #014 珍品カメラ WITTNAUER Continental

           WITTNAUER(ウィットナー)Continentalという少々珍しいカメラを入手しました。WITTNAUER社は1880年(明治13年)創業のアメリカの時計輸入会社で、スイスなどから時計を輸入・組み立て・販売を行なっていました。 2001年にBulovaに買収され、現在もそのブランド名は健在ということです。  このWITTNAUER社は1956年にボルシー社を買収、BOLSEYシリーズの継続を行い、「WITTNAUER FESTIVAL」という名前で販売を行いました。こ

          #014 珍品カメラ WITTNAUER Continental

          #013 WOLLENSAK 2INCH(50MM) f/2.8 VEROSTIGMAT (CLARUS MS-35)

           前回の記事でリペアしたCLARUS MS-35に標準装備されていたレンズ、「WOLLENSAK 2INCH(50MM) f/2.8 VELOSTIGMAT」。 以前の記事で同社のレンズ、BOLSEY B2の「Wollensak ANASTIGMAT 1:3.2 f=44mm」の試写を掲載しましたが、今回はこちらのレンズをミラーレスカメラFUJIFILM X-PRO2に付けてその性能を見ていきたいと思います。  まず、41mm径というのがどうしたものか、M42では1mmほど

          #013 WOLLENSAK 2INCH(50MM) f/2.8 VEROSTIGMAT (CLARUS MS-35)

          #012 CLARUS MS-35(クラルス MS-35)

           アメリカ・ミネアポリスにおいて(Clarus Camera Manufacturing Company)クラルスカメラ社によって1946年から1952年にかけて作られた、レンジファインダーカメラ、CLARUS(クラルス) MS-35。 当初、戦後間のない頃はアメリカもライカの輸入がままならず、どうにかライカに似た自国生産のカメラを、という発想だと思います。同社はこの1機種しか手掛けておらず倒産を迎えます。 初期の戦後需要に応えるため、急拵えで量産され、初期型の20,000台

          #012 CLARUS MS-35(クラルス MS-35)

          #011 Wollensak ANASTIGMAT 1:3.2 f=44mm(BOLSEY B2)

          1949年発売のアメリカ製35mmカメラ、"BOLSEY B2"のジャンク品を手に入れたのでレンズを外してミラーレス化しました。 BOLSEY(ボルシー)シリーズは、1947年に発売された"BOLSEY B"から始まり1956年にウィットナーに売却撤退するまでの約9年の間にさまざまなモデルが発売されました。 小さく、コロッとしたデザインが可愛く、ジャンクから救出した実働品を3台ほど所有しております。 Wollensak社はアメリカの名門レンズメーカーで、ドイツ生まれのアンド

          #011 Wollensak ANASTIGMAT 1:3.2 f=44mm(BOLSEY B2)

          #010 AGILUX ANASTIGMAT 1:2.8 45mm(AGILUX AGIMA 1962年頃)

          英国製のカメラであるAGILUX AGIMAのレンズを入手したのでミラーレス仕様に換装してみました。AGILUXは国内ではあまり見かけることのないメーカーです。 AGI社は1915年に軍用楽器メーカーとして設立されたそうです。 1936年頃よりREFLEX Korelle(レフレックスコレレ)に似た軍用カメラを製造。戦後は輸入制限があったため、1946年頃より民間用カメラの製造に乗り出し、子会社Agilux Ltd.を設立します。 AGILUXは自社製品の他にもILFORD社

          #010 AGILUX ANASTIGMAT 1:2.8 45mm(AGILUX AGIMA 1962年頃)

          #009 PENTI I MEYER-OPTIK DOMIPAN V 1:3.5 30mm LM改

           Welta Penti Ⅰ(ウェルタ ペンティー1)より外されたレンズのみを入手したので、ライカMマウントに換装しました。前オーナーは外したもののレンズの固定がうまくできなかったようで、3Dプリンタで出力した台座とSONYのボディーキャップも一緒についていました。 プラスチックでは不安なので、今回は金属製のライカMのボディーキャップに穴あけして固定しました。金属製のライカMのキャップは現在は作られていないようであまり見かけないですね。。。今回のものは以前に中古カメラ店で見つ

          #009 PENTI I MEYER-OPTIK DOMIPAN V 1:3.5 30mm LM改

          #008 WELTA PENTI I 分解整備

           前回の記事でPENTI について書いたので、その後継機であるPENTI Iを分解修理したので、ご紹介いたします。 PENTI Iは1962年から1966年頃まで販売されたコンパクトカメラです。 0型と同様にゴールドの部分以外のフレーム部分の色違いが、なんと5色(クリーム・ブラック・パステルグリーン・ディープブルー・ワインレッド)も用意され、ご婦人向けカメラとして大ヒット。0型を含め、1959年〜77年までに実に80万台を製造したそうです。 PENTIは0型、1型、2型と分

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          #008 WELTA PENTI I 分解整備

          #006 写真レンズのトラブルと対処法

          さまざまなオールドレンズをいじっていると、レンズ其々に多様なトラブルがあります。特に私はジャンクものばかり扱うので、ほとんどと言っていいほどトラブルを抱えたレンズがやってきます。 多くの場合、くもり・カビ・傷・バルサム関係で、複合パターンもよくあることです。軽症ならまだしも、ひどい場合は進行する可能性もあるので、まともに使うためには修理が必要となります。 今回、他ではあまり詳しく書かれていないようなので、レンズのトラブルとその対処法を解説いたします。 ■ピントリングの回転不

          #006 写真レンズのトラブルと対処法

          #007 The Men With GOLDEN CAM "Welta PENTI" 

          ■Welta PENTI 製造 VEB Welta Kamera-Werk(東ドイツ) 製造年 1959年 使用フィルム 35mm(ラピッド) 画面サイズ ハーフサイズ(18×24mm) シャッター 1/125 1/60 1/30 B 露出計 なし レンズ Meyer-Optik Trioplan 1:3.5 f=30 ピント 目測 007シリーズの”黄金銃を持つ男”。敵のボス、スカラマンガが使う分解式の金色の銃が印象的です。 あの黄金銃を彷彿とさせる、黄金カメラ。 戦後東

          #007 The Men With GOLDEN CAM "Welta PENTI" 

          #005 ZEISS IKON Colora  NOVER-Anastigmat 1:3.5 f=45mm 分解とミラーレス仕様への改造編 

          前回の記事で、ZEISS IKON Colora  NOVER-Anastigmat 1:3.5 f=45mmの作例を挙げてみましたが、今回は改造プロセスを紹介いたします。 こんなマニアックなカメラなので、この記事を観る人いるのかわかりませんが。笑 ■上部軍艦を外す (ファインダー周りのメンテナンスができます。)

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          #005 ZEISS IKON Colora  NOVER-Anastigmat 1:3.5 f=45…

          #004 ZEISS IKON Colora  NOVER -Anastigmat 1:3.5 f=45mm(中玉反転)ミラーレス仕様 作例あり

          オークションサイトをパトロール中に見つけたZEISS IKON社のColora。 人気がないのか、知られていない?ようで格安で落札できました。 しかもフリマサイトにも色違い?の同機種が出ていたのでそちらも購入。 見た目、可愛らしいデザインで、レンズはIkonette(イコネッテ)と同じNOVER 1:3.5 f=45mmのトリプレットタイプです。 Ikonetteは水色のボディーで当時のカメラ女子向けに作られたようですが、Coloraはシルバー×ブラックのボディーで少し大人向

          #004 ZEISS IKON Colora  NOVER -Anastigmat 1:3.5 f=45mm(中玉反転)ミラーレス仕様 作例あり

          #003 KODAK Signet80 EKTANAR 1:2.8 f=50

          先日新宿の某カメラ店のジャンクコーナーで発掘したKODAK Signet80。 SignetシリーズはEKTARレンズ付きのSignet35が有名ですが、Signet80はレンズ交換式(35mm、50mm、90mm)のSignetシリーズのフラッグシップ的カメラです。とはいえ、プラスチックが多用されたアメリカンな作りで、本体サイズも弁当箱のような感じで大柄。 そしてレンズはEKTARではなくEKTANAR。 今回の個体は本体のシャッター羽根にオイルが浸入しシャッターが切れない

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          #003 KODAK Signet80 EKTANAR 1:2.8 f=50