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#004 ZEISS IKON Colora  NOVER -Anastigmat 1:3.5 f=45mm(中玉反転)ミラーレス仕様 作例あり

オークションサイトをパトロール中に見つけたZEISS IKON社のColora。
人気がないのか、知られていない?ようで格安で落札できました。
しかもフリマサイトにも色違い?の同機種が出ていたのでそちらも購入。
見た目、可愛らしいデザインで、レンズはIkonette(イコネッテ)と同じNOVER 1:3.5 f=45mmのトリプレットタイプです。
Ikonetteは水色のボディーで当時のカメラ女子向けに作られたようですが、Coloraはシルバー×ブラックのボディーで少し大人向け?のようです。

ZEISS IKON Colora
1960-62年製
レンズ NOVER-Anastigmat 1:3.5 f=45
シャッター速度 1/30–1/250 +B
ピント目測、ブライトフレームファインダー

この時代のZEISS IKONは個性的なカメラを多く送り出していましたが、このカメラは至って普通。現代的な操作感覚のカメラともいえます。
1963年にデザインが少しVoigtlanderのBITOみたいな感じに変わって、刷新版が出ています。

手に入れたうちの一台はレンズ周囲が黒でファインダーの汚れがひどい動作可能品。もう一台はレンズ周囲がシルバーの巻き上げスタックのジャンク品。どちらもほぼ同価格でした。
届いて検証したら、2台に違いはなく単に塗装が剥げて、下地の黒い樹脂素材が露出していただけのようでした。このカメラ、見た目は重厚そうですがレンズボード部分が樹脂でできています。ライトユーザー向け製品に軽量化したということなのかコストの問題かわかりません。

ひとまず1台にはフィルムを詰めてみて、動作不可のもう一台はレンズを改造することにしました。レンズを取り出して、L39仕様のマウントにしました。L39にしておくとLM(ライカMマウント)にもM42にもアダプタを付けることで簡単に移行できるので、ミラーレス仕様にする際はよく使っています。

銘板、被写界深度板がネイビーブルーでおしゃれです。
L39にM42アダプタをつけてM42のヘリコイドアダプタで使用します。
カメラに取り付けるとなかなかの面構えです。

さて、試し打ち・・・

あれ!?

絞りを5.6にしていますが、周囲のボケがすごい、、、ある意味トンネル効果的です。
135mmフルサイズのカメラでこんなことある??と思いながらも11まで絞ればまあ使える程度になります。

面構え的には「Carlzeiss」の銘もあって、真面目そうなのにこんな癖玉だったとは。。。
結果的に、中玉を反転させてさらに収差を出してみることにしました。

撮影は全てFujifilm X-PRO2です。

周囲はもやもやですが、中心は割とシャープです。
なんでもない風景が白昼夢のような幻想的空間に変わります。
フランスのレンズみたいな薄モヤも見方によっては良いかもしれません。
開放で撮影して、モヤと周辺ボケを合わせると意外に良いかも。
開放で撮影するとかなりもやもやします。
11ほどまで絞ると周辺は甘いですがそこそこ撮れます。
近接ではぐるぐるボケも。
被写体のハイライトの具合によってソフト効果が良い感じに出ます。
開放
F16
点光源を開放で撮影するとコマ収差がものすごい。

次回、レンズの改造プロセスを紹介したいと思います。

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