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#008 WELTA PENTI I 分解整備

 前回の記事でPENTI について書いたので、その後継機であるPENTI Iを分解修理したので、ご紹介いたします。
PENTI Iは1962年から1966年頃まで販売されたコンパクトカメラです。
0型と同様にゴールドの部分以外のフレーム部分の色違いが、なんと5色(クリーム・ブラック・パステルグリーン・ディープブルー・ワインレッド)も用意され、ご婦人向けカメラとして大ヒット。0型を含め、1959年〜77年までに実に80万台を製造したそうです。

PENTIは0型、1型、2型と分類されます。違いはというと・・・

0型「WELTA ORIX/WELTA PENTI」
1958年頃〜61年頃「WELTA ORIX」という名で販売開始。
しかしすぐに「PENTI」の名称に改称。

1型「WELTA PENTI I」 1962年〜66年頃 
62年に工場移管。デザイン・レンズを刷新。ブライトフレームファインダーに変更。

2型 「WELTA PENTI II」1962年〜77年頃 
1型に露出計を内蔵したもの。

 1型と2型は本体デザインはほぼ同じですが、レンズ鏡胴下の銘板の名称とファインダー横の黒いパネル部分が横シマか格子かで見分けられます。
内部を開けてみると、1型でも露出計を入れるスペースを確保している節があり、単純に露出計を省いた廉価版という位置付けのようです。

■Welta PENTI I
製造 VEB Welta Kamera-Werk(東ドイツ)
製造年 1962年〜66年
使用フィルム 35mm(ラピッド)
画面サイズ ハーフサイズ(18×24mm)
シャッター 1/125 1/60 1/30 B
露出計 なし
レンズ Meyer-Optik Domiplan 1:3.5 f=30
ピント 目測
0型との違い
・ブライトフレームファインダー搭載
・レンズがTiroplanからDomiplanに変更

セレン式露出計に見える部分はただのプラスティックのマスクです。
ファインダー左側はブライトフレームの採光窓です。
1型では素通しだったファインダーにフレームが見えるようになりました。

■分解修理編

PENTIは大量生産され、玉数も多い製品ですが、簡単な仕組みゆえ動作が不安定な個体が多く見受けられます。
直すことができれば、ラピッドフィルムは35mmフィルムから作ることができるのでまだまだ使用可能です。
 分解にあたっては外部に見えているビスが一切ないため、分解方法が解りにくいのでこちらにご紹介します。

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