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№367 ランチェスター戦略を理解する

こんにちわ。白石です。

ランチェスター戦略とは・・・

第一次世界大戦の頃に戦闘機を開発していたイギリス人、フレデリック・W・ランチェスター氏の名前がついた戦闘の法則です。それを1970年代に日本では松下幸之助氏中心に販売戦略に用いました。

その戦略を一言で現すと「自社(自分)より強者(強い)ライバルに勝つ方法」です。まー戦闘ではシンプルに相手に勝つ方法ということです。

イギリスやアメリカが戦闘に使った戦略を日本ではビジネスに応用したということです。

強者(強い)の定義は、その界隈でマーケットシェア21.6%以上の1位のことです。

■マーケットシェア理論(目標の3段階)

■目標値76.9% 73.9%(上限目標値)の場合、独占的となります。100%にならずともこの数値ですでに、その地位は絶対的に安全・安泰とあり、よほどのことがない限り2位以下に逆転されることはないとされているのです。これ以上の数値を得ても、安全性、成長性、収益性の面で安定しなくなってしまいます。つまり1社独占は必ずしも安全とは限らないのです。
■目標値41.7% 41.7%(安定目標値)の場合、地位が安定します。多くの人が50%を安定と予想しますが、ランチェスター戦略では、4〜5社以上の集団競争になるので40%を超えれば地位が圧倒的に有利となり地位は安定するのです。これは2位以下をかなり引き離している状態で、首位独走の条件として多くの大企業が目指す数値となります。
■目標値26.1% 26.1%(下限目標値)というのは、トップの地位に立てる強者の最低条件となります。26.1%をシェアすれば1位になるものの、1位でも2位とは僅差となるなどその地位は不安定なものになってしまうのです。1位とはいえ、いつ逆転されてもおかしくない状況では強者の戦略は取れません。26.1%はギリギリの数値と捉えられます。

例えばでいうと、個人の営業職であれば部の月間売上が1,000万円だとすると220万円程度の売上を1人で確保していて、なおかつ1位ということです。

会社であれば、業界売上や製品売上など色々な側面から考えることができます。

一方でそれ以外は弱者ということになり、よって、ほぼほぼが弱者ということです。その弱者が強者に勝つ戦略となります。

ではその戦略を少し書いていきましょう。

・局地戦を用いる(領域と数を絞り込む)

強者は広域戦を使ってきます。同じ広域戦のフィールドで勝負しても結果は目に見えています。そこでエリアを絞る、ラインナップを絞るなどなどあらゆる絞り込みをして局地戦にまずは持ち込み、そこでは勝てるようにするのです。

・一騎打ち戦(戦う相手を絞り込む)

これも局地戦と似たようなことで、戦う相手を絞り込むということです。強者(強い)は1社もしくは1人とは限りません。多くの相手と戦うことはすなわち敗戦を意味します。戦う相手を絞り込み、一騎打ち戦に持ち込んでそれを繰り返すことで戦略を成功させるのです。

・接近戦(顧客に近づく)

強者は資金力などを武器に薄く広く攻めてきます。戦闘で言えば、銃や弓ということです。弱者が遠くから銃や弓で攻撃されたらひとたまりもありません。勝つには接近戦に持ち込むしかありません。持ち込んでナイフや槍で戦うことで勝利が見えてきます。ビジネスで言えばチラシを広域に撒くのではなく、1件1件訪問して販売するということです。

*ここまでが構築できたら、そこに相手を脅かす意外性みたいなものがあればなおよいです。戦闘であれば奇襲作戦や相手を騙すような施策です。

・1点集中で突破

局地戦と一騎打ち戦、そして接近戦の戦略が整ったら全ての力をそこに注ぎ込むということです。そしてできれば奇襲があればなおさら良いということです。


次に戦略構築する上での注意点について書いておきます。

・簡単に真似される差別化では強者には勝てない

強者がしていないこと(もの)を絞って展開したとしても、それが簡単に真似されることであれば意味をなしません。だって、強者ですから資金や人財など全てにおいて圧倒的に上回っていますから・・・真似することが難しい、あるいは時間がかかるものでないといけません。特に価格を下げて差別化することは一番してはいけない施策です。

・顧客が望まない差別化は差別化ではない

我々は気がついたら、売りたいものを売ってしまっています。顧客視点を忘れてはならないということです。顧客に近づき、本当に顧客が求めているものは何なのか?知る必要があります。

・差別化は1つじゃない

そして差別化は1つでなくてもかまいません。むしろ複数あるのほうが相乗効果が生まれて成功する可能性が高くなります。

・他業種からヒントを得て常識を変える

良質な情報に触れて、常識を覆すことが大切です。ヒントは個人であれば自分の周りではなく、もっと外にでることが必要です。社内の人としか付き合いがないのであれば社外の人脈を作る、会社であれば自業界だけでなく他業界に触れるみたいなことが大切です。

・最後に小手先のテクニックではなく、理念やこだわりを大切にする

存在意義、目指すべき姿、誰に?何を?、世の中のどんな問題を解決したいのか?、何にこだわっているのか? こういったことを想い仲間と共有することが何より大切なのかもしれません。こういったことがないままに戦略が成功することはないと思っておきましょう。









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