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カンプ・ノウ

 どんな言葉を使ったとしても、その素晴らしさを言い表すことはできない。僕はカンプ・ノウにいる。そこは僕にとって完璧な場所だ。乾いた空気。透き通るような日差し。僕は全身でバルセロナを吸収する。

 青、赤、黄。カンプ・ノウは主の色に染められる。涙が頬を伝う。カタルーニャの誇り。フットボールへの愛。その象徴としてのFCバルセロナ。”SOM EL BARCA”。「我はバルサ」。純度の高い思いが、その言葉に凝縮されている。

 ゴールラインとハーフウェーラインに立ち、寸分なきリフティングを行うメッシとダニエウ・アウヴェス。老若男女を問わず、ボールを持てば”Rapido!”と叫ぶバルセロニスタたち。交代に必要以上の時間を使う、ジエゴ・コスタへの罵声。そして、眼前で優勝を飾ったアトレティコ・マドリードに対する敬意の拍手。その余韻は厳粛でありながらも、熱狂に満ちている。

 どんな世界遺産よりも、僕はこの風景を後世に残したい。

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