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変わりゆく時代の流れが見える?:【都道府県シリーズvol.5:栃木県part1】

プロローグでは、栃木県は地形的な特徴で10か所に分けられるとお話ししました(あくまで私個人の見解です)。
今回は栃木県西部の高山地域についてお話ししていきたいと思います!
下図のになります。

栃木県_地形区分_番号

スーパー地形(カシミール3D)より抜粋
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。

見渡す限り、山だらけ!

さっそく地形を見てみましょう。

栃木県地形区分_01

黒線の県境と赤線に囲まれた地域が①です。
中央部から北西~南西の茶色い地域が特に標高が高く、火山地帯になっています。
北東部や南東部はやや低い山地ですが、それでも標高1000mを超える山々が並んでいます。まさに見渡す限り、山ばかり!

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火山地帯をアップで見ていきましょう。
真ん中右寄りのまるい地形は男体山、その南西は中禅寺湖です。
やはり火山地帯だけあって起伏のある面白そうな地形です。
別記事でおいおい詳しく見ていきたいと思います。

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これは①地域の北東部です。
あ!何だか見覚えがあると思ったら、北西のポツッとした平らな箇所、田代山湿原ですね(笑)(※田代山湿原の詳細はコチラコチラコチラ

火山地帯より標高は低めとはいえ、やはり山深いですね。
詳しく見て行けば色々ありそうです。

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こちらは①地域南東部。
山深いのはもちろん、西側を北東から南西へ流れる川が目立ちます。
また北西ー南東方向の川が多いですよね。

古い地質から新しい地質まで

では地質図を見ましょう。

地質図_栃木県西部高山①

20万分の1地質図幅「日光」:地質調査所 より

範囲が地質図をまたぐので、まずは北部。
黒線の県境と赤線の地域境界に囲まれた範囲です。カラフルですね。
それもそのハズ。
何せ色々な時代色々な地質がありますからね。

対象地域真ん中の火山地帯は赤や紫、茶色は第四紀更新世、つまり約258万年前以降人類の時代の火山です。

南側の緑点線で囲った薄ピンクの地域は恐竜が生きていた最後の時代である白亜紀後期の凝灰岩。

さらに北の青点線で囲った灰色系の地質は、まだ恐竜が登場する前古生代ペルム紀の泥岩や砂岩。

地質図_栃木県西部高山①_02

20万分の1地質図幅「宇都宮」:地質調査所 より

今度は南半分。県境の黒線と赤線に囲まれた区域を見てください。
北の方の濃いピンクは古第三紀、つまり恐竜が絶滅した次の時代花崗岩(地下深くでゆっくり冷えたマグマ)。

南の灰色やオレンジの地質は逆に恐竜が生きていたジュラ紀(白亜紀の1つ前の時代)の砂岩や泥岩。

まさに、変わりゆく時代の流れを感じさせられます!
これから追々と、この地域について詳しく紹介していきたいと思います。

今回はここまで。
お読みいただき、ありがとうございました。

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参考文献

山元孝広・滝沢文教・高橋 浩・久保和也・駒澤正夫・広島俊男・須藤定久(2000) 20 万分の1 地質図幅「日光」,地質調査所,7p.

須藤定久・牧本 博・秦 光男・宇野沢 昭・滝沢文教・坂本 亨・駒澤正夫・広島俊男・(1991) 20 万分の1 地質図幅「宇都宮」,地質調査所.

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