見出し画像

このままじゃ埋まっちゃう!?:危険な地形を見てみようpart2【災害から身を守る vol.10】

前回は天然記念物:湯沢噴泉塔の対岸の地すべりについてお話ししました。
今回はその地すべりについて、もう少し掘り下げます。
話しやすくするために、この地すべりに名前をつけたい
私の独断と偏見で噴泉塔地すべりにしちゃいます(笑)

ちなみに念のため!

そうそう、前回から地形図を見ただけで「地すべりだ!」と1人で騒いでましたが、裏をとりますね(笑)
私が描いたのと少しカタチは違いますが、国も地すべりと認識してるみたいですね。(ヨカッタ~笑)

地すべり地形_湯沢噴泉塔
防災科学技術研究所「地すべり地形分布図」より

え?なぜカタチが違うかって?
そりゃ防災科学技術研究所はスーパー地形を見てないってことでしょう(笑)
イヤまぁ、冗談はさておき・・

もともとの国の地すべり地形判読は、昔ながらの「空中写真判読」と言う方法で実施されてまして、より専門的な経験が必要でした。
また防災の観点からも、疑わしきは罰する(「かもしれない」を含める)という考えもあります。

私の場合は「スーパー地形」と言う「地形が見やすいアプリ」を見た上で、それに対しての「約20年、技術者として経験した目」「これは間違いない」と判定したもの。
判定手法の違いと「どこまでを黒と判定するか」の違いかと思います。

噴泉塔地すべりの特徴

前回は「大きい」と連呼しましたが、一般の方々はピンときませんよね。
日本の全国各地に地すべりがありますが、斜面の長さで1kmとなれば「超大きい」です。
日本最大の地震地すべりと言われる荒砥沢地すべりは約1.5kmの地すべり。

では噴泉塔地すべりの大きさを見てみましょう。

地すべりのサイズ

スーパー地形(カシミール3D)より抜粋
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト)
※トップ画像を含め、以下の画像すべて引用もとは同じです。

地すべりの長さ(赤)幅(黄)の線を引いて、その線を回転させて左上のスケールに合わせてみました。
長さは1.3kmくらいですかね?幅も1km超えてますね。

地質を見てみる

地すべりと地質は切っても切れない関係があります。
特に大きい地すべりの場合は地質的な理由がなければ、まずありえません

地質図_噴泉塔地すべり
20 万分の1 地質図幅「日光」:地質調査所 より

赤丸が噴泉塔地すべりです。ピンクですね。コレです。

地質図凡例

地質図の解説書を読み解くと約700万年前くらいの地層です。
デイサイトー流紋岩凝灰角礫岩ウンヌン・・ということなので、ドロドロの粘っこいマグマが噴火して、火砕流などが発生して溜まって固まった地層です。
結構、硬い地質だと思います。こういう地質って地すべりになりにくい
ということは、何か地すべりになる要素他にあるってことです。

このピンクの地層について、もう少し詳しく見るうちに、分かってきました。が、すみません、次回に続きます!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献

山元孝広・滝沢文教・高橋 浩・久保和也・駒澤正夫・広島俊男・須藤定久(2000) 20 万分の1 地質図幅「日光」,地質調査所,7p.

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?