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【第2部】ヒーコ トークイベントレポート


読みにくかったので、一部リライトしました!記憶をたよりに書いてるので、私の誤解等あれば教えてくださいませ~~!

 

★登壇者のみなさん


・保井崇志さん


・濱田英明さん


・黒田明臣さん



(1) 商業撮影とSNS

黒田さん:自分はSNSで育てられた人間。SNS以外の仕事は切り分けて実験的にやっている。

保井さん:自分の収入のうち長期契約、スポット契約の割合を算出してみた。それぞれの仕事が、どれくらいのパーセンテージを占めているかを見てみたところ、長期契約、年契約の割合が多い。その内容としては、撮影だけではなく、SNSの投稿もパッケージになってることが多い。毎月の納品枚数がノルマあって、その中から自分も月に1回ポスとするという座組みでやってます。FUJIFILMやSAMSUNGとは毎月投稿している。
 いやいやではなく、自分自身が選んでやっているタイアップ。撮らされる写真ではなく、撮りたい写真を撮って、その中から1枚をタグ付けして投稿する。写真家として1つのマネタイズの道だと思っている。これは写真家の新しいスタイル。納品後写真をあらためて印刷に使う・ウェブサイトで使う、ということがあったら、二次使用料をいただいている。。

濱田さん:(安田さんとは逆に)自分はタイアップはできない。タイアップの投稿は得意じゃないから、積極的に「やらない」ようにしている。自分が何を投稿するかは100パーセント自分自身で決めたい。気分でやりたい。気分でやれないものが自分をコントロールするのは嫌だ。

 (話は変わり)ドラマ韋駄天の写真に関して、きれいな写真は必要ないと思ってる人が全国的には多数派。でもそこにきれいな写真への支持が上がりつつはある。

黒田さん:ドラマが見てる層のリテラシーが、濱田さんの写真に追いついてるかというと、まだそうではない。でも今後成熟していくだろう。

濱田さん:「#もしもSNSがなかったら」の取り組みなんかが象徴的。この展示では、1枚の写真を、媒体を変えて展示した。インスタの画面、紙、Tシャツなど。なぜそんなことをやったかというと、iPhoneやインスタというプラットフォームにどんどん最適化されていく写真が、ほかの媒体で出されたときにどう見えるかを検証したかったから。写真の選定にあたっては、自分の評価と他人の評価が割れた写真をセレクトしてみた。台湾でビニール袋が飛んでる写真。自分ではそれほどが来ないだろうと思っていた写真だけど、歴代ベストレベルで反響をもらえた写真。
 ちなみにアンケート結果をみると、展示の中ではTシャツがいちばんかわいかったという声が多かった。だから、その写真に力があれば、媒体をかえていっても耐えうるのではないか。

黒田さん:インスタナイズされすぎた写真は、ほかの媒体に対して不可逆かもしれない? 写真展にいくとき、われわれは「写真鑑賞」のマインドで写真を見ている。だけど、Tシャツのグラフィックを見るときは、は同じ心構えでは観ない。ならSNSはどういうマインドで見てる?世の中の多くの人は、写真鑑賞というマインドでインスタを見てはいないだろう。いいねを押した人の多くは、「おもしろいね」とか、写真鑑賞「ではない」視点でイイネしているかも。保井さんは、「自分の撮る写真」とフォロワーの「見たい写真」がマッチしているからすごいね!

黒田さん、保井さん:ていうか、そもそも袋飛んでても取らないよね(笑)

濱田さん:ビニール袋の写真を海外の人が見たら、「環境問題への問題提起の写真ですね?」という捉えられ方をすることもある。おもしろい。

保井さん:(次の話題へ)濱田さんの写真は、老若男女問わず「良い」と思ってもらえる写真ですよね。先日読んだ佐藤尚之さんの「ファンベース」という本に、まさに自分の考えがまとめてあった。10人お客さんがいたら、2人はお得意様、あとの8人は一見さん。客観的に見て、濱田さんの写真は誰が見てもいい写真。僕の写真は、10人中2人がいい写真と言ってくれる写真。

黒田さん:ポートレートはパーソナルだから、見る方も想像がしやすすぎる。イマジネーションが具体的になりすぎるとLIKEはつきづらい。
 SNSをやっていることは、自分の見えないコミュニティを持っているという捉え方もできる。2割の人に、よりよい価値を提供していくやり方が保井さんはうまい。

保井さん:日々の投稿をトライアンドエラーしながら反応を見ている。

黒田さん:保井さんの写真は、名前を見なくても「保井さんの写真だな」って一発でわかる。期待している人に期待しているものを届けるB’z的スタイル。

保井さん:フォロワー数っていうと、1つのかたまり、ブロックみたいな捉え方をされるけど、画面越しに一人一人の人がいるわけで、自分の人生があって好き嫌いがあって、何かのご縁で自分の写真を見てくれているわけですよね。

濱田さん:自分は写真を投稿するとき、具体的にどの人にいいって思ってほしいかを思い浮かべながら投稿している。

黒田さん:ユーザーの写真にたいするリテラシーは上がっている。写真を見る目も養われてきている。

保井さん:kohkiさんという方のインスタが、めっちゃ伸びてる。トレンド感をおさえながら、いい写真を撮っている。そもそもの写真のうまさってやっぱり必要。「インスタっぽい」写真で人気だった人(写真の技術がそんなにない人)は、さいきんでは急激にフォロワーが減ってたりする。
 見てる人とのキャッチボールなので、そこがずれていかないように気をつけている。2割の人に届いて、さらに応援してもらえるような写真を。◯◯な写真だったら保井さんだよね?と思ってもらえるような写真を逆算して届ける。

黒田さん:なんでも屋さんになるより、そっちのほうが強い


(2) 仕事の種類と収入の割合


保井さん:収入源を分散させられること、自分でコントロールできることは大事。noteとか、写真の二次利用とか。
 写真の二次利用料金はきっちり確認するの必要!みんなきっちりやったほうがいいですよ!写真とその二次利用は、SNSで積み上げられる資産のひとつ。

黒田さん:カメラマンの体力には限界があるし、労働集約に終始しないことが大事です!


(3) SNSを使う理由


濱田さん:・・・たのしいから♡

黒田さん:仕事につなげたいなぁと思ってます。今はSNSからあんまり仕事につなげていないので。ちなみに、写真を「撮る」仕事だけで一生やっていくつもりではないです。

保井さん:これから先、言語の壁がなくなって、SNSの世界はよりシームレスになっていく。ファンが世界中にいるという状態になったとき、世界中に何十万とフォロワーがいなくても、数千人の濃いファンがいればやっていける。数千人でも、毎月500円のnoteマガジンを購入してくれる人がいれば収入になるし。


濱田さん:これから技術が発達していったとき、写真というものが変わっていくかもしれない。撮るときにピントを合わせなくてもいいとか、そんな時代がくるかも。
 そうなったとき、結局、見る人が求めるのはその撮影者の「らしさ」。技術が進化していっても、見せられるのはその人らしさ。そのコアの部分をどう作っていけるか。

保井さん:静止画の陳腐化は起こりうる。

(ぽんず追記: 機械やAIが進化していけば、静止画のクオリティはどんどん上がっていく。素人でも、美しい写真が撮れるようになっていく。単純に「静止画を撮る技術」だけを頼りに生きていくのは、この先厳しいだろう・・・という意味だと解釈をしています)


黒田さん:もしかすると、(自分たちと)同じ写真を(ほかの人が)簡単に撮るできるようになるかもしれない。そうなったとき、どう編集するか、どんな順序でSNSにのせるか、最終的には生き様みたいなところまでを含めてがフォトグラファーの仕事になっていくのかも

濱田さん:見せ方のアップデートは、SNSだからこそいろいろできる。

黒田さん:「個人に紐づいた見せ方を気にしていく」ことがSNSを活用するキーワード。マーケティング(ブランディング?)という言葉を使うのは違うかもしれないけど。

保井さん:でもある程度は天然。気軽に楽しいノリも大事!

黒田さん:「やりたい」ベースであること大事!

保井さん:自分の課題を研ぎ澄ませておく。自分の課題に気づいて、撮影からSNSに掲載するまでのサイクルのなかで解決までやっていく。


~以上です~

最初から最後まで、濃い話ばかりで最高でした・・。

結局は「生き様」なのだなぁとしみじみ思う帰り道。技術を磨くのはもちろんだけど、誰でも写真が撮れる今の時代、「どういう思想をもった人間か」というのも技術と同じくらい(ときにはそれ以上に)大事になってくるのでしょう。

こわいけど、わくわくする。踏ん張って生きるぞ。

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