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帰遅スープにまつわる往復書簡

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#コラム

『帰遅スープ』レシピ本大賞料理部門入賞しました

『帰遅スープ』レシピ本大賞料理部門入賞しました

今の出版社に転職して以来の悲願が今日かないました。
有賀薫さんの『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』が第5回料理レシピ本大賞料理部門で入賞をいただきました。

華やかな受賞パーティーでキャイーンの天野さん(すごい良い人な感じの方だった!)から賞状を頂きました。その時、少しだけ皆さんの前でお話しをする機会があったのですが、私は人前に出て話すのが死ぬほど苦手(できれば避けたい)ので、手短に済ませま

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「楽ちん料理」と「料理の楽ちん」はちょっと、いや、だいぶ違う

「楽ちん料理」と「料理の楽ちん」はちょっと、いや、だいぶ違う

簡単料理はいつの世も人気があるものだが、昨今では、より簡単、時短、さらに材料もなるべく少なく、家庭のレシピはその極限まできている。

私のスープ本もそんな「楽ちん料理」のひとつとして需要があるのだろうと思う。たとえばレンジでできるスープとか、5分でできるスープとか、包丁を使わないでいいスープ。そういうレシピを作ってくださいと依頼を受けることは多い。このままいくと、料理はしないのが一番楽である、とい

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「安心安全な場」を作りたい

「安心安全な場」を作りたい

先日、天狼院書店さんにて有賀薫さんの『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』刊行記念を兼ねた、「ごはんの話を聞かせてください」のイベントを行った。

有賀さんがこちらのレポートにも書いてくださっているように、ごはんや家事の悩みを通して、コミュニケーションの問題が浮き上がってくるように感じた2時間だった。1週間経った今、もう一度振り返ってみて特に印象深かったことをまとめてみる。

・「洗い物が嫌」と

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「料理好きです」といえない理由

「料理好きです」といえない理由

先日、こちらの有賀さん主催のイベント(座談会?)に参加してきました。

子育て中の主婦の方、学生の方、料理がすごく好きな人、作るのは別に好きじゃない人、一人暮らし、家族がいる人など様々。有賀さん含め8名の参加者。

他の参加者の方から、「どうして一人暮らしで忙しいのに料理をするの(したいの)?どうして買わないの?」という質問でふと気づいた。

私は本当は、料理をするのが好きだ。

私が料理で好きな

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コンビニ食が罪悪感なのはどうしてなんだろう、とスープを作りながら考えた

コンビニ食が罪悪感なのはどうしてなんだろう、とスープを作りながら考えた

ほんとうにおかげさまで『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』が4刷となりました!近所の本屋でみつからないという声も多かったので、今回の増刷でお手元に届くといいなと思っています。

さて、先日スープについてある媒体に取材を受けたとき「有賀さんのレシピはコンビニ食材を使ったりして身近だけど、手を抜いているというのではなくきちんと料理した感があるのがいい」というようなことをライターさんに言われて、

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「作る楽しさ」と「簡単さ」の奇跡的なバランス

「作る楽しさ」と「簡単さ」の奇跡的なバランス

有賀さんとの往復書簡的なnoteをきっかけに、色々な人からレシピ本の感想をいただいた。そこで気づいたのは、私が有賀さんのレシピを好きな理由が「自己肯定感が高まる」からだ、ということだ。

さらに私はこの方のツイートに深く共感してしまい、どうしてコンソメ使わないとすごい事をした気分になって、妙にテンションが上がるのか考えてみた。
そこで初めて、コンソメを使わない料理のほうが「料理している感じ」が味わ

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自分で作った料理(たいしたものでなくていい)への愛しさを知ってほしい

自分で作った料理(たいしたものでなくていい)への愛しさを知ってほしい

有賀さんが私が書いたこちらのnoteに対するお返事を書いてくださった中で、ちょっと驚きながらもうれしかったことがある。

私も帰りが遅くなってちょっと手抜きをしようとして、スーパーの惣菜売場で買うものがみつからず立ち尽くす日がある。

私が前のnoteに「コンビニの棚の前であんまり美味しそうでもなければ安くもないものから食べるものを選ぶのがすごく苦手」と書いたことに共感してくださったこの言葉、有賀

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コンビニの棚の前で立ち尽くすことと、料理の腕前の関連性について

コンビニの棚の前で立ち尽くすことと、料理の腕前の関連性について

忙しくてそのままになってしまっていたが、先日私が書いた『ごはんマシンに変身するわたしと、疲れて帰ってきた日のごはん作りについて』という記事に対して、編集者のユリさんが、こんな感想の記事を書いてくれていた。

私が「忙しいときってこのぐらいの手抜き料理でもしかたないよね」みたいなことを書いたら、ユリさんが私の「このぐらいの手抜き料理」の内容を読んで、驚いたという内容だ。

私は疲れたとき、フライ

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それぞれ基準は違うけど、みんな自分のちょうどいいを見つけてほしい

それぞれ基準は違うけど、みんな自分のちょうどいいを見つけてほしい

疲れて帰ってきた日は、本当に何もしたくない。有賀さんのこのツイートを見て、私は本当にそのとおりだなと思った。

外食も疲れるし、コンビニで選ぶのも面倒くさくて(コンビニの棚の前であんまり美味しそうでもなければ安くもないものから食べるものを選ぶのがすごく苦手)、早く家に帰りたくてとりあえず家に帰ってしまうことがたまにある。家の冷蔵庫にたいしたものが入っていないのもしっているけれど。

ちょうどおとと

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ごはんマシンに変身するわたしと、疲れて帰ってきた日のごはん作りについて

ごはんマシンに変身するわたしと、疲れて帰ってきた日のごはん作りについて

ツイッターで夜中に何気なくつぶやいた「考えない料理」のツイートにすごく多くのいいねがついて、料理は大変に思われているのだなあと、料理を仕事にしている私としては複雑な気持ちになった。

「疲れた時に考えるな」は、料理に限らずクリエイティブな仕事全般に言えること。でも他の仕事と違って料理は今の必要に迫られるから、待ったがない。
私はたぶん普通の人より料理が上手で手早く、しかも料理そのものも好きだ。そん

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