ユリ(書籍編集者)

書籍編集者。人にやさしい本を作りたいです。散歩に最適な街から、人間味少なめの街へ引っ越…

ユリ(書籍編集者)

書籍編集者。人にやさしい本を作りたいです。散歩に最適な街から、人間味少なめの街へ引っ越した後、花屋とケーキ屋が多く生活に向いている街に引っ越しました。Photo by @yukitsunesumi(instagram)

マガジン

  • 体で考えて、頭で感じて、心で動きたい。

    自分の感覚と世間の擦れに、たまに驚くマガジンの記事が100件になったので第2弾作りました。

  • 3000日スープにまつわるあれこれ

    有賀薫さん『3000日以上、毎日スープを作り続けた有賀さんのがんばらないのにおいしいスープ』(タイトル長い・・・!)にまつわるnoteまとめです。

  • 料理・家事のいろいろ

  • 帰遅スープにまつわる往復書簡

    • 17本

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『帰遅スープ』レシピ本大賞料理部門入賞しました

今の出版社に転職して以来の悲願が今日かないました。 有賀薫さんの『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』が第5回料理レシピ本大賞料理部門で入賞をいただきました。 華やかな受賞パーティーでキャイーンの天野さん(すごい良い人な感じの方だった!)から賞状を頂きました。その時、少しだけ皆さんの前でお話しをする機会があったのですが、私は人前に出て話すのが死ぬほど苦手(できれば避けたい)ので、手短に済ませました。有賀さんはお話がすごーく上手なので、「担当編集ののもとさんからにんじんもジ

    • 人の日記が面白い

      最近、人の日記を読むのが好きだ。 きっかけはとある人のnoteだった。 前からフォローはしていたけれど、全ての記事を読んでいたわけではない。その人を知ったのは、数年前の文フリでジンを購入したからだった。 今年の一月、私は日本に帰ってきたばかりで時間を持て余していた。半年ほど日本語の活字から離れていたため久しぶりに活字中毒のようになり何かしらの文章を読み漁っていた。アウトプットとしてやりたいことがありつつも、全ての時間をそれに費やすエネルギーがなく、文章を読むことで大量の時間

      • 『黄色い家』の感想覚え書き

        川上未映子さんの『黄色い家』を読んだ。 買おうか迷っていたが、家にある『夏物語』を再読して最初に読んだ時とはまた違う感覚で面白かったから、やっぱりこの著者の新刊なら読みたいと思い買って読んだ。 電車の中、カフェ、家ととまらなくて一気に1日で読んだ。 読んだ後も、この話が作り話であることが信じられないというか、黄美子さんの事件について検索したくなってしまうというか(ニュース記事が出てくるわけないのに)本の世界から戻ってこられないくらいの感覚になった。なかなか寝られずに著者のイ

        • エッセイを読む愉しさ

          最近エッセイが自分の中で再ブームになっている。 特にここ数年、同世代の著者のエッセイが増えた。さすがに20代前半では同世代の著者は少なかったから、これは年を取ることの楽しみが増えたということだと思う。 小学生の頃、初めて読んだエッセイはさくらももこさんの『もものかんづめ』や『あのころ』などだった。小説以外で面白い本があるということを初めて知り、初めてひとりで本を読みながら声を出して笑った。 母親が読んでいた林真理子さんの『美女入門』シリーズや、大きくなるにつれて群ようこさん

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        記事

          マヨルカ島で聞いた藤井風

          友達から仕事が休めそうだから旅行しようと言われ、時間だけはある私はいいねと返した。日程だけ決まり、あとは私がいるダブリンから、彼女がいるドイツから行きやすいところでどこかないかと探していたところ、スペインのマヨルカ島に決定した。マヨルカ島は、「ヨーロッパのハワイ」と言ったらわかりやすいかもしれない。こちらの人は、太陽を求めて旅行をしている気がする。マヨルカは特にドイツ人に人気らしく、確かにドイツ語を話す声をたくさん聞いた。観光地として栄えているので空港も大きく便利だし、メニュ

          マヨルカ島で聞いた藤井風

          ヘルシンキで日本を思い出した話

          初めて北欧の国を訪れた。フィンランドのヘルシンキ!!!ムーミンマリメッコアアルトと憧れの国で期待は大きかったけれど、余裕で期待をこえてきた。ヘルシンキでは本当に意外にも日本を思い出すことが多くて、アジア以外で日本を感じることはあまりないから、新しい感覚だった。この新しい文化圏を体験する感じが旅で一番好き。 まずこんな遠い国で日本語表記を見ることに感動した。ヘルシンキの国際空港で中国語韓国語に並んで日本語があった。空港で日本人らしき人も見た。直行便が飛んでいる国は確かに行きやす

          ヘルシンキで日本を思い出した話

          9月18日19日ロンドン日記

          1ヶ月前、ライアンエアーのチケットを見ていたらロンドン往復が爆安(往復25ポンド、日本円で4000円くらい?)だったので1泊二日で予約した。まさかそのうちの1日がエリザベス女王の国葬の日になるとは、思ってもいなかった。 ハリーポッターのミュージカルを見て、いくつか好きな美術館を見て帰ろうと思っていたけれど、国葬の日は国立美術館はすべてお休み。国葬の日の街がどんな感じなのか全く想像がつかず、交通機関は大丈夫なのかなど心配なことばかりだったが、着いたらなんとかなった。国葬といって

          9月18日19日ロンドン日記

          ダブリンからこんにちは。4週目

          私は海外にいるとき妙な解放感を感じる。短期間の旅行ですらそうだった。 例えば服はいつも適当。ジーンズとか長ズボンにトレーナーとかTシャツとか。今回は、帰りにスーツケースを軽くしたいので捨ててもいい服をなるべく持ってきた。靴もいつも同じスニーカー。 例えば、バスや電車で空いているときに荷物を隣に置いて足を組んでスペースをゆったり使うことに全く抵抗を感じない。人が来たらどかせばいい。私は日本でこれが苦手。空いていても、なぜかいつも人の迷惑にならないように座席で身を縮めてしまう。だ

          ダブリンからこんにちは。4週目

          私は私のために夢を叶えてあげようと思った

          5年以上勤めていた出版社を退職し、長年の夢だった留学を実現させることにした。もし誰かが、ぼんやりやりたいことを抱えているとしたら、無責任にその背中を押したいとおもいながらこのnoteを書く。 考え始めたのは、2021年の年末頃。コロナになってから丸2年が経ちそうで、ずーっと頭の上にグレーの雲がのっているような気分が続いていた。仕事は楽しいけれど、前ほどワクワクを感じられなくなっていた。慣れてきたからか、あまり大変じゃないこともつまらなかったし、大変なことに挑戦できていない自

          有料
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          私は私のために夢を叶えてあげようと思った

          【後編】自分の中のアンコンシャス・バイアスに気づいた話

          さてこちらの文章の違和感の正体、わかりましたでしょうか? 詳しくは前編をご覧ください⇩ 女性初のIBMのCEOになったジニー・ロメッティの言葉です。 そして指摘を受けて、修正した原稿がこちら。実際に出版されている本では、このようになっています。 こうやって並べると違いがわかると思います。元々の原稿では、一部の女性のリーダーの言葉遣いが、「〜だわ」「〜よ」のような「女性ことば」になっていたのです。 なぜ翻訳されると不自然な言葉遣いになるのか 浜田さんから、最初の原稿を

          【後編】自分の中のアンコンシャス・バイアスに気づいた話

          自分の中のアンコンシャス・バイアスに気づいた話【前編】

          5月10日に担当した翻訳本が刊行されました。 この本を編集する中で、自分で無意識な偏見を持ったまま編集をしてしまっていたことに気付かされることがありました。 その問題となった原稿の一部を抜粋します。これは女性初のIBMのCEOになったジニー・ロメッティの言葉です。 これだけ見て違和感がある人はどのくらいいるでしょうか。何が問題なのか説明する前に、この本を編集した際の経緯からお話します。 すごい豪華なビジネス書と思ったけれど この原書を最初に見たとき、ジェフ・ベゾス、

          自分の中のアンコンシャス・バイアスに気づいた話【前編】

          2021年買ってよかったもの・始めてよかったこと

          久しぶりすぎるnoteです。最近、人に自分が本当に良いと思っていることを勧めるのが好きなので、毎年恒例  #買ってよかったもの に参加してみます。 ここで紹介するのは、私がガチで使っていて人にも勧めたりあげたりしたものだけ。私の「これまじでよかった!」をお裾分けできたら嬉しいです。 まずは買ってよかったもの 履き心地ふっかふか!allbirds スニーカー今年一番買ってよかったものかもしれない。スニーカーの大革命といっても過言ではないスニーカー!ほんとに言い過ぎじゃないと思

          2021年買ってよかったもの・始めてよかったこと

          死ぬときに何をのこして死にたいか

           コロナにより学校が休校になったのが昨年の3月1日だったそうだ。それからまる1年たった。自分のことを思い出すと、3月末に体調を崩し2日ほど会社を休んでいる間に「来週から基本はリモート業務になります」と突然のお達しがあり驚いたことを覚えている。東京は緊急事態宣言がまた延長されるそうだが、昨年4月の緊急事態宣言に比べると、そこまで生活が変わったという感じはない。緊急事態にも慣れてきた感じがある。慣れてしまうとそれが本当に緊急なのか謎だけど。  昨年はコロナ禍により、新しい人に出

          死ぬときに何をのこして死にたいか

          5日間clubhouse使った人がおすすめすること

          話題のclubhouse、すっかりはまってます。個人的には、clubhouseの面白さと実用性に感動すらしてます・・・! 何名か友達を招待してるのですが、その都度説明している内容を簡単にまとめてみました。超素人目線です。 1、出会いを楽しむ:前から話したかった人、近い業界の人と知り合える同じ業界で名前は知っていた人、でも特に今の状況では実際に会うことはないような人と話せるのが嬉しいです。前にあったことがある久しぶりの人とも再会できてゆるくつながれました。これは仕事的にも実

          5日間clubhouse使った人がおすすめすること

          個人的・孤独のグルメ

          有賀さんのこんなツイートを見かけたので、最近感動したひとりでも食べたい(ひとりのときこそ?)おいしいお店をシェアします。 仕事が遅くなったときや、疲れてごはんを作る気になれないけれど、ちょっとおいしいものが食べたいとき、ひとりで入れる飲食店があると本当に助かります。 紹介するのは、東京23区内で、昨年1年間でわたしが実際にひとりで行って感染対策もできる限りされていて、美味しく落ち着いて食べられるなと思ったお店です。 毎日食べるというよりも、基本は自炊がメインでたまに食べ

          個人的・孤独のグルメ

          「自分しかできないことをしないとサバイブできない」

          東京都現代美術館の石岡瑛子展にいってきた。 実は私、石岡さんのことをほとんど知らなかったのだけど、作品は知っているものが多かった。パルコのCM、東急百貨店のロゴ、角川文庫のデザイン、ハリウッド映画の衣装などどこかでみたことがあるものばかり。そして作品ジャンルが幅広く、「これひとりでやったの?」と思うくらい圧巻の展示だった。 展示は3つにわかれていて、その部屋を追うごとに時代の変遷も見られるのが面白い。 1つ目の部屋、資生堂やパルコの広告など日本国内の仕事の部屋は、数十年

          「自分しかできないことをしないとサバイブできない」