【小説】不思議なTELのアリス 第2話 五月ウサギ【毎月20日更新!】
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まぶたの薄壁に隔てられていても尚感じる眩しさに、アリスは目をぐっと瞑った。どこかに掴まっていないとふらついてしまいそうだった。おもむろに目を開けると、そこはさっきまでアリスが受話器を取っていた昭和レトロの空間ではなく、青々とした草原が広がっていた。
アリスがいる石造りの建物からは、白い道がすっと遠くまで伸びている。なだらかな丘を超えた先には、まるで絵本の世界のように高くそびえるお城が存在していた。アリスは胸の前で手を組み、おもわず