高取 由弥子 Yumiko Takatori

宇宙開発×法×教育を研究中の弁護士。第一東京弁護士会 宇宙法研究部会ファウンダー。UNISEC-Global(大学宇宙工学コンソーシアム)。慶應義塾大学・宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙法規範研究会。内閣府宇宙政策委員会臨時委員(宇宙活動法基準・安全小委員会委員)。

高取 由弥子 Yumiko Takatori

宇宙開発×法×教育を研究中の弁護士。第一東京弁護士会 宇宙法研究部会ファウンダー。UNISEC-Global(大学宇宙工学コンソーシアム)。慶應義塾大学・宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙法規範研究会。内閣府宇宙政策委員会臨時委員(宇宙活動法基準・安全小委員会委員)。

    最近の記事

    2022年開催国連宇宙空間平和利用委員会と国連宇宙部の動向

     2022年6月1日から6月10日まで、オーストリアのウィーンで、第65会期国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)本委員会がオンライン併用にて開催されました。  これに先立つ2022年2月7日から2月18日までは第59会期国連COPUOS科学技術小委員会が、2022年3月28日から4月8日までは第61会期国連COPUOS法律小委員会が開催されました。  私はパーマネント・オブザーバのUNISEC‐Globalの代表団として、川島レイ事務総長と共にいずれもオンラインで出席し

      • 第一東京弁護士会 創立100周年記念 宇宙法シンポジウム

         今回は、第一東京弁護士会が開催する創立100周年記念宇宙法シンポジウムをご紹介します。 1.第一東京弁護士会 宇宙法研究部会 第一東京弁護士会の宇宙法研究部会は、2016年春に、司法研修所の同期同クラスの水島淳弁護士と構想して、立ち上げることにしました。  諸手続きを経た後、2017年1月から、第一東京弁護士会においてシンクタンク的機能を有する総合法律研究所内に設置することが認められました。  設立メンバーは22名でしたが、若手弁護士の宇宙法分野への関心は高く、第一東

        • 世界の最新宇宙活動と宇宙法政策-カナダ編

           今回は、2021年に開催された国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)本委員会と各小委員会に加え、2022年2月7日から同月18日まで開催された第59会期国連COPUOS科学技術小委員会(STSC)におけるカナダの見解のポイントを交えながら、カナダの最新の宇宙活動と宇宙法政策をご紹介します。 1.キーワードは「対話、国際協力、キャパシティビルディングの強化」 カナダは、宇宙空間の長期的な安全性と持続可能性を重視しています。  COPUOSで、カナダは、「宇宙条約では、

          • 世界の最新宇宙活動と宇宙法政策-ニュージーランド編

             今回は、2021年に開催された国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)本委員会と同法律小委員会に加え、2022年2月7日から同月18日まで開催された第59会期国連COPUOS科学技術小委員会におけるニュージーランドの見解のポイントを交えながら、ニュージーランドの最新の宇宙活動と宇宙法政策をご紹介します。 1. キーワードは「すべての人に宇宙へのアクセスを開放する」 ニュージーランドの宇宙活動は、ごく最近の2017年5月、Rocket Lab社による世界初の民間射場からの

            宇宙と水

             古来、水は人類にとって大きな関心事です。  人間の体は約65%が水分であり、水なしでは5日間も生きられないとされています。  国際連合広報センターによれば、世界人口の10人につき3人は安全に管理された飲料水サービスを利用できません。また、世界人口の40%以上は水不足の影響を受け、しかもこの割合は今後さらに上昇すると予測されています(2018年12月時点。https://www.un.org/sustainabledevelopment/water-and-sanitat

            世界の最新宇宙活動と宇宙法政策-インド編

              今回は、2021年に開催された国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)本委員会と同法律小委員会に加え、2022年2月7日から同月18日まで開催された第59会期国連COPUOS科学技術小委員会におけるインドの見解のポイントを交えながら、インドの最新の宇宙活動と宇宙法政策をご紹介します。 1.キーワードは「民間宇宙能力の開発」 インドの宇宙研究計画は、1960年代にトゥンバ赤道ロケット発射基地(TERLS)の観測ロケットを使った地球大気の探査から始まり、衛星、着陸機、ロー

            世界の最新宇宙活動と宇宙法政策-ロシア編

             今回は、2021年に開催された国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)本委員会と同法律小委員会におけるロシアの見解のポイントを交えながら、ロシアの最新の宇宙活動と宇宙法政策をご紹介します。 1.キーワードは「COPUOSの役割」(COPUOS重視)(1)人類初の宇宙飛行から60周年  1961年4月12日、旧ソ連のユーリ・ガガーリンは、宇宙船ボストーク1号でバイコヌール宇宙基地を単身で飛び立った後、地球周回軌道を1周して帰還しました。  人類に有人宇宙活動への道を切

            世界の最新宇宙活動と宇宙法政策-米国編

             今回は、2021年に開催された国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)本委員会と同法律小委員会における米国の見解のポイントを交えながら、米国の最新の宇宙活動と宇宙法政策をご紹介します。 1.キーワードは「国際パートナー・事業パートナーとの協力」と「宇宙空間での責任ある行動」(1)「国際パートナー」と「事業パートナー」の役割  2021年のCOPUOS法律小委員会では、宇宙資源が重要なイシューで、米国が主導するアルテミス合意に注目が集まりました。  アルテミス合意は、

            世界の最新宇宙活動と宇宙法政策-中国編

             今回は、2021年に開催された国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)本委員会と同法律小委員会における中国の見解のポイントを交えながら、中国の最新の宇宙活動と宇宙法政策をご紹介します。 1.キーワードは「真の多国間主義」 2021年は、中国が国連における法的地位を回復してから50年目にあたりました。  この間、中国は、国連との連携を日増しに深めていきました。  COPUOSで、中国は、この50年間、多国間主義と国連を中心とした国際システムを積極的に支持し、COPUO

            世界の最新宇宙活動と宇宙法政策-日本編

             国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)では、「宇宙空間の平和利用のための方法と手段」「宇宙と持続可能な開発」「宇宙と水」「宇宙と気候変動」など様々な議題について議論されています。  今回は、2021年に開催された国連COPUOS本委員会と同法律小委員会における日本の見解のポイントを交えながら、日本の最新の宇宙活動と宇宙法政策をご紹介します。 1.キーワードは「宇宙の安全、安心、持続可能性、安定性の確保」と「国際協力」 日本は、COPUOSで自国の見解を発表する際、「

            Dark and Quiet Skies問題に対する国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)の動きと米国の見解

             Dark and Quiet Skies問題は、2019年5月にSpaceX社が打ち上げたStarlink衛星初号60機が天文学に与えた衝撃を契機とし、最新のイシューとなっています。  国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)も早期に動き始め、国連宇宙部のHPにはこの問題に対するCOPUOSの関与の重要性が指摘されています。  2021年8月25日から9月3日まで開催された第64会期国連COPUOS本委員会では、スイスやチェコ共和国など声を上げる国が複数登場し、米国も自

            日本人宇宙飛行士の月面着陸構想と中国・ロシアの国際月面研究基地計画 (ILRS:International Lunar Research Station)

             2021年12月28日、日本人宇宙飛行士による月面着陸について、宇宙開発戦略本部で岸田首相が「2020年代後半の実現をはかる」と表明し、かつ、政府が策定する「宇宙基本計画」の工程表を改訂して「米国人以外で初となることをめざす」等記載すると報道されました。(https://news.yahoo.co.jp/articles/44882e692c212d683c511752e76c0511c5c56fa3 TBS NEWS(2021-12-28)参照2021-12-31) 1

            Starlink(衛星コンステレーション)計画とDark and Quiet Skies問題

             CubeSat(キューブサット)をご存じでしょうか。  CubeSatは10cm角の立法体で、重さは1kg程度のサイコロ型の超小型衛星です。   超小型衛星の世界に魅せられたのは、『上がれ!空き缶衛星』(川島レイ 2004年 新潮社)と『キューブサット物語~超小型手作り衛星、宇宙へ~』(川島レイ 2005年 株式会社エクスナレッジ)を読んだことがきっかけです。東京大学と東京工業大学の学生達による熱き宇宙開発のドキュメントで、何度読んでも面白く、刺激になります。  UN

            宇宙のルールメーキング最新事情-国連COPUOS法小委 宇宙資源WG編

             2021年6月15日、わが国では、民間事業者が採掘等した宇宙資源に対する所有権を認める「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律」(令和3年6月23日法律第83号)が議員立法で成立しました。米国、ルクセンブルク、アラブ首長国連邦(UAE)に続き、世界で4番目の国内宇宙資源法になります。  今回は、宇宙資源を巡る世界のルールメーキング、主に国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)法律小委員会のワーキンググループ(宇宙資源WG)について紹介し、わが国が取るべ

            宇宙作戦隊が担うSSA-キラー衛星(衛星攻撃衛星)対策

             先日、「防衛省、『宇宙巡回船』の建造検討 警戒・監視、衛星修理も」と題するネットニュースが注目を集めました。   スペース・デブリによる稼働中の衛星への衝突の懸念と、中国やロシアが他国の衛星を攻撃・妨害する「キラー衛星」を開発しているとされることから、防衛省には、宇宙空間を自由に航行する無人船を想定した巡回船を建造し、巡回船による警戒・監視を通じてこれらの被害を防止したい考えがあるとの報道です(https://www.jiji.com/jc/article?k=20211

            宇宙のルールメーキング最新事情-SSR(Space Sustainability Rating)編

             現在、軌道上には、4000基近い運用中の人工衛星が存在し、軌道上で追跡中のスペース・デブリだけでも約25,000個あるとされています。  今後数年間でみても、地球近傍の低軌道に向けて数千基の商用小型衛星の打上げが予定されており、混雑軌道における衝突事故やスペース・デブリの拡散によるリスクが高まり続けています。  スペース・デブリ問題を解決するためには、国際的な協力による取組みが不可欠です。 1.国際社会の取組み  国際社会はスペース・デブリ問題の対処に向けて努力を重ねて