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ダイレクトトレードを知ろう。エチオピアのコーヒー流通の事例。

ダイレクトトレード直接取引とは、中間業者なしに直接生産者から買い付けをすること。

生産者にとって良さそうな取り組みのイメージだが、どんないいことがあるのだろうか?コーヒーを例に紹介してみる。

前回、シングルオリジンについての記事も書いたので、合わせてぜひ。


ダイレクトトレードの意義

ダイレクトトレードの大事なポイントは、生産者に直接お金が渡り、生産者からストレートに商品と情報が届くこと。本当にこれに尽きる。

様々な中間業者を介すると、商品の品質管理ロット分けも不安定になり、末端の生産情報ストーリーは失われ、支払ったお金がその先どのように生産者に渡るか不透明になり得る。

ここでいう中間業者とは、商品をまとめる地元の農協やブローカーなど。



ダイレクトトレードをすることで、文字通り直接商品情報を仕入れることができ、品質に関する不安要素も減り、確実に生産者に対価を渡すことができる。

その先の対価の使い道まで聞いたり、投資をしたりまでできる。買付価格から生産者と直接相談して決めることもできる。

直接お金を渡して、ストレートに商品と情報が届く。



逆に言えば、商品の品質・情報と、対価の透明性をちゃんと守ってくれる中間業者なら、任せてしまっても目的は叶えられる。

全ての流通がダイレクトトレードである必要はない。


求める品質・情報、対価の透明性のレベルも、バイヤーによってそれぞれで、高品質で細かい情報まで知りたいバイヤーもいれば、量や安定感を重視するバイヤーもいたり。

適切な仕事は、適切なプロに任せるのが一番。



ダイレクトトレードは渡航費や輸入などのコストを、量や質、付加価値の面でメリットが上回る時に行える。

自らのフィルターで情報を取得して、他にはない商品を見つけ、自らの意思で品質に関わり、それを適切な対価で購入したい時、ダイレクトトレードをする意味が出てくる。

ダイレクトトレードで価値を上げて売ることで、生産者へのインパクトも増す。流通のサステナビリティも増す。


コーヒーの物流

そもそもコーヒーが生産から消費までどのように流通しているのか。



コーヒーの物流はざっくりこのような感じ。

結構複雑で、関わる人も多く、農園の規模が大きいと自ら精製を行なったり、生産国によっても流れが少し違ったりする。


ダイレクトトレードだと、中間業者を抜かして、生産者とバイヤーとで直接取引する。

コーヒーの場合、生豆で買って焙煎するので、焙煎機能を持つ会社(ロースター)がバイヤーになることが多い。商社だってバイヤーなのだが、彼らにとってダイレクトトレードは一般的だったりもするので、ロースターが買う場合に、あえて「ダイレクトトレード」と使うことが多いのではないか。



エチオピアのコーヒーダイレクトトレードの試み

コーヒー生産国の中でも、輸出経路が厳しく管理されているエチオピアを例に挙げる。

エチオピアでは大きな農園は少なく、基本裏庭栽培。そんな小規模の農家さんたちが収穫したコーヒーチェリーは近くの精製所に販売される。



精製所で、精製(チェリーの皮むきから水洗・乾燥まで)がなされ、ここで生豆が出来上がる。

それがエチオピア農作物取引所 ECX へと運ばれ、独自のグレード分け、評価付けが行われる。各消費国のバイヤーは基本的にここからコーヒーを選び、業者に輸出入の手続きを任せながら、コーヒーを購入し、焙煎し、カフェでバリスタが抽出し、1杯のコーヒーとなる。



このECXは、もともと自国の生産者を守るために、コーヒーを適切な価値で販売するためにつくられた。しかし、独自の評価とラベリングで、コーヒーのロットが混ざってしまったり、生産の情報が失われてしまったりしていた。


例えば、本当は、どこ地区のどの生産者組合の農家さんたちが収穫したコーヒーチェリーを、どこでどのやり方でいつ精製したロットか、細かく追跡できるはずなのに、シダモ地区特有の風味がするからと、シダモG1とだけラベリングされ、売られてしまうことも以前はあったりした。名前が変わってしまうこともあった。



これまで政府管轄のECXを通さないとすべてのコーヒーは輸出できなかったが、独自に輸出ライセンスを取ることがここ数年でついに許可され、直接輸出をする精製所が出てきた。

僕が今コーヒーを直接購入しているエチオピアのコーヒー企業は、これまでエチオピアのコーヒーではあり得なかった、どこで誰がどう作ったかわかるコーヒーを、バイヤーのニーズに合わせた細かい情報とともに、最高のクオリティで輸出している。

ECXを通さないと、在庫を抱えても、バイヤーがつかなくてもすべて自己責任。圧倒的な品質と、バイヤーとの繋がりで、絶対に売り切る自信があってできるリスクある決断でもある。



彼らは、農家が持ってきたチェリーの熟度に応じてプレミアムを各農家に支払い、売れた結果に応じて2度目のプレミアムを支払い、最終的に利益の半分を全農家に分配している。

コーヒー生産のサステナビリティとは、次の世代が育つこと、ととらえて、インフラが行き届かない各農村部に学校も建てている。


商品価値が高まる流通よって、生産者に価値が還元される、良いダイレクトトレードの形だと思う。



ダイレクトトレードのこれから

流通の規制も緩和され、テクノロジーも進み、生産者と容易に繋がれるようになってきた今、生産者と消費者は確実に近い距離になっていく。

中間業者を通さないダイレクトトレードは、より一般的になり、最終的にはあらゆる業界で、生産者と消費者が直接繋がって購入・支払いができるプラットフォームが増えていくはず。



誰もがダイレクトトレードできるようになっていく。


とは言っても、自動化は進みつつも、品質、情報、支払いの透明性の面で、適切なプロが間に立つことは必要。

物流もしばらくの間は、船・飛行機・車でが運ぶ。


いかに、生産者と消費者のを無くし、間のやり取りを効率化しつつ、そこで価値が生まれる仕組みにできるか。


もっともっと、多くの生産者が消費者と繋がり、生産と消費の循環構造が持続的な社会を早く実現させたい。



川野優馬


エチオピアに行った時の様子を動画にもまとめました!


さいごに

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オフィス向けコーヒーデリバリーサービス WORCもはじめました。

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