夢見がち

こんにちは ここでは私の夢見がちな妄想を繰り広げていきます。妄想好きな人は是非ご覧くだ…

夢見がち

こんにちは ここでは私の夢見がちな妄想を繰り広げていきます。妄想好きな人は是非ご覧ください。

最近の記事

第13話 好きな人の笑み

最近は前好きだった塾の先生のことを考えることもなくAさんにぞっこんしている。まぁ、そんなこと口が滑ってもAさんには言えないけど。 Aさんのことを好きになってからは、Aさんへの余裕がなくなった。いつだってAさんのことを考えてはにやけたり苦しくなったりする。 そんなAさんへの気持ちが大きくなる中、今日もAさんに会いにいく。 今日は特にこの間アップされたAさんの動画について話したくて、レッスンを申し込んだ。 最近はレッスンが始まる時間が近くなるにつれ心臓の音がよく聞こえるようになっ

    • 第12話 ピアノに移る影

      「会いに行かなくちゃ」 そう決心した私は瞬時にレッスンを予約する。 レッスンを予約するのはもう慣れた。その日はレッスン以外にも自主練をしてからレッスンに向かおうとする。じゃないと、Aさんのことを考えて頭がいっぱいになるから。 いつもどおり、髪を下ろしてメイクをして上着を羽織る。 2月の朝。まだまだ寒くてホッカイロを手にして温めながらスタジオに向かう。 けれどスタジオについてピアノの練習をしていても寒くてなかなか手がついていけない。 そんな思いで練習して1時間後。 ついにAさ

      • 第11話 眠れない夜は君と夢に落ちる

        新宿の1件からずっと眠れない日々が続く。 あの日からずっとAさんのことを考えてしまう。数ヶ月考えないようにしてたことも全部忘れて一分一秒が長く感じるぐらいまでにAさんを考える。 昼間の授業は先生の声が右から左へ流れていった。 お弁当の時間はぼーっとしながら口に食べ物を運ぶ。 放課後になり部活をして疲れきった体で家へ向かう。そのまま少しの癒しが欲しくてベランダに出た。あたりはもう真っ暗になっていた。 夜の静かな時間になるとより考えてしまう。 (あーあ、Aさんのことが好きなんだろ

        • 第10話 夜の公園

          もう何ヶ月もAさんに会えていない。 今日はそんなモヤモヤした気持ちを晴らすために友達と遊ぶ約束をした。 最近はこの気持ちのせいで部活に集中できないから気持ちを晴らせるといいな。なんて思いながら待ち合わせ場所の新宿駅へ向かう。 オシャレなカフェでお茶をして沢山お話して… 楽しい時間はあっという間。 友達と遊べたのは楽しかったけど、結局あんまり気持ちは晴れなかった。 そして、私は気持ちを紛らわすために友達と別れてからは夜の新宿を練り歩いた。 普段は静かな街で暮らしているせいか、夜

        第13話 好きな人の笑み

          君の横顔

          「ねぇ、星空見に行こうよ!」 唐突に君を誘った私。 いつも教室の隅で本を読む君。 「なに急に」と冷静な返事。 私はなかなか夜に外出許可がおりない。 けれど、あの子が一緒ならという条件で外出許可を貰った。 「ほらここ見て!すごい綺麗なの!ねー行こうよぉ〜」強引に誘う私。 同い年なはずなのに私よりずっと大人びた君は 一言こう言った。 「じゃあ今日の夜8時集合ね」 私は嬉しくて抱きついちゃいそうになったけれどまだやめておいた。 約束の夜8時に向けてメイクをして髪の毛を巻いて少しでも

          第9話 夜景の光に照らされた横顔

          【クリスマスレッスン】 そうスマホに表示される。 ぼやーっとその表示を見つめながら、休み時間1人でクラスの人の様子を眺める。 それが最近の日課となっていた。 12月24日。Aさんと2人きりのクリスマスイブ。 何も考えられなかった。 想像もできなかった。 その日を待ち遠しくしながら毎日何気ない日々を過ごす。 当日になると更に頭は真っ白になった。 いつもは昼にレッスンがあるものの、夕暮れから 夜にかけてのレッスンにした。ライトアップされた街並みを見たくてその時間にした。 いつも

          第9話 夜景の光に照らされた横顔

          朝の記憶

          朝起きたら涙が頬を濡らしていた。 何があったかよく覚えていない。 ただ涙を流していた。 涙をふいて起き上がりいつもの支度をする。 起きたら夢の内容なんて忘れてしまう。 涙の理由は夢の内容かもしれない。 今ならうっすら覚えているのに今日の夜には全く覚えていなく、ただ泣いていたという事実だけが残る。 私はなぜ泣いていたのか。 そんなことを考えながら今日も家を出る。

          第8話 恋した時の熱

          2回目のピアノレッスン。 1回目のレッスンからAさんのことが忘れられなくて、ずっと考えていた結果、またレッスンを入れることにした。 前回と違うのは緊張具合。 前回まではこんなに緊張しなかったのに、今回はメイクも服装も沢山考えてレッスンに向かった。 レッスンに行きスタジオにつき少し待つと、Aさんの声がする。 やっぱり人を安心させるようなイケボだ。 なんてことを考えてたら、Aさんが目の前に来てくれた。 「また来てくれたんや」 その一言を聞くと無意識に頬が緩む。 頬が緩んだまま部屋

          第8話 恋した時の熱

          第7話 恋をしてはいけない相手

          レッスンから数日後。 最高に楽しくて濃かった1時間。 レッスンから本格的にピアノを弾き始めて練習も今までの何倍もしている。 Aさんから知った曲。Aさんから習った曲。 今まで感じたことの無い特別感がある曲。 その曲を口ずさみながら髪を結ぶ。 あれ…?なんで私こんなに楽しそうなんだろう。 「随分とご機嫌さんだね〜」 そう声をかけてきたのはお母さん。 「なんか、最近生き生きとしてるよね。Aさんのレッスンに行ってからなんだか毎日楽しそう」 なんて言われた。 咄嗟に私は 「そ

          第7話 恋をしてはいけない相手

          第6話 初めては…

          初めてのスタジオに初めてのレッスン。 初めてだらけの私をレッスンの部屋まで連れて行ってくれたのはAさん。 綺麗なグランドピアノが2台置いてある部屋はあまり見ないので新鮮だった。 「名前なんて呼べばいい?」 (あ、まだ名前面と向かって言ってなかったんだ) いざなんて呼べばいい?と言われるとなんて答えればいいのかわからない。 Aさんは戸惑ってる私を見て 「じゃあ○○ちゃんでいいかな?」 「あ、はい、大丈夫です」 普段ちゃん付けで呼ばれることなんてないから変に意識してしまう。

          第6話 初めては…

          第5話 あの人との時間

          レッスン当日。 まさかほんとにこの日が来るなんて思ってもいなかった。特別な、不思議な感情で受講する地方レッスン。なんとなくの白い服を着ていつもどうりのメイクをしてレッスンスタジオまで足を運ぶ。まだまだ夏はこれからと言わんばかりの太陽を見て、去年の夏期講習での思い出を思い出しながらスタジオに入る。 初めてのスタジオだった。 まだ新しいのだろうか。壁にはギターが飾られていて、カウンターは色とりどりの光があって オシャレ。 待ち合わせ場所でスマホを開きながら待つ。 Aさんの投稿を

          第5話 あの人との時間

          第4話 人生のある瞬間

          ハードな午前中を終え塾へ急ぐ。 「あ〜午前中部活の後の塾は泣きそう」 なんて1人でブツブツ言いながら、自転車に乗り込む。 必死に重いペダルに足をかけながら涼しい塾へ向かう。夏休みからずっとこの生活が続くと考えると足取りがより重くなる。そんなことを思っていたら塾に着いた。少し錆びた自転車の鍵を回しロックをかける。 (先生…会いたいよ) そんな思いで塾に入る。 けれどそんな願いが叶うはずがなかった。 涼しい塾で分厚くて重い参考書を開きながら休憩する。これから数時間ずっとこの参

          第4話 人生のある瞬間

          第3話 楽器

          その男性はAと言った。 「俺、ピアノの講師やってんねん」 その人は私の涙を飛ばすような笑顔でそう言った。今の私とは正反対な人だ。 「良かったら、君もレッスン来てくれへんかな」 一言Aさんは言う。 私は何も言えずにただ立ち尽くしてしまっていた。けれどそんな様子を見たAさんは 「いつでも待ってるからな、ほな聞いてくれてありがとな」 それだけいい残して彼は去っていった。 その姿は何かを勇気づけてくれるような姿だった。 長い長い校長先生の話を終え迎えた夏休み。 初日から部活というな

          第2話 思い

          2022年。今からちょうど一年前の夏 暑い中必死に自転車を漕ぎながらたどり着いたのは塾。 今日もあの人のいる部屋へと軽い足取りへ歩いて行く。 「先生っ!」 「お、こんにちは〜」そう言って笑顔を見せたのは先生。 今日も先生の笑顔は眩しい。 私は今この人に思いを寄せている。夏期講習だからほぼ毎日会えるのが嬉しくて生きてるのが楽しくて仕方ない。 授業中は先生の横顔を見つめながら授業を受けるのか日課。 この時間がいつまでも続けばいいのに。その願いは届かなかった。 「俺、今年の三月塾

          第1話 好きな人との出会い

          「先生好きです」 なんて言葉はあの春に出てこなかった。 暑い夏が来た。 去年は軽い足取りで先生がいる塾まで行っていたが、今年は足取りが重い。 先生が居ない塾など考えられないからだ。 (暑い…) 容赦なく私を照らす太陽。最高気温は毎年更新している。必死に自転車を漕ぎ、塾にたどり着き冷房が効いた部屋で汗を拭く。授業が始まるまで時間があったため、何となくインスタを開きストーリーを見始める。 「地方レッスン…」 これは何かの運命の始まりだったのかもしれない。

          第1話 好きな人との出会い