第1話 好きな人との出会い

「先生好きです」
なんて言葉はあの春に出てこなかった。

暑い夏が来た。
去年は軽い足取りで先生がいる塾まで行っていたが、今年は足取りが重い。
先生が居ない塾など考えられないからだ。

(暑い…)
容赦なく私を照らす太陽。最高気温は毎年更新している。必死に自転車を漕ぎ、塾にたどり着き冷房が効いた部屋で汗を拭く。授業が始まるまで時間があったため、何となくインスタを開きストーリーを見始める。
「地方レッスン…」
これは何かの運命の始まりだったのかもしれない。

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