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『地球が燃えている』
ナオミ・クライン 大月書店 2020.11初版
ジャーナリストで環境活動家の著者の約10年にわたるエッセイは、小手先の対応の間にも気候問題がより深刻になる過程とも重なる。重要なのはこれが気候単独の問題ではなく、負の側面を「どこか」に押しやり、無制限の消費で成り立つ経済システムと不可分である点だ。「ディグ(化石燃料などの掘削)&ギグ(人間を資源のように使い捨てる)エコノミー」から「ケアとリペア」の
『無意識のバイアス』
ジェニファー・エバーハート 明石書店 2020.12初版 2021.32刷
「あの男の人、飛行機を襲わないといいね」。5歳の息子の言葉に黒人女性の社会心理学者である著者は憤り深く傷ついた。バイアスから自由でいられる者は誰一人として存在しない。だがそれは人間が大量の情報を処理するためになくてはならないものでもある。私たちは見て判断するのではなく、判断して見ているのだ、と帯にある。その「自然」な傾向
引っ込んだり、出たり、また引っ込んだり(ひきこもることの余談)
これまでのアキをみていると、引っ込んで、出て、また引っ込んで・・・ということを繰り返しているようにみえる。
保育園のころ、あまり気のあう友達がいなかったアキは、いつも絵を描いて過ごしていた。その絵は主に電車の絵だったのだが、だんだんエスカレートしていき、ほんとうに細部まで細かく書かれていてすごい(親バカ)ものだった。保育園というのは、地域事情にもよるが、待機児童も多く、ほぼ親は選べない。(今
高校までの紆余曲折とした(と思っていたのは親だけだった)道①
この春はハルの大学受験と同時に、アキの高校受験の年でもあった。うちはハルとアキの年の差が3歳、アキとナツの年の差が6歳ということもあり、このように「同時に来る」めぐり合わせの年が数年に一度ある。3年前は小、中、高の入学(それに先立って卒業も)が重なった。
何事も経験というのは心強いもので、ハルの高校受験を経験していたので、それよりはコツコツまじめで成績もハルよりよかったアキに対しては、入れる
地球の裏側からやってきた(としか思えない)子どもたちのこと
それほど子ども好きでもなかった私が(高齢出産で)なぜか3人の子の母親となった。ハル(19歳男子)、アキ(16歳男子)、ナツ(もうすぐ10歳女子)、3人の子どもたちが展開してくれるドラマは発見の連続、私は人の親になることで自分を育ててもらっているのだということを日々実感している。
子どもたちは三者三葉、3人いると社会ができるというのは本当で、ナツが誕生してから子どもたちの関係性は一層彩り深いも