『地球が燃えている』

ナオミ・クライン 大月書店 2020.11初版

ジャーナリストで環境活動家の著者の約10年にわたるエッセイは、小手先の対応の間にも気候問題がより深刻になる過程とも重なる。重要なのはこれが気候単独の問題ではなく、負の側面を「どこか」に押しやり、無制限の消費で成り立つ経済システムと不可分である点だ。「ディグ(化石燃料などの掘削)&ギグ(人間を資源のように使い捨てる)エコノミー」から「ケアとリペア」の原則に基づいた社会へ。「グリーン・ニューディール」の提言は変革を全体的な視点で捉えることを試みる。その語り口はラディカルだ。今私たちの家が燃えているのだから。

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