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昔の仕事のお話

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人と人って難しい。でも、だからやり抜きたい。

人と人って難しい。でも、だからやり抜きたい。

昔、某大手グループでエリアマネージャーをしていた頃の話。

元超大手訪問介護から転職してきた社員の女性Sさんが、所属する施設でなかなか人間関係に馴染めずにいる。と本人から直接相談を受けた。

介護職とは、実に様々な人間が入り混じる。介護を離職する理由は、表向きはさておき本音は人間関係が圧倒的だろう。他の職もそうかも知れないが、この世界ときたら、困った時の介護職とされているからか、仕事に対する姿勢も

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話を聞く事と、現象を見る事。

むかし。

保育系の事務局長をしていた頃。

個々で運営をしていた所から、市の委託によりある程度統合され、それにより職員の異動もできるようになった為、全職員と面談をし、面談各保育所の課題や人間関係のパワーバランスを考慮していく事となった。勿論、異動もあるという話を全職員に面談時に伝えながらの事であった。

パートアルバイト含めると約150名の大所帯。

普段の業務をしながらの事なので、面談時間を作

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言い訳は要らない。やるのか、やらないのか。ただ、それだけ。

むかし。保育関係の事務局長をしていた頃。

28歳のとある所属の男性職員Hくんが、時々2、3分の遅刻をする。

何度注意しても直らない、とその所属のA主任が相談してきた。

ましてや、単車で猛スピードでやって来るので、近所の住民から

『あの先生は危ないが、どんな教育をしているのか?』と、

苦情を私に言ってきたのが、ほぼ同時のタイミングだった。

私は、この話を聞いた時点で A主任をまず叱った。

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深く、広い視野で物を見るためには、己が無いとブレる。

むかし、むかし。とてもむかし。

私がまだ20歳の頃。とある特別養護老人ホームで寮母として働いていた。

何となく、介護の世界に入ったけれど、思っていたより大変で、簡単にできる訳ではない世界だと知り、毎日絶望感に苛まれていた。

まだ、介護保険が始まる前の話。

措置時代の特養は、何でもアリのひどいものだった。

点滴の抜針は当たり前。摘便も。

体調が急変してるが、救急搬送依頼をするか、微妙な入

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人は、幸せになるために仕事をしている。

少しむかし。

超大手グループに居た頃のMさん、当時スーパーバイザー(現在某地域統括本部長)とは、私が親の介護で退職してからも、ワンシーズンに一度から、半年に一度くらいは2人で飲みに行く間柄である。

歳は彼女の方が10歳近くも下なのに、彼女を歳下だと思った事がない。人間としても、リスペクトしている。だからこそ、この若さで本部長なのだろう。

私の悪い癖は、一度やらねばと思った事は、多方面から攻め

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貴方が思うより、心配しているし貴方が思うほど、全く同じ気持ちではない。

むかし。

例の某ぬるま湯有料老人ホームに、私が入社したての頃。

かつて私が居た、超大手グループ。

この施設は、そのグループの 元フランチャイズ施設だった。

超大手グループは大好きなのだが、いかんせん家から遠い所ばかり。

まだここは、家から近い方だし、駅からすぐ。

しかも、元フランチャイズならば、

さぞかし運営はしっかりしているだろうと信じて入ってみたら

見事に裏切られた。

いや、

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相容れない先輩をどう立てるか。

むかし、むかし。

よく出てくる、某医療法人の訪問介護事業所で、サービス提供責任者をしていた頃の話。

私と、もう1人先輩でAさんという責任者が居た。

カリスマ性があり、オーラで人を黙らせてしまう圧倒的な雰囲気、リーダーとしての統率力は、今まで見てきた様々な上司の中では、五本の指に入るほどの方だった。

しかし、彼女のマネジメント能力は、ある意味強引で、その日の気分と、己の好き嫌いという感情によ

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『職員は家族』なのか? 否!!

むかし、むかし。

ある医療法人の訪問介護事業所で、働いていた頃。

やたらと、『職員は家族!』と公言するトップと遭遇した。

私は、素朴に疑問だった。

職場はあくまで職場であり、労働契約を交わす雇用主と職員であって、それ以上でもそれ以下でもない。

家族と言ってしまえば、一見面倒見がいい風に聞こえるが、職員70名規模のグループ事業所なのに、痛みはみんなで分かち合うと言って、社用車が事故で一台廃

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マウンティングって無意味だと、つくづく思う、今日この頃。

ジェンダーレスな世の中にしようという潮目の中、あまり男だ女だという話は、そぐわないかも知れないのだが…。

私自身、同性の職場での人間関係の中にむやみに入れられる事が、基本的に心底嫌いである。

特に、『何故管理職をしないのか?』だとか

『何故、ここに来たのか?』等、

“貴方の人生に関係あるのか?”と思わず聞きたくなるような、いちいち面倒くさい質問をされたり

何かと遠回しにだったり、あるいは

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自分で考える事ができない人間を作ってるのは、管理職だ。

むかし。

ぬるま湯な有料老人ホームでのお話。

ここのマネジメントエピソードは事欠かない。

勿論、悪い意味で。

私が、夜勤も独り立ちして間もない頃。

他職種から転職してきた、Nさんという先輩職員が居た。

Nさんは、私より5つ年下なのだが、この職場の男性職員の中では上から二番目の年齢。

介護経験はこの職場でしかないが、フレンドリーなキャラクターで、兄貴的存在ではあった。

しかし、小狡い

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入居させたの誰?の問いに違和感しかない。

むかし。

同じく、某有料老人ホームでのお話。

認知症の大柄な男性、T様が入居された。

この施設では、認知症の対応を本当の意味できちんとできる職員が少なく、みんな逃げ腰。

あるいは、仕事したくなくて暇つぶしみたいな感覚で対応する。

認知症の方は、とても自分にどのような気持ちが向いているかを敏感に察知するので、不安定な感情をむき出しにされる。

T様は、嫌だと、叩く事もあるという。

私は、

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すれ違いって、なかなか戻せない。

むかし、むかし。

私がまだ、20代で訪問介護員をやってた頃の事。

その時の責任者であったHさんは、若いのにも関わらず、かなり経営能力は高いが、基本的に人を駒のように扱う人だった。

この手のタイプの人は、大抵そうなのだが、本人に自覚はない。本人としては、一応労いの言葉をかけたりして、フォローしているつもり。

しかし、実際には隣の隣の田舎町まで移動時間なし、次に事業所近くまで戻る訪問先も移動時

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自分が上に立つか、その人の下では働かないか。

昔、某グループで施設の管理者をしていた頃。

直属の上司が、なかなかのツワモノだった。

やり手という意味ではない。

部下の話もロクに聞かない。トラブル発生時に何が何故起こったかの整理ができない。頭ごなしにとりあえず注意する。上司にはYESしか言わない、部下のミスを自分の責任とも言わない。

全く話が進まない。 

あまりに話にならないので、仕方なしに、彼の更に上の役職の方に直談判しに行った。

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くどいが…。ぬるま湯は、本当に出にくいぞ。

先日、「ぬるま湯は入りやすく出にくいものだ」

は、名言だって書かせてもらったが

どんどんぬるま湯の深みにハマっている、同じ介護職のとある施設に勤務する、某友人。

私もかつて、そこに勤めていた。夜勤が多すぎる事と、その割に給料も安く身体に支障をきたしていた事、運営管理がまるで為されていない事が嫌で、辞めたのである。

ただ、そういう職場は限って人間関係は良い。

切磋琢磨しあうのではなく、お互

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