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フォリアが制作する和装品について

こちらの着物は、工房構成員の甲斐凡子が、大島紬の無地を染めたものです。

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名古屋帯は、親方の仁平幸春が染めた桃山時代の辻が花を題材にした「菊疋田」という題名のものです。疋田の部分は、あえて辻が花の黎明期のような感じに不揃いに、一粒一粒手で糊を置き、表しています。

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下の写真は、同じ大島紬の着物に、帯が「全面ロウムラ加工」という、ロウによる色のムラを強調した名古屋帯で、ちょっと北欧的な感じの配色です。題名は「氷壁」です。

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このような取り合わせは、おそらく「着物に特に興味の無い方々」にとっては普通のものに感じられるかと思います。

しかし、いわゆる呉服の世界ではあまり無い取り合わせです。「菊疋田」の帯の取り合わせでは色味において、こういう配色はほぼありません。

このような色合わせは、和装というよりもハイファッションから得られたもので、それを和装化しています。着物の紫色と、帯の緑味の青色は「抑えながらも彩度を最大限に出した」もので、じわりと滲み出て来るような色にしてあります。

このような色味は、1990年代の「ロメオ・ジリ」が良く使っていたように思います。

「氷壁」の帯の方は、こういう仕事自体が元々、呉服業界に無いので、取り合わせそのものが斬新です。だから、多くの呉服業界の業界人の方々からは「??全然分からないナニコレ??」という感じの反応をいただきます。笑

しかし「着物も洋服も同じくファッション」という捉え方をされている一般の方々からは、好ましい評判をいただきます。

下の鉄紺地の訪問着は、甲斐の自作で、伝統的な更紗を展開して現代的な配色と雰囲気を持たせたものです。

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このように「今までに無い価値観、色、文様、素材感」を持ちながら「現代人と現代社会に良く似合う和装」「流行りに流されないけども新鮮なもの」「呉服臭がしない和装」「日本の風景と良く合い、かつ外国で着用しても、外国の風景と響き合う」ものを、フォリアでは常に意識し、制作しています。

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上写真は、岐阜の着付け教室・和装品販売の「きもの睦月」さんが、イタリアでフォリア製の「染め分帯」をご着用された姿です。とても素敵にお召してなっていただき、イタリアの伝統的建造物とも、とても良く響き合っています。

フォリアの和装品は「一見、個性的で使いにくそう・・・」と思われがちですが実際にこのように組わせてみると、普通に現代社会に溶け込み、ファッションとして成立します。そして、例えば帯であるなら、いろいろな着物に合わせられる汎用性があります。それは強く意図して制作しております。

その背景にあるものは常に「古典」です。フォリアの和装品は古典をとても大切にします。

今回、最初の方にご紹介しました大島紬の着物は伝統的織物である大島紬ですし、疋田の帯の文様も「全く伝統的なもの」です。疋田の帯は400年ぐらい前の着物の文様のアレンジ、白と青の帯は、伝統的な陶磁器からの派生、そして「染め分帯」は日本の伝統柄の「割付」から来ています。

このように「古典を現代人の精神の檻から解き放つ」ことを念頭に制作しております。

「古典エレガントポップ」は、フォリアの制作テーマの主軸です。


フォリア代表 仁平幸春


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