仁平幸春

自分の子供が高校生辺りで先行きの無い伝統工芸の作り手になりたいと言ったら応援出来るか?

当工房は、お昼は給食なのです。工房で作ります。時に夜給食(酒付き)もあります。

給食中は盛んに会話します。

だいたいは創作の話、仕事の話、趣味の話ですが、時にその場で作り話をして遊ぶこともあります。

例えば、こんな話・・・

 * * * * * * * 

小学4年生の男児を連れたお父さんが、たまたま近所で開催されていた和装系伝統工芸の実演イベントに行ってみた。

息子は、それにとても興味

もっとみる

和装の古着屋さんで感じたこと

最近は、東京都心部のデパートの呉服売り場であっても、

呉服売り場と、中古呉服のお店が隣り合わせだったりします。

そういう事もあり、どちらも観ます。

中古の着物や帯は、以前よりも全然安くなっていますね。新品価格がかなり高かったものでも、かなりお安いです。産地ものの手堅い良品は安定した価格ですが・・・

古着を観ていると染物も織物も

「ああ、昔はこういうものが良い仕事とされて流行ったなあ」

もっとみる

和装を作る男性の多くは着物を着ないどころか持つことすら出来ませんよ

「着物や帯を作っているのだから、あなたも良くお着物を着るのでしょう?」

などと良く尋ねられますが、私は着物そのものを持っておりません。

ガッカリしました?笑

今年で(2020年)和装染色品の制作を主として独立26年目ですが、私は妻に着物も帯も作った事がありません(結婚は31年目だったかな)妻は、私の和装の部分の仕事に直接的に関わっていないので・・・もし関わっていれば、仕事に必要なものとして仕

もっとみる

確かな意図を持って「微調整」出来る人がプロ

だと、わたくしは思っております。

例えば作品づくりにおいて

「ただ大胆な事をする」「人とは違う変わった事をする」

のは、多少の資質と才能があれば容易いものです。

そういうものを産み出す際の感覚を、仮に数値に表わしてみると・・・

1・150・300・500・1000・・・・

という具合の飛び飛びの数値の、その間の数値は関係ない感じ。

しかも、その数値は決まっているわけではなく、その時々

もっとみる

伝統は未来への投資によって維持される

「伝統文化は、過去についてよりも未来への投資を多くしなければならない」と私は考えております。

しかし、現実にはそうなっていないようです。

どうも「伝統という名前」がつくものは、意識が「維持・保存」という過去ばかりに向いてしまうのです。

過去のものの保存や維持のための経費はもちろん重要です。

しかしそれにおいても、そのための新しい人材の確保と教育、そして良い設備とその更新が必要になります。

もっとみる

「推した結果の数値化」というのは悪くないのかも

「鬼滅の刃」の映画と、鬼滅ファン周辺を観察していて改めて分かったのは

「ファンは、自分の推しを、推した結果を知りたいんだ」

という事です。

例えば、自分が好きで応援している人や作品に投資した結果、100億円売り上げた、この短期間での100億円到達は日本記録だ、という結果になれば嬉しいわけですし(しかもコロナ禍のなかで)エンターティメント系などなら、もし、ファンが思ったよりも伸びていない、と思

もっとみる

昔と今ではお客さまがお持ちの情報の量と精度が違う

以前は、呉服販売において高級品を売るのでも人付き合いの駆け引きのなかで、なあなあな感じで販売出来たところもありますが、今は、そういう風に買い方を楽しむのが好きな一部のご高齢の方を除くと、少なくなって来た感じがします。

ちょっと前までは、展示会でお客さまが着物を羽織ってみて「あら、いいわね、これ」と言っただけで、お店は勝手に着物を仕立ててしまい、次の展示会の時に「あの着物、仕立てておいたよ」なんて

もっとみる

こんな時期だからこそ、綺麗事を言おうと思う

コロナ禍によって

呉服業界のいろいろな面がどんどん可視化されている気がします。

私のような、ある程度表に出るタイプの作り手という立場だと、お客さま(エンドユーザ)の正直なご意見、ご感想を直接伺える事が多いもので、とても参考になります。

それは和装の業界で多くの時間を過ごす私の耳に痛い話も多いのですが・・・

今回は、そんなお話を伺った上で、私自身が思う事、考える事などを・・・

++++++

もっとみる

実感と結果は必ずしもリンクしないのね

創作って分からない事だらけだなあ、面白いなあと思う事の一つは

「制作した本人が制作時にとても高揚したからといって良い作品が出来上がるとは限らない事」

です。

例えばマティスの傑作の絵のいくつかの、本当に明るいエネルギーを放つものは、自殺しようと思っていたぐらいに落ち込んでいた時や、第二次世界大戦中にフランス人の奥さんや娘さんがドイツに拘束されていた時のものだったりしたそうです。絵を描けるよう

もっとみる

火事なのに火を消そうとすると殺される

家が燃えているのに、今日の晩ご飯の材料の買い物を、どこでどのようにしたか?なんて内容で夫婦喧嘩しているかのような、日本のメディアや意識高い人たちの、無責任な批判のための批判・・その他、その他、意識高い方々のおっしゃる事は、私には良く分かりません・・・

今、家が燃えているのだから、火を消す事が一番優先されるべき事なのに、手続きの不備の揚げ足を過剰に取ったり、それどころか火を消し止めた英雄が、自分の

もっとみる