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部下に信頼される上司と、部下が離れていく上司の違い

組織文化の根強い企業において、上司の存在は部下の人間関係や帰属意識に大きな影響を及ぼします。日本産業カウンセラー協会の「働く人の電話相談室」結果報告(2018年)によると、悩みの相談相手として第一に公共機関、第二に医者・産業医・カウンセラーに相談するというケースが増えているとのこと。

一方で、「人間関係」「ハラスメント」の悩みの原因は誰?という調査では、回答者の27.3%が「職場の悩み」、19.0%が「メンタル不調・病気の悩み」であると答えています。

この原因を深ぼっていくと、上司が部下のモチベーション、パフォーマンスを良くも悪くも左右する存在であることが判明してきました。

今回は、部下に信頼される上司と、部下が離れていく上司の特徴について触れていくとともに、リーダーに求められる性質について考察していきます。

部下に信頼される上司の3つの特徴

1. 具体的な目標を設定し、仕事を進捗させる

上司の最も重要な責務のひとつは、仕事を進捗させることです。人は仕事を終えた時や目標を達成した時、大きな喜びを感じ、強い高揚感を覚えます。

では仕事を進捗させるために上司がすべきことは何か?とりわけ重要なことは具体的な目標を設定することです。目指すべき目標と、その仕事が重要であるという理由をはっきりさせておくことで、部下の仕事のペースを上げることができます。逆に仕事がはかどらないケースとしては、目標が曖昧でわかりにくかったり、無計画に目標を変更したりという場合が多いと言えます。

2. 部下を人間として尊重する

仕事の進捗と同様に上司が重んじるべきこととして、部下を人間として尊重することが挙げられます。企業という組織で働くうえで、人間関係が及ぼす影響は軽視できません。例えば、上司や同僚が協力的かつ協調的で、新しいアイデアを歓迎する雰囲気の職場では創造性が高まります。さらに、職場の人間関係をポジティブに捉えている社員は、生産性や仕事への意欲、チームワークへの貢献などで高いパフォーマンスを発揮する傾向にあるのです。

感情や認識によってモチベーションが変化することは不思議なことではありません。上司が正当な評価や姿勢を示すことで、部下は進んで仕事を引き受け、大きなエネルギーを傾けるはずです。

3. 可愛らしい要素を持っている

上司という立場にあれば、シリアスな正論を部下に諭さなければならない場面も少なからずあるでしょう。そんなときに、可愛らしい要素を持った人であれば、ただ怖いイメージしかない上司よりも、部下は余計なプレッシャーを感じずに言葉を受け入れやすいはずです。

また、ユニークで可愛らしいキャラクターは人を惹きつけたり、癒したりもするので、自然と人が集まり、コミュニケーションを円滑に進めることができます。部下に信頼される上司を目指すのであれば、普段から仕事の話だけではなく、プライベートな趣味の話をするなど、自分の魅力を部下にアピールすることも必要と言えるでしょう。

部下が離れていく上司の3つの特徴

1. 上から目線で、自分が感じたままに話す

次に部下が離れていく上司の特徴を考察していきます。上司と部下の関係と言っても、上からの物言いは相手に不快感を与えやすいものです。また、相手の立場になって物事を考えず、自分の意見をそのまま口にするのも軋轢が生じる原因となります。たとえ嫌味がなかったとしても、ニュアンスひとつで言葉の伝わりやすさは変わってきます。言いたいことを部下にうまく伝えられないという人は、組織の関係に固執せず、同じ社会人として対等に敬語で話すことを心がけてみるといいかもしれません。

2. 過去の栄光や人脈を自慢したがる

自慢話が多いことも部下の信頼を失う原因となることがあります。過去の武勇伝や、影響力の大きい人物とのつながりを話すことは気持ちのいいことかもしれませんが、ほとんどの場合、相手の興味を引くことはできません。

このほかにも、うんちくや専門用語を多用した話し方をする人も敬遠されがちです。特にIT業界に属している人は仕事の性質上この傾向が強いので、同じ会社に勤める人間同士であっても全員がプロフェッショナルであると考えずに、誰でもわかる言葉使いをするよう普段から気をつけたほうが無難でしょう。

3. 実行に関与せず、部下をサポートしない

優れたリーダーシップを持っている上司であれば、仕事のプロセスにおいて準備から実行まで自らも積極的に関わり、ステークホルダーを巻き込んで熱意を引き出すものです。逆に冴えないリーダーほど、重要な情報を集めようとせず準備をおろそかにして、実行まで関与しない傾向があります。

上司として部下のモチベーションを引き出すためには、わかりやすいマイルストーンを設け、判断の中身や理由を丁寧に説明し、実行へのサポートを惜しんではいけません。

さいごに

改めて、部下に信頼される上司と離れていく上司の特徴と自身の思考と行動を振り返り、「自身は部下にとってどのような存在か」を考えてみるきっかけにしていただければ幸いです。






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