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#日記
easy poem「脈」
1月23日 AM8:13
空にも脈がある、と思う。
裸木が教科書でみた毛細血管に
とてもよく似ていたから。
踵にも脈がある、と思う。
靴下がゆっくりと赤く
染まってゆくから。
脈打つリズムで踵が痛む
乾燥して固くなった踵の
ひび割れの一筋が
深くなった模様である
ひび割れが血管に
達したのだろう
歩くと痛い
今日はもう歩けそうにない
生きる事に
脈絡なんてない
#日記 #詩
easy poem「陸橋」
電車は西に向かっている
日の入りの太陽を
追っているわけではない
私は私を追いかけて
あるいは
あなたがあなたを追いかけて
北へ向かっているように
音が変わる瞬間の
車輪の決意は
遠くへ響いてから
私の耳に食い込む
その瞬間がとても好き
耳の裏のGIVENCHYが
鼻腔をくすぐる
河川敷を歩く犬たちに
感ずかれているに違いない
それならば、おもしろい
紐を操る人を困らせるほどに
走ってみたらいい
easy poem「痕」
雨は降っていなかった
透明に浮遊していた水が
誰かの重みをまして
姿を現わし
地面に降りてきて
さらに誰かの重みをまして
氷になっている
早朝にみつけた
誰かと水の戯れの痕
誰かとは
私なのかもしれないし
私ではないのかもしれない
昨夕、
乗換案内に逆らって
路線図を遠回りをして
最寄り駅から暗い近い道を避け
大通りの街灯に沿って
遠回りをして帰宅した
夏ならば夕方の陽の名残が
まだ新しい、1
easy poem「境目」
ひと雨ごとに
季節が進むことは
私だけに与えられた
特別な感覚だと思って
ずっと生きてきた
ある人が時候の挨拶として
「ひと雨ごとに寒さが
増してきますね」
と、メッセージを送ってきて
私は特別ではないと知った
あるいは私とある人にだけ
特別に与えられた特別な感覚
なのかもしれない
あるいはそう思いたいだけ
なのかもしれない
春が好きではないらしいので
ある人は秋が好きなのだ
と、勝手に思って