見出し画像

easy poem「初冬」

寂しさを寂しいと言える人の首は
きりんのように長いことを
悟られないようにしていて
水紋の輪を正しく数える

ベビーカーを押す掌の温もりは
共通の言語であって欲しい
抱っことおんぶの差は 
顔が見えるか見えないか
というだけで
その重さに差などない

寂しさと優しさは似ている
スタバのキャラメルラテと
母が入れるコーヒーは
同じくらいにおいしいから

気温10度の朝、
20分も歩けば上着を脱いで
腰に巻き付ける
お散歩ガチ勢は
厚着をしない方がいい

トンネルを抜けるとそこは雪国
ではなく
変わらぬ景色が続いている
もっと遠くに行かなくてはならない

水紋の数を数えてみようと
川の溜まりを探したが
干上がっていて白い石がまんまるい

唇が乾いてつっぱっている
葉が落ちてトンネルから空が見える
こたつは猫もまぁるくなるほど暖かい
冬が寂しいなんて
誰も決めつけてはいない

#日記 #詩

この記事が参加している募集

#私の作品紹介

96,611件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?