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感想

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ドラマ、映画、YouTubeなどの映像、小説、詩集などから得たものをアウトプット。
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#映画感想文

2022年映画「ある男」

2022年映画「ある男」

原作、平野啓一郎の映画。原作を読んでからプライムビデオで観た。原作に忠実でイメージどおりに映像化されていたので何となくほっとする。今年1月に原作を逸脱した内容でドラマ化し作者が自死するという悲しい事件もあった。作者の意図を無視するとは言語道断であると私は思う。

2022年9月に原作を読んで深い感銘を受けた。中心に一つだけ「本当の自分」を認めるのではなく、それら複数の人格すべてを「本当の自分」だと

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2023年映画「PERFECT DAYS」

2023年映画「PERFECT DAYS」

いつものように運転しながら歌い、いつもと同じルートでとあるショッピングモールに向かい、比較的人が少ない平日の映画館に入る。隣に座る年配の女性がハンバーガーを食べきってコーヒーの香りを漂わせるとそれからぽりぽりと音を立てながらポップコーンを齧っている。ちょっと嫌だなって思いながら本編が始まるのを待った。

ひとりの男の変わらぬ日々が続いてゆき、ひとりの男の変わらぬ日々がこれからも続く。

映画館を出

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2010年映画「トルソ」

2010年映画「トルソ」

40数年の人生、家でひとり夜を明かすのは初めてな気がする。なんか少し嫌だなと思う。たまには家も誰もいないをゆっくり過ごしたいのではないだろうか。家の立場で考えてみるという変な思考はどこかからやってくるのだろう。

とはいえ若い頃と違って夜通し遊ぶ気力も体力もない。こうゆう時にふと呼んでふと来てくれてふと一夜を共に明かしてくれる友達がいたらいいなと思う。男でも女でも良いし男でも女でもない人でも良い。

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2008年映画「蛇にピアス」

2008年映画「蛇にピアス」

原作、金原ひとみの映画。芥川賞受賞作品。原作は読んでいないがプライムビデオのおすすめに出てきたので観ることに。小説が原作の映像作品は小説を先に読むべきと知りながらついつい。

21世紀になって間もない若者の退廃的な世界を描いた作品。主人公ルイは恋愛を通して生きている実感を求めて身体にピアスをしたり舌の形を変えようとしたり刺青を入れたりする。画竜点睛(画人が最後に瞳を入れると竜が飛び去る)。ずっと一

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2022年映画「おそ松さん」

2022年映画「おそ松さん」

ジャニーズと言えば、おそらく女子ならば一度はハマったであろうTheアイドルだ。女子たちは学校の休み時間に「あのグループの誰々が好きっ!」「昨日のテレビすごくかっこよかったよね♡」なんて話題で盛り上がるのだ。雑誌を切り抜いてオリジナル写真集を作るお友達なんかもいた。しかしながら私はこの歳になるまで一切ジャニーズにハマらなかった。もちろん知らなくはない。今や国民的という代名詞までついちゃうのだから。た

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2019年映画「蜜蜂と遠雷」

2019年映画「蜜蜂と遠雷」

原作、恩田陸の映画。原作は読んでいないが2017年に直木賞と本屋大賞を受賞し当時は書店に山積みされていた。私自身ピアノを習っていたこともありとても興味があった。音が出ない本でどうやって音楽を表現するのだろう。おそらく数々のクラシック曲の曲名やピアノのテクニックや専門用語が並んでいるのだろう。映画で実際に音楽を聴いてピアノのテクニックをみて、それから原作を読む方法でも悪くないかもしれない。

「世界

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