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時代を変えたものはとてもシンプルだった。

僕はLGBTのTであるトランスジェンダー。性別を生まれた時の女から男に変えて生きているFTM。

平成から令和。ここのところ一気に多様性を認めようとする世の中の流れが進んでいる。

生きづらかったあの頃。


僕は忘れない。
僕たちのような人間を認めなかったあの頃を。

僕は1980年生まれの42歳。

高校辺りから携帯電話の普及、「ネット」というものが浸透し始めて、調べれば、情報は少なかったし、選べるほどに選択肢はなかったが、同じような人がいる事は知ることが出来た。
僕の症状が性同一性障害と呼ばれていることも知れたし、治療をしてくれる病院も知った。

同じ当事者の先輩方からするとまだ恵まれた環境にあったのかもしれないが、僕はとても生きづらかった。

そんな時代から今を見てきた。

僕は、世の中を変えることは実にシンプルだと感じている。

所詮人は自分以外の人の事にさほど興味がない。少数派を「否定」しているだけに過ぎない。
否定するまっとうな理由もなく。
みんなと同じが良いだけ。とりあえず「否定」しているだけ。

女は女らしく。男は男らしく。女は男と結婚して子供を産み、男は女と結婚して家庭を作る。それが当たり前と言われる世の中だった。

当たり前じゃない僕たちのような少数派の括りにLGBTと言う言葉もなく、
オカマ、オナベ、見世物、変態、性癖、気持ち悪い。そんな扱いだった。

どう生きていけばいいの? 

僕は性別違和を感じた時からそんな不安につきまとわれていた。
そして性別違和が性同一性障害という確信に変わった時、「この人生は終わった」と本気で思った。
このことから、この時代の背景をわかっていただけるだろう。

僕たちは誰にも迷惑をかけていない。

LGBTということで家族には大変な思いをさせてしまったと思う。
生産性がないという事で、パートナーやその家族にも同じ。
ただ、その他の人にLGBTということで迷惑をかける生き方はしてきてはいない。
それなのに否定する人は、「周りもそんな意見だったから」に過ぎないのだ。

否定派はどこへ?

では、あれだけ多かった否定派は今どこに行ったのだろう?
今は、LGBTを否定することはタブーだという世の中になった。
沢山の当事者がここぞと声をあげその流れは今も尚大きくなっている。

そう!周りが容認したから..否定派も擁護派へ。いとも簡単に変わった。

ただの多数決。自分の意見など無い人の方が多い。

大きな変化に思えることも、所詮そんなものだという事だ。

だからこそ、変えることは難しい事じゃない。

僕はこの目で見てきた。

あんな時代が、こんな時代になる。

だからこそ、今を悲観してはいけない。どんなにお先真っ暗と思っても、人も変わるし、世の中だって変わる。

今が全てではない。

2022.7.19(火)LGBT社会人交流会「BRUSH UP」第10回無事終了。沢山のご参加ありがとうございました!

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