![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/113447640/rectangle_large_type_2_44db17d288783ca96ddd2ecb21796be3.jpeg?width=800)
千年の時をこえて【インド旅行記11】
こんにちは!yukiです。
インド旅行記も終盤となりました。
今回は、
非常に貴重だと名高い遺跡、
エローラ石窟寺院
アジャンター石窟寺院
を訪れたときのお話をしますね。
高校で世界史の授業を受けた方は、
名前を覚えているかもしれません。
実際のところ、
「さすがインド!」
といった常識を超えてくる遺跡でした。
楽しんでいただけますように!
不気味な宿
青白い蛍光灯に照らされた
がらんと広い部屋に、
古いパイプベッドが16台。
黄ばんだマットレス。
シーツは無し。
道路に面した窓からは、
ププーッ!とクラクションが
響いてきます。
お客さんは、ゼロ。
![薄暗い安宿](https://assets.st-note.com/img/1692096841040-a6mS6KFL7q.jpg?width=800)
ぽかんと立ち尽くしていると、
隣に立つインド人オーナーが、
人の良いやわらかな声で言います。
「1泊150ルピー(約260円)です。
どうします?」
「・・・ベッドの横に、
テント張ってもいいですか?」
「もちろんです、
お好きにどうぞ。」
かくして、
この不気味な部屋に
泊まることになったのです。
ここは、
インド西部のアウランガーバード。
教科書に出てくるほど高名な遺跡、
アジャンター石窟寺院と
エローラ石窟寺院へ
行くための拠点となる街です。
ささっと小型テントを組み上げ、
エアマットと枕をふくらまします。
テントは、
登山や野宿用に持ち歩いていますが、
ベッドで寝たくない時にも便利。
明日は、遺跡を見に行こう。
冷水シャワーを浴びながら
ぎゃあと声にならない叫びをあげ、
ぐったりと寝袋に入ったのでした。
2つの石窟寺院
鋭いクラクションの音で
目が覚めます。
窓の外はぼんやり明るく、
朝が来ていました。
天気もいいし、
さっそく遺跡を見に行こう!
まずはエローラ石窟寺院へ
行ってみることにしました。
![バスの車内](https://assets.st-note.com/img/1692097104919-QQjbZsxIAi.jpg?width=800)
アウランガーバードから
バスに乗って遺跡を目指します。
「なんか観光地っぽいところ通り過ぎたな」
と思ったのですが、
ガイドブックに書いてある所用時間より
ずいぶん早かったのでスルー。
しばらく走ってからやっぱり気になり、
スマホのGPSを起動してみると、
案の定、通り過ぎていました笑
車掌さんに、
「エローラ行きたいから
降ろしてください!」
と言うと、
「やっぱり?!
声かけようと思ってたのに、
走り始めたらすっかり忘れてたよ!
ごめんね!」
とても悔しそうに謝られました。
いや、僕がちゃんと
見てなかっただけですし、
むしろ謝らせて申し訳ない笑
20分くらい、
てくてく歩いて戻ります。
ようやく入り口に辿り着き、
遺跡のゲートを通ると、
ゴツゴツした崖が見えてきました。
崖の一部が削りとられ、
中に建造物があるのが分かる。
いつか写真で見た姿。
![エローラ石窟寺院](https://assets.st-note.com/img/1692097829812-vxE5yqqf5h.jpg?width=800)
「想像してたより小さいな…」
と思いながら歩いていきます。
しかし。
小さく見えたのは、
遠近感のトリックでした。
近づいてみると、
かなり奥行きがあって、
その大きさに圧倒されます。
「うわー、何これ…」
![崖の上から遺跡を眺める](https://assets.st-note.com/img/1692098147241-Xq7zoix11s.jpg?width=800)
崖の上に登って眺めます。
さすがインド、
柵もなく、フラついたら落ちます笑
高さは32mとのこと。
マンション10階くらいです。
この遺跡のなにがすごいって、
崖を掘って作られたということです。
全てがひとつの岩ということ。
信じられない!
![手前の崖から、全景](https://assets.st-note.com/img/1692098974290-UmNucba1hu.jpg?width=800)
ノミや金槌などのシンプルな道具で、
1世紀以上かけて彫られたそうです。
スケールが大きすぎますね。
![基部の、象の装飾](https://assets.st-note.com/img/1692098271125-DL21tH1CEb.jpg?width=800)
ここはカイラーサナータ寺院と呼ばれ、
ヒンドゥー教のシヴァ神が住むとされる
カイラス山をモデルに作られています。
(カイラス山は、チベット仏教をはじめ、
さまざまな宗教の聖地です)
寺院の基部は、
象の彫刻で埋め尽くされています。
象たちが支えているという表現なのでしょう。
エローラ石窟寺院は、
3つの宗教の遺跡が入り混じっています。
仏教、
ジャイナ教、
ヒンドゥー教です。
この巨大な遺跡の他に、
34もの石窟があります。
初期のころは、
仏教の修行場として作られたそうですが、
その後に他の宗教も掘っていったとのこと。
まだ仏教が迫害を受ける前の時代なので、
うまく共存できていたのでしょうね。
見どころが多いため時間がかかり、
この日の観光はエローラだけで終了。
翌日、もうひとつの、
アジャンター石窟寺院へ向かいます。
こちらは、壁画で有名です。
大きな弧をえがく岩壁に、
石窟が掘られています。
見た目的には、
エローラよりもかなり地味な感じ。
![アジャンター石窟寺院の全景](https://assets.st-note.com/img/1692099356663-CjQjhQDcsY.jpg?width=800)
石窟の中は暗く、
ひんやりとしています。
暗すぎるところは
照明が設置されていました。
![石窟内部の様子](https://assets.st-note.com/img/1692099465055-fklKYFJfNH.jpg?width=800)
・・・壁画は、あまりに衝撃的でした。
美しすぎる。
![ブッダの壁画](https://assets.st-note.com/img/1692099605904-1beBUa28RC.jpg?width=800)
闇の中にぼんやり浮かび上がる、
1500年以上も昔の仏教美術。
美術館などですごい絵を見たときって、
あまりのオーラに吸い込まれてしまいます。
立ち尽くして、気づいたら30分…
なんてこともザラ。
アジャンターの壁画でも、
そのような現象が起こりました。
![色とりどりの壁画](https://assets.st-note.com/img/1692099949972-c92M5gNRKd.jpg?width=800)
写真で伝えられないのが悔しいですが、
とにかく圧倒的な“美”があったのです。
もはや奇跡と言っていいのでは…。
壁画だけでなく、
微細な彫刻も堪能できます。
![繊細な彫刻](https://assets.st-note.com/img/1692100062975-DOQfpIyxAP.jpg?width=800)
壮大なエローラと、
繊細なアジャンター。
どちらも素晴らしすぎました。
プチ・タージマハル
アウランガーバードには、
他にも有名な観光地があります。
その名も、
ビービー・カー・マクバラー。
(長いですね)
見た目が、
タージ・マハルっぽいのです。
![ビービー・カー・マクバラー全景](https://assets.st-note.com/img/1692100186986-ZjJRd1N26j.jpg?width=800)
でもタージに比べて何だか小さい、
輝きにも欠けるような…
近づいて建物に触ると、
カサカサっと軽い触感です。
タージ・マハルが
大理石で出来ている一方、
こちらは漆喰なのでした。
素材感の違いって、大きい!
タージ・マハルは、
当時の皇帝が、
王妃のお墓として建てたもの。
オール大理石かつ、
高さ70m超のタージ・マハル建設は、
国の財政を傾けてしまったようです。
(さっきのカイラーサナータ寺院は32m。
タージ・マハル、化け物ですね!)
このビービー・カー・マクバラーは、
タージ・マハルを建てた皇帝の息子が、
父と同じように王妃のお墓として建てたもの。
さすがに財政状況が厳しく、
オール大理石は無理だったようです。
とはいえ、
こんなお墓を作るなんて、
スケールが違うなあ…。
またもやインドに圧倒された、
アウランガーバード滞在でした。
![出会った女の子](https://assets.st-note.com/img/1692101031806-LF5wI8B5cJ.jpg?width=800)
次回は、飛行機で、
最北部・ラダック地方へ向かいます。
一気に極寒の山岳地帯へ。
お楽しみに!
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
それでは、今日も良い1日を!
【関連記事】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?