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夏の音楽・星降る夜【クラシックピアノを聴いて感性を磨く】


こんにちは!yukiです。

今日は、
「クラシックピアノを聴いて感性を磨く」
シリーズの11回目。

クラシックに馴染みのない方も、
気軽に楽しめるように書いていきます!

今回のテーマは、夏の音楽です。

ご紹介するのは、
グリーグ作曲の「夏の夕べ」

北欧で生まれ育ったグリーグは、
ノルウェーの自然を題材にした
美しい作品をたくさん書いており、
この曲もそのひとつです。

楽しんでいただけますように!

【この企画への想いはこちらに綴っています】



夏の夕べ


さっそく、曲を紹介します!
2分ほどの短い作品です。

グリーグ作曲、
『抒情小曲集』より「夏の夕べ」です。


空からキラキラ降ってくるような部分が、
とても印象的ですよね!

優しく素朴な雰囲気で、
あたたかくも爽やかな
夏の空気を感じられますね。

「夏の夕べ」というタイトルがなくても、
この感じだと夜をイメージできそう。

キラキラ降ってくる部分は、
光かな?と思いましたが、

森に風が吹いてきて、
揺れる木々の間から
チラチラと星が瞬いているような
イメージも浮かんできました。


また、リアルな自然だけを
描いたのではないかもしれません。

グリーグの生まれ育った北欧には、
日常にファンタジーが紛れているような
世界観があります。

妖精や精霊みたいな存在が、
かなり身近なのだそうです。

実際のところ、
グリーグは妖精をテーマにした作品を
いくつも書いていますし、

グリーグの奥さんも、
夫婦で住み始めた土地を
「トロルドハウゲン(トロルの丘)」
と名付けていたりします。

ファンタジー要素も含めると、
作品から浮かぶイメージは
どこまでも広がっていきますね!


ちなみにキラキラの音型は、楽譜で見ると、
ショパンの「木枯らしのエチュード」
とてもよく似ているのです。

ただし、ショパンの方は、
苦しいほどの激情に溢れています。


グリーグはショパンに
傾倒していたそうですから、
アイデアを借りたのかもしれませんね。

キラキラの部分に“風”を感じるのも、
あながちイメージ外れではないのかも。

ずば抜けた「素朴さ」


グリーグは、
ノルウェーで生まれ育ちました。

ノルウェーと聞くと、
どのようなイメージが浮かびますか?

僕は行ったことはないのですが、
雄大なフィヨルドや、
1日中太陽が沈まない白夜
逆に1日中太陽が昇らない極夜といった
イメージが頭に浮かんできます。

フィヨルド(フリー画像です)


子どもの頃に読んだ北欧の絵本では、
何週間も太陽が昇ってこない生活が描かれていて、
「楽しそうだなー」と思ったものです。
(今は、太陽を浴びられないのは嫌ですが笑)

グリーグは、
祖国の自然や文化を
とても愛していた人でした。

ノルウェーの各地を巡って、
古い民謡を研究して作曲したり、
ハルダンゲル・フィドルという
民俗ヴァイオリンの曲をピアノに編曲したり。

人生の半ばからは、
フィヨルドのほとりに家を建て、
美しい大自然のなかで暮らしています。


今回ご紹介した「夏の夕べ」が含まれる
『抒情小曲集』は、全部で10の曲集です。

最初の第1集は24歳のとき、
最後の第10集は58歳のときと、
34年にわたって書き続けていました。

“小曲集”の名のとおり、
どれも数分程度の小さな作品です。

タイトルも内容も、
可愛らしかったり、
ロマンティックなものが多いです。

「蝶々」「小川」「森の静けさ」
といったように自然を歌う曲もあれば、

「妖精の踊り」「小人の行進」「風の精」
といったファンタジーもの

「ノルウェーの旋律」「ノルウェー農民行進曲」
といったような民俗的なものも。

曲集全体を貫いているのは、
良い意味での「素朴さ」です。

ここまで素朴な雰囲気を
表現できる作曲家って、
あまりいない気がします。

演奏を聴いていると、
まるで絵本の読み聞かせ
してもらっているような感じ。

「心優しい人だったんだろうな…」

と、あたたかな気持ちにさせてくれるのです。




最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

それでは、今日も良い1日を!



(今回のカバー写真は、
 ボツワナ、オカバンゴの夜空でした!)

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