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シアトル教育視察①社会全体として多様性を受け入れる環境を作る
2024年も5日間に渡る「アメリカ:シアトル教育視察」を終えました。
昨年度の衝撃もそうですが、今年の視察もたくさんの「世界最先端の教育・発達支援」を見る事ができました。
この様子はメンバーシップ限定記事で具体的な資料を交えて、お伝えしようと思っています。
まずは、やはり「アメリカ:シアトル」という多様性を受け入れる社会について無料記事で紹介をしていきます。
自閉スペクトラムの人は「接客」ができるのか?
私もコンサルで、就労移行支援に携わっています。
特に自閉スペクトラムの方の就労は、かなりの労力を必要としています。
「パターン化」などが得意なので、「作業系」に向いていると思っています。
しかし、それを覆す場面にシアトルの初日に出会うことになります。
私たちは、湖畔沿いのシーフードレストランを訪ねました。
![](https://assets.st-note.com/img/1715136064152-NLnGhNdSIt.jpg?width=800)
アメリカは、一つのテーブルにその机の注文・給仕を担当するウェイターが一人付きます。
私たちのテーブルにも、一人の20代の青年ウェイターがついてくれました。制服を着ていたので、正社員だということが一目で分かりました。
料理のオーダーを次々に承っていきます。
私はこの時に、気づきました。
「ああ、この青年はASDの人だな」
と。
その人の話し方や雰囲気でASDの傾向があったのです。
それでも彼はウェイターの仕事を上手に回していきます。
最後はデザートまで、丁寧にサーブして見事に接客を終えました。
私たちは彼にチップをたくさん出すことにしました。それほど見事だったのです。
接客業は、
「変則的で、臨機応変さを求められる難しい職種」
です。
なぜ彼はこのウェイターという難しい職業を実行できたのか?
いくつか秘密があるように思えました。
①反応する「決まったことば」を持っている
これは彼の特徴を象徴的に表しているものでした。
注文をすると、
「Absolutely(もちろん)」
という言葉の選択が多かったのです。
次に多かったのは、
「Perfect(いい注文ですね)」
でした。
ウェイターとしてこれらの言葉を発するのはアメリカでは多いのですが、この2つを「決まった言葉」として使いこなしているようでした。まさに「言葉のルーティン」を使いこなしているのです。
これらの言葉を聞いて不快になる人はいません。
②ルーティンが分数で決まっている
彼が私たちのテーブルを回ってくる時の感覚が決まった分数で回ってきました。
彼なりの決まったルーティンでテーブルのお客にコミットするようにしていたのです。
これは安定感が出ますし、お客様にも失礼には当たりません。
③何を見るべきかを固定している
彼は私たちの「ドリンク」を中心に見ているようでした。
テーブルを回る時に、
「何を見るべきか?という視点を決めている」
ことはASDの人にとってもウェイターをする上で安定しやすい視点です。
「グラスが空いていれば、必ず飲み物を聞く」
「レコメンド(おすすめ)を聞かれれば、地元のワシントン州のものをレコメンドする」
というのもルーティンなのでしょう。
④これらをトレーニングされている
そして、これらのことを、
「明らかにトレーニングされている」
というのが随所で理解できました。
「ASDであっても接客業ができる」
という事実を目の当たりにした衝撃の初日でした。
そもそもですが、このように、
「ASDだと明らかにわかる人が表立って接客業をやっている」
ということが日本で実現できているでしょうか?
しかも「正社員として」です。
もちろんこのレストランだけが特別ではありません。
Costocoのフードコートでもたくさんの発達凸凹の人が働いていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1715137439476-YGkAMy3BFV.jpg?width=800)
このように社会全体として多様性を受け入れることが実は、「発達支援」「特別支援教育」のゴールなのではないかと思いました。
このゴールがめちゃめちゃだと、私たちが行なっている「早期発見・早期対応」も意味がありません。
「特別支援教育・発達支援=普通に近づける」ではないのです。
様々なことを考えた初日となりました。
さて「シアトルで2024年に見た世界最先端の教育・発達支援」は、次回よりメンバーシップの方のみ購読が可能です。
ぜひメンバーシップ登録をお待ちしています!
(つづく)
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