見出し画像

【福岡】金欠高校生が行く、アイソレーション船旅〈4/4〉

第1回を未読の方はこちらを先にどうぞ。

前回はこちら。




4日目

7時15分、船内放送で目が覚めた。
どうやら同じく放送を聞いた他の人も起きてきたようだ。
今朝は同じ部屋の方々が静かで、2日目の朝よりも遅くまで寝ていられた。

座って伸びをしようとするも、ベッドの天井が低くてすぐに手が当たってしまう。
仕方なく寝転んで縮んだ体を伸ばす。

昨日の夜は比較的気温が高く、このベッドの箱の中は熱がこもってさらに暖かかった。
今くらいの季節なら薄着になれば耐えられるけれども、あのクソあっつい夏はどうなるのだろうか。
さすがにクーラーを効かしてくれるとは思うが、夏にフェリーを利用する際は個室にするのが無難かもしれない。


スマホに落としてあったラジオを聴きながら荷物の整理をし、顔を洗ったりして身支度も済ませておく。
朝食は食べなくてもお昼まで乗り切れそうなので食べない。


8時30分、とうとう大阪南港に到着した。
無事に本州へ戻ってこれたのだ!

徒歩客から順番に下船していく。
この時だけは、すべての乗客が一斉にエントランスに会する。かなりの混雑具合である。
こんなにも多くの人が船に乗っていたのか、と驚いた。

僕は福岡から帰ってきた身だが、降りていく乗客(降客?)の中には大阪への旅行者っぽい方々もいる。
ぱっと見、ユニバに行きそうな人が多そうだと思われる(偏見)。

下船していくこの数分の間で、それまで旅行者モードだった僕の意識は完全に居住者モードへと変わった。
一人で不安だった分、帰ってきた時の安心感が半端じゃない。


最寄りのフェリーターミナル駅から電車に乗って帰路につく。

またニュートラムに乗れて嬉しい。
車内がポップポップしている。
遊園地のアトラクションみたいで楽しいので、大阪に来たらぜひ一度乗ってみてほしい電車だ。


……旅行のしおりによると、次の目的地は梅田ヨドバシとなっている。電化製品や文房具を見に行きたかったのだ。
でも僕は疲れているからこのまま帰宅することにする。
一人旅はこんなドタキャンもし放題だ。

【追記】
後日、ヨドバシカメラへ行ってきた。
これでやっと真に旅行が終わったと言える。


電車の進んで停まって進んで停まって……が繰り返されていくにつれ、だんだんと馴染みのある駅名が増えていく。
ああ、帰ってきたんだなと思う。


某駅で降り、少し歩くと自宅が見えてきた。
僕は帰ってきた。

カバンから鍵を取り出してドアを開ける。
おかえり~(帰ったらただいまでしょ)。

時計を見るとちょうど11時。お腹からは時報が聞こえてくる。
そういえば今日は朝食を食べていないのだった。
少しお昼には早いが、何か作って食べよう。旅行ではエネルギーをたくさん摂取したから、あっさりとした何かを。
3日ぶりの手料理だ。






――旅行記はこれにて終幕である。
だが、右のスクロールバーを見ても分かる通り、幸か不幸かまだ記事は続く。
ここからは、本文に収まりきらなかったあれこれを書いていきたいと思う。



お土産

本文でも触れたが、お土産をいくつか買ってきた。
お土産を買っておくことで、いつでも旅行当日を思い返すことができる。

写真の撮影場所がバラバラなのは許してください。


なんばん往来

4つ入りバージョンのみ、このような取っ手付きの箱になっている

小倉駅のお土産屋さんで購入した。
とある記事で爆推しされているのを読んでから、ずっと食べてみたいと思っていたスイーツだ。

「九州由来」と書いてあるのみで福岡感はないが、福岡の会社が製造している、れっきとした福岡土産である。

和紙風の個包装

福岡が異国との交流の地であったことを思わせる逸品だ。

意外と大きい

簡単に言うと、生地がパイで包まれている、そんなスイーツである。
生地はアーモンドプードルから作られており、中にはラズベリージャムが隠されている。
パイはその厚さにまでこだわっているそうだ。

ふわふわな生地とサクサクなパイ、アーモンドの香ばしさとラズベリーの甘酸っぱさ。
この2柱のコントラストがめちゃめちゃに美味しい。


めんツナかんかん

フェリーの売店にて購入した。
レギュラーと辛口の2種類があり、辛口のほうをチョイス。
「めんツナかんかん」というネーミングセンスも良い。声に出して読みたい日本語である。

ツナとちょっとの明太子が、あの調味液に漬け込まれている。
もう少し味が濃くてもいいかなとも思ったりするが、かなりご飯に合う味付けで普通に旨い。サラダやスパゲティの具材として使うよりは、ご飯のお供として食べるのを強くおすすめする。
正直辛さは中途半端だと感じた。辛いのが苦手な人には辛すぎると思うし、辛いもの好きには物足りない感じだ。


地図雑貨

天神駅近くの「Map Design GALLERY 天神」で購入した。
地図会社のゼンリンが手がけている雑貨で、実際の詳細な地図をもとにデザインされている。
建物の種類ごとに色分けがされていて、遠目で見ても近くで見ても美しい。ずっと眺めていられそうだ。

上にあるのが梅田の巾着、下が京都のA4クリアファイルである。
梅田は梅の赤色、京都はお茶の緑色と、その地に合ったカラーリングがなされているところにもこだわりを感じる。
川が背景透過されているのも僕のお気に入りポイント。

店舗は福岡にしかないが、どうしても気になる方はオンラインショップをチェックだ!


文房具

博多駅ビルのスミスとハンズで購入した。
左から、BICのクリスタル Re’New・ゼブラのカラーフライト・ぺんてるのグラフレット

クリスタルは、フランスのメーカーであるBICの代表的なボールペンシリーズ。透明軸のボールペンが有名だが、まさかアルミバージョンがあるとは知らなかった。
キャップ部分だけは塗装されたプラスチックとなっていて、チープ感が否めない。どうせならフルメタルにしてほしかった。
インクは思ったより粘度が低めだ。1.0mmということもあり、スラスラぬるぬるしていて気持ち良い。

3本のうち、個人的に最もへきに刺さったのはカラーフライト。限定色のこのクリアカラーは、僕の好みのどどど真ん中である。
六角形のボディは透明で、中の芯タンクがベージュになっている。
あと、しっかりめのカチッカチッとしたノック感が最高。爆走兄弟サイ&コー。

グラフレットは、いつ廃盤になってもおかしくないから買っておいた。
40年ほど前に発売された、ロングセラー製図用シャーペンだ。ボディーがただの黒でなく、ちょっとメタリックなのも良い。
これでとりあえずはグラフレット廃盤の怯えから逃れられる。


ポケモングッズ

同じく博多駅ビルの、ポケモンセンターフクオカで購入。

ポケモンといえば、僕は終わってしまうのが怖くて最終回を録画したまま未だに観れていない。
いつか観ねば……。

こちらはPokémon fitのベトベター
僕は初めてぬいぐるみというものを買ったのだが、手のひらサイズでかわいくてしゃーない。
今は机の上に置いていて勉強を見守ってもらっている。
マタドガスとかダストダスも好きだからまたいつか欲しい。

続いてこちらはギアル一族のメタルチャーム。
歯車フェチにはたまらないかっこかわいさである。
ギアル・ギギアル・ギギギアル!(cv.つるの剛士)

機械式時計との相性が良い



旅費

記事のタイトルを「金欠高校生が行く、アイソレーション船旅」としたので、一応今回の旅行でかかった費用を計算する。

「限界まで旅費を節約してみた!」のような企画ではないから、極端に安いわけでもないし特に面白い展開にはならないことを申し添えておく。


こんな感じ

合計費用は29695円であった。
観光庁の旅行・観光消費動向調査によると、国内宿泊旅行の1人あたりの支出は、だいたい5~6万円の間で推移している。
今回は3泊4日もした上でこの金額だから、そこそこ費用を抑えられたと言っていいだろう。

ただ、やはり費用と満足感はある程度相関関係にあると思うので、将来的には予算を増やしたいと思う。



夜行フェリーをおすすめするための章

旅行中はいつも、明日の朝は何時に起きようかと悩む。

早く起きたらその分たくさん活動できるが、早起きには眠気が付きまとう。旅行中くらいはゆっくり寝ていたい。
一方、遅く起きたらのんびりと朝を迎えられるが、観光などに費やせる時間は必然的に短くなる。旅行ではできるだけいろんな所を訪れたい。

この2つはどちらとも甲乙つけがたい選択肢で迷ってしまうが、夜光フェリーではこんなことを考える必要がなくなる。まったくの無問題モーマンタイだ。

なぜなら、フェリーでは船内放送で強制的に起こされるからだ。
何時に起きようかと悩むまでもなく、アラームをセットするまでもなく、放送のお姉さんが起こしてくれる。


いったい何が言いたいのかというと、つまるところ、みんな夜行フェリーに乗ろう!ということだ。
それくらいフェリーは良かった。記事の途中でこんな訳の分からない話をしてでも、このことを伝えたかった。

今回乗ったフェリーも決してガラガラではなかったけれど、それでもやっぱり交通手段の中ではマイナーな部類に入ると思う。
実際僕は数ヶ月前までその存在を知らなかった。

しかし、今回このように夜行フェリーを使った旅行をしてみて、旅行の交通手段としてこれほど優れたものはないと感じた。

徒歩客はもちろんのこと、旅行先へ愛車を持っていきたい人でも愛車ごと乗れる。
海上というロマンあふれる空間で非日常を体験できるし、移動と宿泊を兼ねているのに運賃は安い。
また、スピードが遅いという弱みも、のんびり旅行ができるという強みに変えることができる。

そんなフェリーのただ1つの弱点は、僕が思うに、マイナーであることだ。
マイナーであるがゆえに航路が限られている。

だから、フェリーに乗ろう。
新幹線でも飛行機でもバスでも自家用車でもなく、旅行の際はフェリーに乗ろう。



まとめ

今回の旅行で得た知見や反省点などを、箇条書きで雑多にまとめていく。

もし今後同じような旅行をする予定のある方がいれば、ちょっとした参考くらいにはなるかもしれない。ならないかもしれない。


  • カプセルタイプのベッドは熱がこもって暑い。この日で限界くらい。夏は無理そう。エアコンの付いている個室にするのが無難かも。いや相部屋でもさすがにエアコンくらいはあるか。

  • 予定を詰め込みすぎてはいけない。一人旅だから最悪ドタキャンできるが、一度の旅行ですべてを回ろうとせず、もう少し時間に余裕を持たせたほうがいい。いつかまた来れるのだから。

  • 荷物をもっと減らしたい。今回はリュック1つで行ったのでずっと持ち歩いていたのだが、重くてパンパンで予想以上に大変だった。もっと削ぎ落としたい。服とカメラが特に容量を喰う。

  • 道に迷う。これは自分がやや方向音痴なだけかもしれないが、GoogleMapを見ていようが迷う時は迷う。歩きスマホは良くないし、どうしたものか。

  • 旅行中に水分を全然摂っていないことに気づいた。500mlペットボトル3本と飲食店のお冷のみ。3日間(1,4日目は半日ずつなので1日とする)で計2Lくらい。インターネットによると、一日に1.5Lくらいは摂らなければいけないそうなので圧倒的に足りない。

  • 野菜も全然摂っていない。でも男子高校生が一人でオーガニック野菜大好きカフェみたいな所に入るのは気が引ける。それ以外で野菜をたくさん食べられそうな飲食店はあるのだろうか?

  • もっと旅行先でのショッピングをしたほうがいいのかもしれない。絶対Amazonのほうが安いよな〜と思ってしまい、結果あまりショッピングにお金を使っていない。もっとじゃぶじゃぶ消費したほうが楽しめるのだろうか。それとも、旅行では「その地でしか買えないもの+その地でしかできない体験」のみにお金を使うべきだろうか。だが、一人旅でできる体験といっても博物館・美術館くらいしかない気がする。ネイチャーアクティビティとかは一人でやるものではなさそうだしそもそもそんなにやりたくない。

  • regionPAYをもっと使いたかった。見知らぬ土地に一人ぼっちだという疲労のせいで早くホテルに入りたかったため、福岡PAYは1200円くらい残して有効期限を切らしてしまった。大阪のも同じくらい残っている。別に損はしてないけど損した気分。

  • うどん・ブラックモンブラン・シロヤベーカリーを食べ損ねた。次回来た際には必ず食べよう。

  • 船だけに「舵を切る」「舵を取る」という表現をこのnoteで使いたかったのだが、上手くいかなくて結局書かずじまい。



おわりに

こんな戯言を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
あなたには今後足を向けて寝ることができない。

第1~4回の計20000文字くらいをすべて読んでくださった皆勤賞の方には、賞品として図書カードをあげます(あげないよ)。


この記事が参加している募集

#旅のフォトアルバム

38,858件

あなたのお金で募金をします