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ワークショップデザイン・ファシリテーション論

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ワークショップデザインやファシリテーションに関する知見や論考をまとめていきます。
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2019年6月の記事一覧

続・問いの因数分解|問いの探索先のバリエーションと制約の効用

続・問いの因数分解|問いの探索先のバリエーションと制約の効用

イノベーションプロジェクトやワークショップデザインにおける「問いのデザイン」の性質を方法を検討するなかで、以下の記事では「問いの因数分解」という考え方を紹介し、そこから見えてくる問いの基本性質を5つにまとめました。

<問いの基本性質>
1. 「問い」は、いくつかの「前提」「制約」「小問」によって構成される
2. 「小問」は、問われた側に対して、なんらかの探索を誘発する。
3. 「制約」は、「探索

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組織に「対話のコンテナ」の生態系をつくる

組織に「対話のコンテナ」の生態系をつくる

組織開発のファシリテーションの方法論として、中原先生のブログで、クリス・コリガン氏、ケイトリン・フロスト氏の講座の学びがシェアされていました。ブログを読むだけでもかなり学びがありました。

対話を生み出す「コンテナ」という考え方中心的な概念として、対話の場を捉える「コンテナ」というものの見方が紹介されています。

安心・安全の雰囲気のなかで、人々の対話がうまれ、そこで相互の学びあいが起こっ

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問いの「因数分解」から見えてくる、問いの5つの基本性質

問いの「因数分解」から見えてくる、問いの5つの基本性質

拙著『問いのデザイン』では、複雑な問題の本質を見抜き、適切な課題をデザインする方法から、実際のファシリテーション場面の具体的な問いの設計まで、体系的に解説しました。

その中でも、書籍の後半で紹介している問いのミクロな性質分析が、マネジメントの目標設計やミーティングの問いかけなど、さまざまな場面で有用です。

問いを"因数分解"するという考え方ファシリテーションの場面で実際に投げかける「問い」の基

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"ワークショップスピリット"として、何を伝えるか?という問い

"ワークショップスピリット"として、何を伝えるか?という問い

ミミクリデザインのファシリテーター育成の大型プログラム「Workshop Spirit -“ワークショップの魂”を探る」のDAY3が終了しました。次世代を担うワークショップ実践者が自身の"ワークショップスピリット"を研ぎ澄ますための半年間の学習プログラムと銘打っており、ワークショップの先駆者である中野民夫先生、人材開発・組織開発を専門とする中原淳先生、そして安斎の3名が講師を担当しています。スケジ

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ファシリテーションにおける問いの4パターン

ファシリテーションにおける問いの4パターン

イノベーションプロジェクトにおける「問いのデザイン」の照準を検討する上で、「質問」と「発問」との違いと比較することで、ワークショップ的な問いの特徴は、ファシリテーターも参加者も答えを知らない課題について、創造的対話を促すトリガーとしての特徴があることが確認できました。

同じように「問いの答えはどこあるのか」という観点から整理すると、ワークショップの進行中の「ファシリテーション」における問いかけに

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「学習環境デザイン論」からワークショップデザインを考える

「学習環境デザイン論」からワークショップデザインを考える

学びの場作りとしてワークショップデザイン論を捉えた場合、上位概念としての「学習環境デザイン論」の枠組みは大変参考になります。

学習環境デザインとは何か学習環境デザインとは、学習者を「能動的に学ぶ存在」として捉えながら、学習環境を「活動」「空間」「共同体」「人工物」という4つの要素に分解し、それぞれを結びつけながらデザインしていく考え方です。安斎が大学院で師事していた山内祐平先生が専門とする学問領

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