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社会を改変させる建築家として生き残るためには。ASIBA 2期生インキュベーション

みなさんこんにちは。
ASIBA2期インキュベーションで
LOVE&TOILETといったプロジェクトをすすめる
大学院1年生(2024年時点)の藍野です。

今回はASIBA2期生として一連のインキュベーションプログラムを修了し、 2期生からみるASIBAといった集団とは。全ての過程を経てASIBA FES 2024のピッチを行い、少しづつ見えてきた世界を報告します!

まずなぜ、ASIBA2期生として参加したのか。(長くなります、サーっと読んでください笑 )

ASIBAの前に学部4年
当時の私の悩みを聞いていただきたいです。
そもそも私が大学院への進学を決めた動機として
建築の外部コンペが関係しています。
学部生時代に先輩と行ったコンペ
初めて先輩と行ったコンペは自分の知らない建築への解釈、視点を間近で経験し
なに。コンペってこんなに面白いの!
ワクワクする!

(第50回五三会設計競技 最終審査 ZOOM参加で巨大モニターに映し出されるチーム藍野 笑)

学部生時代の衝撃を忘れられず、学部3年生〜4年生の間で10個ぐらい作品を作りました(笑)田舎から上京し、毎日遊びにいく友達が少なかったこともありコンペ生活にドハマりしてました。

そんなこともあり、コンペを通して建築に対する理解を深めていく学びを大学院でもやりたい!もっと建築に対する解釈を広げたいと思い、大学院への進学を考えていました。

しかし、私が通う大学院の実態は修士生活の半分以上が就職活動で、

大学院修士って就職活動のためにみんな進学してるの?
(あくまで個人の感想です。)
こんな疑問が私の中で浮かび上がっていました。

私の所属する大学院
日本大学院 理工学研究科 海洋建築工学専攻の
大まかな流れとして

修士1年(5月〜遅くて翌年2月)まで大手ゼネコン、組織設計事務所、アトリエへの就職活動を行い内定が決まれば卒業まで修士論文&設計を2年の2月に提出する。(だいたいみんなの大学も同じなのかな?)

建築の理解を深める場としての大学院ではなく
就職活動のための大学院としてあることに疑問を抱き
本当にそれでいいのか。
人生で限られた院生活の大半を就活のための資料作り(過去作のブラッシュアップ、サマリー、ポートフォリオ制作)にかけてしまうことが大学院での過ごし方に嫌気がさしていた。

そんなことを頭の片隅に思いながら学部4年の3月にX(旧Twitter)でASIBAの卒業設計関連のWS募集を見かけました。

二瓶さん「あんなに熱量込めた卒制が、講評と展示で終わりってもったいないなとずっと思ってて。なんかそこで見つけた問いとかコンセプトを、小さくても形にしてみたり実験したらいいんじゃないか」

ASIBAは机上の空論であった建築学生のアイデアや思想を社会に実装し、堅苦しい建築業界を変革していく。といった情熱を感じ、ここにはもっとワクワクすることがある!と刺激されました。

同時期にASIBA 2期生の募集を見つけ
従来の大学院生活の”あたりまえ”からはみ出して

就活のための大学院生活ではなく、自分のアイデアを社会実装し続けるといった従来のフォーマットから外れた大学院生活にしてやる!

一つの実験としてASIBA 2期生として
参加しました。

テーマは「トイレ」

現代におけるトイレとは都市生活を生き抜く上で
限られた他人の視線を感じない自分だけの場所

そんな私たちの根源的な排泄を行うトイレに私たちの生活を豊かにするヒントが落ちてるんじゃないのか。トイレを起点に私たちの居場所である建築、都市を考えることで新しい価値を日常生活に作ることができるのではないだろうか。

これまでのトイレの固定観念を再考し、思考を飛躍させてトイレから全体を考えてみる。
ASIBAではトイレの可能性を深掘りしよう決めました。

ついに始まった12週間の短期実践型プログラム

ついにはじまったプログラムでは

建築学生が思い描く理想を
お金がない学生に実現するには。

建築の枠を超えた多様な業界で活躍する方々からのレクチャーであったり
社会に価値あるインパクトの作り方を自分のプロジェクトを通して苦しみながらも少しづつ小さなところから実装を行ってきました。

自分のプロジェクトに近い業界へヒアリング

ちいさなプロトタイプを制作してみたり

そしたらまたヒアリングに行ってみたり

またプロトタイプを作る。

2週間に1回のレクチャーを受けて
そのたびにASIBA2期生同期に進捗を発表。
※山形県西川町の菅野町長にピッチしに行ったり…….

積極的に多くの人々を自分のプロジェクトに巻き込む
( 西川町長にピッチ行う。メンターである巻組の渡邊享子さんとASIBA2期生 )

怒涛の3ヶ月間が気が付けば過ぎていきました。

ASIBA FES 2024
『そのまなざしは「イマ」を越えるか』

ASIBA 2期生がインキュベーションを通して見えてきた新たな世界の輪郭を共有する。
19のプロジェクトが各々ブースをもって
熱い思いをモノを通して社会に訴えかけていく

LOVE&TOILET は「ユーモアのある開放的なトイレ」をコンセプトに大きく2つの方向性を表明しました。

□ 1つ目は トイレから社会問題を解決する。

人間の生活に欠かすことのできないトイレにおける”排泄”から着想を得て、身の回りの生活の考え方を再構築することで従来の私たちの生活にはない新たな価値を見出すことはできないだろうか。

トイレから都市構造を再解釈するプロジェクト

□ 2つ目は 既存トイレの問題解決。

トイレ先進国である日本であっても、トイレに様々な問題を抱えている。既存のトイレ問題にアイデアで解決して行く。

・公共トイレの治安や衛生問題、汚い怖いといったイメージ
・LGBTQ+などの多様性を認める時代に男性・女性トイレといった人権問題
・経路に障壁があり、たどり着けない多目的トイレ問題.......

すべての人があたりまえにトイレを使うことのできる未来の為には

何重にも硬く結ばれた紐を一本づつほどいていく
必要があります。

そのためにトイレを性別ではなく空間や用途で分けてみたり。。。

木で満たされるトイレ
緑あふれるトイレなど….

実際に ASIBA FES 2024の会場では

実験的に緑のトイレを設置してみたり。

車いす利用者の
「道中に段差があり、たどり着けない」解消
トイレMAPアプリ

従来のトイレMAPの改善点を修正し、日常の悩みを発信できる新しいトイレアプリ

まとめ

現代におけるトイレは、単なる排泄の場だけではなく

情報過多な日常からの休息の場”でもあり

そこでは着替えや化粧直しが行われていたり、
LGBTQIA+、障害者、高齢者から幼児まで全ての人種を内包します。

よく考えてみたら

トイレは現代社会の多様な事柄が内包されている

トイレを再考し、再定義することは
同時に現代の複雑に絡み合う社会問題を
解決する糸口がトイレにあると信じて

トイレから様々な事柄を考え
ソーシャルインパクトを起こしていきたい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

藍野


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