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ゼロから始める伊賀の米づくり47:中干しと、予期せず発生した伊賀の農家見学ツアー

中干ししている田んぼをパトロールする

父から継いで4年目の田植えを5月に無事に終え、先日は中干し前の溝切りを行うことができました。

水を張ったままの田んぼの地中は酸素不足になり、化学反応によってメタンなどのガスが発生します。

これらのガスは稲の生育に影響するため、一度田んぼの水を抜いて土がひび割れるまで渇かし、根の生育を助ける『中干し』を田植え後1か月を過ぎたあたりから行いますが、その準備に、水を抜けやすくするのが『溝切り』です。

伊賀の我が家の畑では、昨年植えていて自然に落ちた種から生長してきたひまわりが咲いてきている6月中旬。

花の大きさもさまざまなひまわりが咲き誇っています

中干しを始めた、田んぼの様子を確認していこうと思います。

苗もずいぶんしっかりと根付き、田面は緑色に覆われています

こちらの田んぼは水路からの漏水があるため、まだまだ水の抜けが十分ではありません。

この時期は雨が降るとその水も田んぼに溜まってしまうため、晴天の日が継続することが望ましいのですが、こればかりは自然に委ねる他ありません。

別の田んぼの確認に行くと、水が程よく抜けてきて先日行った溝切りの溝に水が集中し、田んぼの乾燥が始まっている様子も見られました。

十字に切られた溝の様子が確認できます。

この溝は最終的に排水口へとつなげており、スムーズに水が抜けていくように工夫しています。

乾燥した土は徐々にひび割れてきています

あまりにも水のない時期を長くすると根が痛んでしまいますが、中干しの最中に根は水を求めて地中深くにより根を伸ばそうとします。

もうしばらくの間、乾燥が続いてひび割れが多くなるまで辛抱強く待つ必要がありそうですね。

突発的に発生した伊賀の農家見学ツアー

この中干し期間中のある日、私が以前からお世話になっている恩師のご夫婦が伊賀に来てくださり、現在の田んぼの様子や私たちで開墾している耕作放棄地の見学ツアーが突発的に発生しました。

ご夫婦は関西方面での田舎への移住を検討されており、また、畑や米作りの体験や講習にも通われているとのことで、こちらも説明に熱が入りました。

中干ししている田んぼを案内している様子

田んぼを見に行った後は、ガレージの中に安置してあったDIYのモバイルハウスも見ていただきました。

資材選び、設計、組み立てを独力で行ったモバイルハウス

私の家族は代々、曽祖父が建具屋と農家、祖父が大工、父が建築士を生業としており、資材もそのままになっていました。

これらの資材を有効活用するべく始めたDIYの、試作品第一号が軽トラにつめるモバイルハウスでした。

その時の様子は以下にまとめているので、よろしければこちらもご覧ください。

ツアーの最後は、我が家の耕作放棄地の見学です。

自然農法的に開拓するなら…と思案されているお二人と私

父が亡くなったことをきっかけに発覚した登記簿の見慣れない住所の場所を特定するために、市役所、法務局などさまざまな場所を巡り、最後にご近所のお爺さんに場所を教えてもらうことで発見できた耕作放棄地。

梅雨時期に入り、一気に草が生い茂ってきている様子が悩ましいですね。

曽祖父がかつて耕作していた頃から50年間放置されてきたら土地はこのようになる、ということを見学にいらっしゃったお二人にもお伝えすることができました。

耕作放棄地の開拓の過程に関しては、以下にまとめているのでよろしければこちらもご覧ください。

今回のまとめを終えて

今回、恩師のお二人が訪問してくださったことは、嬉しい予想外でした。

そもそも、『明日、予定は空いていますか?』というメッセージに対して本当にたまたま予定が空いており、昨日の今日のようなスピード感で今回の見学ツアーも実現できたのでした。

現在、私には大きく2つの顔があります。

1つは農業に触れている人間としての顔。

もう1つは、組織運営の支援に携わるコンサルタント、講師という顔です。

この2つの全く異なる側面をお二人はその経緯や過程も含めてご存じであり、私も妻も信頼して相談を持ちかけられる方々でした。

今回の訪問によってこれまでとまったく違った新たな出会い方でき、今後のコラボレーションの妄想もどんどん思い浮かんできてワクワクしています。

お互いの近況報告も行いつつ関係を豊かに継続していって、次は収穫体験もしてもらおうか?など、次の再会が楽しみです。

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