オーシャンリペア(株)×5年総合×SDGs教育|出前授業
1.未来の海とSDGs特別授業のはじまり!
教育現場で“SDGs”という言葉が聞かれるようになってから、もう4年ほど経つでしょうか?
各学校でさまざまな工夫を凝らして授業が展開されていることと思います。
今回は、5年生の先生から
「総合の時間を使って子どもたちがSDGsについて学習しています。学習のまとめとして、SDGsに関する課題解決に取り組んでいる会社など、お話をしていただける方はいませんか?」という依頼がありました。
そこで、「100年後は今よりもっといい海を。」という理念のもと、立命館大学発スタートアップとして生まれたオーシャンリペア株式会社の取締役副社長、戸田耕介さんにお越しいただき、発展的な学習として特別授業を行っていただきました。
どのような授業になったのか、これから紹介しますので、ぜひ最後までお読みくださいね😊
☟オーシャンリペア株式会社HPはこちら☟
2. 漁のなか、捨てられていく魚たちの真実
今回は、中央区にある小笹小学校にお邪魔させていただきました。
前期の間にSDGsについて学習を進めてきた子どもたちは、それぞれが興味を持った内容を選び、課題を調べたり解決方法を考えたりしながら、スライドにまとめてきました。
そこで今回は子ども達自身もずっと取り組んできたSDGsの学習のまとめとして14「海の豊かさを守ろう」を実際に事業展開されているオーシャンリペアの方が来てくださるということで子どもたちはとても楽しみにしていたそうです✨
しかも、戸田さんはなんと小笹小学校の卒業生なのです!
授業の開始から、戸田さんは子どもたちの緊張をほぐすためにゲームをしたり、母校の話をしてくださったりと、あっという間に子どもたちの心をつかんでいました。
最初に見せてくださったのはGoogle Earthで映し出された小笹小学校の映像。
そこから福岡市→福岡県→長崎県→五島と、場所が次々に移り変わります。子どもたちも「社会の授業みたい!」と喜んでいました✨
そして五島の海が映し出され、実際に漁に行った映像が流れました。
まだ暗い海の中を漁に向かう漁船。
漁が進む中で、エイが海に放り出されている映像がうつります。
戸田さんからも
「なぜ捨てていると思う?」
と質問があると、子どもたちは不思議そうに考えました。続けて、
「じゃあ、エイをスーパーで見たことある?」
と尋ねると、「たしかに!見たことない!」と納得。
戸田さんは、エイが美味しくなく、2~3日経つとアンモニアのような臭いがしてしまうため、スーパーなどに置けないこと、そして漁師さんたちがエイを網から外して捨てている理由を説明してくださいました。
その後、2匹の魚が紹介されました。
イスズミとアイゴという、あまり聞きなれない魚です。
この魚たちは一体何に繋がるのでしょうか???
3.磯焼けがもたらす未来の危機とその解決策
ここからは、戸田さんが取り組んでいる環境問題の本格的な話に進みます。
まず、戸田さんは「磯焼け」という海の環境問題が各地で起こっていることを教えてくれました。このまま放置すると、将来食卓に魚が並ばなくなる可能性があるというのです。
磯焼け??食卓に魚が並ばなくなる?!
と衝撃を受ける子どもたち。
しかし、まだその深刻さを理解していません。
そこで、戸田さんは「藻場」の重要性を説明するために、海藻の量が違う2枚の写真を見せました。
右側の写真にはほとんど海藻がありません。海藻は生き物のすみかや、二酸化炭素の吸収といった大切な役割を果たしていますが、その海藻が今、どんどん減っているというのです。
その原因は、さきほど紹介された市場価値の低い魚、イスズミやアイゴです。これらの魚が藻場を食べつくしてしまうのです。環境に悪影響を与えるこの魚をどうすべきか、子どもたちに問いかけられました。
次々に手が挙がり、子どもたちがどんどん予想を発表していきます。
「レモン汁をかける」
「くさみとりのネギといっしょにやく」
「ハーブといっしょに!」
「ワインに漬ける?」
その後も、にんにく、お酢、揚げる・・・などなど
たくさんの意見が出てきます。
なかには「鼻をつまんでがんばって食べる!」という気合論も…笑
そして戸田さんからは
「ぼくたちはこの問題を解決するために、人間の食べ物ではなくドッグフードを作りました!」
と発表があると、子どもたちからは驚きの声があがりました。
その後も戸田さんは「ブルーカーボン」や「海の生態系ピラミッド」についても話し、海の問題について広く深く教えてくださいました。
今回の授業を通じて、子どもたちはさらに自分にできることを真剣に考え始めました。
4. コラボ授業を終えてみて…
今回の学習で戸田さんを紹介したかった大きな理由は、「課題に対する解決方法」が非常にユニークで興味深いと感じたからです。
子どもたちと学習を進める中で「課題」の部分はよく出てくるのですが、解決方法を話し合ったり出し合ったりする中で、アイデアの幅が狭いと感じることが多いのです。
想像通り、今回「ドッグフード」という言葉が出たとき、子どもたちからどよめきが起こりました。前半の授業も後半の授業もどちらでも、同じ反応が見られたのです。
世の中のサービスは「課題」→「解決方法」というのがほとんどですが、これからの時代には予測できない難題が次々と現れるでしょう。
なので特に今後そんな世の中を生きて大人になっていく子どもたちには、柔軟な思考でさまざまな解決方法があることを知ってほしいと思っていました。この授業で子どもたちの驚く様子を見て、紹介することができてよかったなと感じました。
戸田さんの社会教育経験が生かされた、大変面白い授業となりました!
ありがとうございました😊
今回授業を受けた子どもたちや先生の感想を紹介させていただきたいと思います。
5. これからのこと
冒頭でも紹介しましたが戸田さんが紹介したドッグフードは、立命館大学の研究の一環「磯焼けドッグフードプロジェクト」として始まりました。現在はそのプロジェクトを経て正式に法人設立された、まさしく!ソーシャルビジネス企業の1つなんですね✨
下記にオープンショップを貼り付けておきますので、気になる方はぜひとものぞいてみられてくださいね😊!
厄介者のはずのイスズミとアイゴのはずが、ワンちゃんたちはとてもよく食べるそうです!しかも人間も食べれるように作られているんですよ!ちなみに私も食べました✨
☟オーシャンハーベスト販売サイト☟
大変貴重な授業をありがとうございました!戸田さんはこれからもタイミングが合えば授業をしてくださるということです✨
授業を希望される方は下記ホームページまでお問い合わせください。
☟ スポットティーチャーHP ☟
※戸田さんへの直接の連絡はご遠慮ください。
本当にありがとうございました~🐱
6. 最後に
実はこの授業の日、SPOT TEACHER事業の取材にTNCテレビ西日本「記者のチカラ」の方たちが取材に来てくださってたんです!
共育コーディネーター
授業者の戸田さん
学校(先生方)
子どもたち
と幅広く、しかも最長尺の10分コーナーでとりあげてくださいました!!
打ち合わせも含めると本当にたくさんの時間をかけてくださいました。
放送後はたくさん問い合わせもいただきましたし、元同僚だった先生方からもたくさん連絡をもらいました😊
表現が難しいビジネスだと言いながらも取材にトライしてくださったTNCの方々、授業者の戸田さん、小笹小学校の先生方や子供たち、取材のご協力ありがとうございました~!!!
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