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当たり前に君はくるけど食べはしない、2人きりのクリスマス・イブ

日本から8時間遅れのパリより、メリークリスマス!

私のトップ・クリスマス・ソングは、ユーミンでもコウミ・ヒロセでもマライア・キャリーでもなく(いやどれもトップレベルだけど)、タツロー・ヤマシタの「雨は夜更けすぎに雪へと変わるだろう」なやつで。

懐かしすぎるタモリのボキャブラ天国。田舎の小学校低学年だった当時の私が毎週楽しみにしていたこのボキャ天。もっとも印象に残っているもののひとつ、「兄は夜更すぎにユキエと変わるだろう」がエンドレス流れているわけだ。

タモさん、「今年(90年代前半)の冬はこれしか頭にない」っておっしゃっているけど、30年近くたってもこれしか頭にないんですけどね・・・。

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そんな感じでタツローのアンニュイなメロディーがここ1ヶ月くらいずっと流れているわけだが、時差があるので、こちらのお昼前くらいにちょこちょこと日本のクリスマスの様子が垣間見える。

実家からは、母がつくった絢爛豪華なご馳走の写真を父が送ってくれた。メインは、厚切りハムの上にパイナップルがのっているハムステーキ。幼少時のクリスマスの定番で、私の甘じょっぱ物好きはここからきているのではないかと思う。

その周りには、骨付きチキン(おそらくKFC)もあれば、大盛りサラダもあれば、ポテトもあれば(同じくKFC)、漬物もあれば、なぜか海苔巻きもある。ふたりの食卓なのに食べるものがどう考えても多すぎなのは、母譲りなんだなあとつくづく思う。スーパードライとワインが同時に並んでいるところも同様。

残りはもれなく明日以降の父のお弁当になるんだろうなあ・・・そして父はそれをなんの文句も言わずに食べる、と。そこまで想像できてしまう娘。まあ、娘もフランスで同じ事してますけどね。

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さて、我が家のお話。

最近お天気が悪いパリ。昨日は朝から大雨で、午後にようやく雨が止んだような気がしたので、みるぅのお散歩ついでに定点観測的にエッフェル塔が臨めるセーヌ川の橋のふもとまで足を伸ばした。

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モデル?


韓国系スーパーで日本の料理酒とみりんを買ったのち、ココアパウダーを買いに大型スーパーMプリにも立ち寄ったところ、ノエル前はさすがの賑わい。ちなみにののMプリはここ界隈でおそらく一番大きいので、品揃えもプロモーションスペースも充実している。

店内をぷらぷらしていたらば、なんだか店内がとても盛り上がっている。
ただでさえ体温高いフランス人の、熱気がムンムン。そりゃ汗もかくわ。

彼らがもっともお金を使う期間にふさわしく、(おそらく)フレッシュな食材を目の前で切り分けてくれる肉・魚・チーズ売り場らへんなんて、いつもガラっガラなのに長蛇の行列ができすぎて近寄り難く。市販のフォアグラだのサーモンだのチーズだのも、ちょっと観察していたら飛ぶように売れていく。

「イブの夜は、仕事から早く帰って、次の日は北まで運転だからさくっと就寝する!」と宣言していたOtto氏の言葉。もちろん覚えているのだけど(だからイブの前日の昨日、豪華アペロを企画)、こりゃ何かしら作りたくなるわ。うずうず、うずうず。


俄然スイッチが入ってしまったので、クリスマス特売の牛のもも肉っぽいのを500gと、その後野菜を買いに立ち寄ったビオのスーパーでブッラータを買い足していた。

血もしたたる赤身の牛もも肉は、ローストビーフ。ブッラータは定番のカプレーゼだな。
これくらいならガトー作りの邪魔をせずさくっと作れるし、どちらも熱々で出さなくてはならない類のものではないので、時間の融通がきく。

ローストビーフについては、オリーブオイルと塩胡椒、ローズマリー・タイム・ローリエをお肉の全面に塗りたくる。その後、ジップロックに入れてピチッと一晩冷蔵庫でマリネしておくだけ。界隈で神用具と噂のピチッとシートが欲しい。

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さてクリスマスイブ当日。クリスマスイブは、フランス語でRéveillon de Noël (レヴェイヨン・ドゥ・ノエル)と言い、お店は日中の間駆け込みで混むけれど、通常より早く閉まって翌日25日は基本的に閉店。

今日の予定は、今年のメインともいえるクリスマスガトー(ガトーはお菓子の総称)作りに注力することに決めていたが、先に述べたように、昨日の時点で急遽方針変更。

「明朝早く出発するから、夜はスープ」と、通勤中にLINEをよこしたOtto氏のメッセージをしれっとガン無視して、8時くらいからまずはガトーの作業開始。

このガトー作りが、予想以上にロンバケもびっくりなロングストーリー。一応形にはなったけどまだ食べていないので、年内のどこかでは書きたい。。

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昼過ぎ。

ガトー作りがひと段落したところで、ローストビーフの仕込みに。ピチッと上がりの牛様を冷蔵庫から出してしばし放置。

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フライパンにオリーブオイルを少々引いて、側面を強火で焼く。
ブレはもはや個性。

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私のような生肉好きだとこれくらいで食べちゃおっかなという気にならなくもないが、さすがにアレなので、ちゃんとじっくり熱を通そう。
本日は日本で実家に帰ったときによくやっていた炊飯器調理にヒントを得てそれの応用。

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マリネしたジップロックに肉を戻して、ストローを使ってひたすら袋内の空気を抜く。ジップロックが大きすぎて危うく空気吸い込みすぎで過呼吸状態になるとこだった。

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鍋に水をいれて、沸騰しないくらいで止め、炊飯器の保温温度をめざす。

引き出しをあさっていたら、Otto氏のものと思われる温度計を見つけたので(相変わらず物持ち)、そちらを使って70度くらいをキープ。

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蓋をして熱が逃げないようにし、たまに温度を測りながら、待つ。
待つだけの牛生なんていやよ!と牛ももが訴えかけている気もするが、すまんな、君の魅力最大限のために、今は待ってもらうしかないんだ。

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30分くらいしたらとりだして、ボウルにジップロックごといれて粗熱をとり、その後冷蔵庫にいれて休ませておこう。


その間に、カプレーゼ

ハマのサンタクロース、QOLのぽなちゃんが、私のプローチダ島の記事に触発されて、カルディで大人気の冷凍ブッラータをようやく手に入れてこれまたいい感じのカプレーゼを作っていた。

カプレーゼって、360度評価で絶対高評価だと断言できる。
切るだけで豪華。最高。

まあ一応クリスマスなので、派手にいこうかなってことでカラフルなトマトを買ってきた。ブッラータは普通に冷蔵で売っているやつ。あとバジル。

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いつも切るだけにしていたけど、冬のトマトでなんとなく味は期待できないし、ここはぽなレコメンドに従って湯むきをちゃんとしてみよう。切り込みをいれて、熱湯10秒からの冷水。その後つるりんと皮を剥いて、バットにキッチンペーパーをひいて冷蔵庫で冷やしておく。

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ここから怒涛の仕上げといきましょう


ますはローストビーフ。冷蔵庫からジップロックを取り出して切ってみた。

大変よいお色ですこと!

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ジップロックには結構肉汁が出ているので、この肉汁をおおいに活用したソースを作る。

牛ももを焼いたときのフライパン(肉油でているやつ)に、ちょいオリーブオイルを足して、すりおろした玉ねぎ1/2個、すりおろしたニンニクひとかけ、みじん切りにした玉ねぎ1/2個を加えて煮立たせたのち、赤ワインをとぽとぽ。水分が飛ばしつつ、はちみつ・みりん少々、醤油を味見しながら加え、最後にバターをひとかけら加えたら無限系たまねぎソースの完成。

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というわけで、

ローストビーフはこんな感じに。
ローストビーフといえばクレソンが欠かせないだろうということで、スーパーと八百屋さんを彷徨った結果みつけた、クレソン!

ローストビーフ、玉ねぎソースとクレソン添え

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ブッラータのカラフルトマトカプレーゼ

緑と赤でちょっとはクリスマスっぽくみえているかな?

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ブッラータ、パっカーンかからの、とろーん。

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あとは昨日のあまりのチーズですね、

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そういえば昨日の投稿で、肉とチーズを同じ皿に置くとはなんぞや!?とOtto氏にブチ切れられた事。

なんでダメなの?と聞いてみたら、近くに置くとチーズの影響で肉が腐りやすくなると。だから冷蔵庫でも肉とチーズは決して一緒に置かないんだと言っていた。まったく考えたこともなかったけど、だからいつも冷蔵庫のチーズとお肉の場所がしょっちゅう変わっていたのか。。

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お菓子を作りながらにしてはまあまあ賑やかな食卓にはなったかな、ということで、ボナペティ♪

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Otto氏の反応。

ローストビーフに関しては、

「ごめん、肉が赤いのは食べられない。焼けてないダロウ?」と仰せになるばかりか、カプレーゼもモツァレラがとろんとしているのが嫌らしく、まったく手をつけない。

今日の食卓8割、私独占じゃないか!?
私の好きなもの、アナタは一切合切食べないのね!(😡)


不満そうに突っ込んだら、氏の返してきた言葉がこちら。

大好きなものが一緒じゃないほうがいいだろう。
いいか?例えていえば、牡蠣はユイが独占できるし、ショコラはワタシが独占できるんだ。

なんというリアリストな発言。ちなみに私はショコラも食べますけどね!

まあ、自分の推しているものを誰かに紹介して気に入ってくれた時の喜びっていうのもあるんだけどもね。異文化育ちかつ私の偏愛ぶりにはついてこれないものと理解するしかないか。

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というわけで、テーブルに並んでいるものの8割は私の胃の中に消えていった。余りのお肉は多めにつくったソースとともに義母宅に持っていこう。

世界各地の皆さん、メリークリスマス🐶🤶⭐️


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明朝、あなたのおうちへ飛びます飛びます🤶




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