クリスマスイブの前日、フライング・アペロ・ディナトワール
今日は日本だと天皇誕生日…ではもうなくなったのか?
クリスマスイブの前日ですね、ボンソワー。
パリは今日も15度くらいあって、ファーのスヌードなんで巻いて小一時間歩いたら汗だくで、首にあせもができそうな勢い。そのうち寒くなると思うけれど、今年は今のところまったく寒くない。室内は全館暖房で暑いくらいなので、半袖生活。
フランスと日本では、クリスマスとお正月の過ごし方が正反対なことを、前に滞在していたときから感じていた。
フランスでは、クリスマスはカップルの日でも友達とがやがや過ごす日なのでもなく、家族全員で過ごす1年でもっとも大事な日のひとつとされている。もちろん人によるけど、一般的に。反対にお正月は、元旦だけ祝日なライトさ。三が日どこいった?(涙)大晦日のカウントダウンで友人たちとワイワイがやがやフェット(パーティ)をして飲んだくれる、みたいな感じだろうか。
といった事情もあり、フランス人のクリスマスにかける熱意は、すごい。
下の記事によると、2020年、フランス人が一人当たりクリスマスに費やす予算は、このコロナ禍にもかかわらず昨年から54ユーロ上がって、平均して603ユーロだとのこと。約7万5千円。
田舎の家族のところに帰って、家族全員分のプレゼントを買って・・・とかなると、余裕でそれくらいいくか。
我が家の場合、Otto氏の実家は大家族でもないし、唯一の弟はベトナムに。フランスの北に住む義母だけが、ここでいうところの家族。
去年は義母がパリへ来たので私が色々と作ったけれど、今年はさすがにありえない。ならば我々が北にいく?でも心配性のOtto氏のことだ、今年はしっぽりとパリステイかなと思いきや、ノエル当日からバカンスをとり、ふたりでPCRを受け、車まで用意してリスクを最小限にし、万全の整えのもと向かうという。
やっぱりうちのOtto氏は、わかっちゃいるけどフランス人なのである。
ちなみにPCRは陰性だった。相変わらず綿棒を鼻奥に突っ込まれるのは、泣ける。
これは去年のイブのディナー。
剥いて切っただけの前菜に、メインはチキンのフリカッセ。
といった事情により、ノエル当日はおそらく北でしっぽりとなるはずだけど、だからといってこの祭り好きな私が何もしなくていいのか!?ご近所さんたちも絶対盛り上がるし、みなさんの美味しいご飯を指をくわえて見ているだけでいいのか!?
解決策はひとつしかない。フライングだ。
日程を繰り上げる理由は、ハレの日の料理を作ることで自己欲求を満たすことを建前に、本音が別にある。冷蔵庫に長らく冷やしてあるシャンパーニュを飲みたいんだ。うまい酒のためには手間を手間とも思わない女なのだ(前にもこのフレーズと似たようなの使ったな)。
デザートの一部は義母宅持参を予定しているので、イブの日に注力することにする。明朝にむけて、気合いを入れながらこの記事を書いている。
よって、イブの前日つまり今日は、アペロ・ディナトワール(Apéro dinatoire:ディナーを兼ねるアペリティフ)で、シャンパーニュ開栓作戦といこうではないか。
メニューは、こちら。
🎄じょり家のフライング・アペロ・ディナトワール🎄
・サパン型のサーモンパイ
・エビとアボカドのサラダ
・鶏のリエット(市販品)
・チーズ
作るのは2品なので、ハードル的には高くない。
サパン型のサーモンパイ
これは、前のパリ滞在のときから気になっていて作ってみたかったのだけど、結局実現せずに終わった一品。市販のパイ生地を使ってツリー型に仕立てるという、簡単だけど豪華に見える素敵な逸品だよなあと思っていた。ようやく実現のときが!
ここのページで使われているのはタプナード(オリーブ・アンチョビ・ニンニクなどのペースト)のようだけど、なんでもいいだろう。今日はノエルっぽくサーモンといこう。特売だし。
市販のパイ生地(pâte feuilletée)を2枚、燻製サーモン2切れ(100gくらい)、Kiriなどのフレッシュチーズ100gくらい、アネット(ディル)、ピンクペッパー。あと、パイの艶出し用に卵ひとつ。
サーモンを細かく切って、室温に戻したフレッシュチーズ、細かくちぎったアネット、黒胡椒ごりごりして、ゴムベラでペースト状になるまで混ぜる。ケイパーとか入れてもいいけど、燻製サーモンが塩っ辛いので、今日はレモン狂的にレモンだけもれなくしぼった。
市販のパイ生地1枚を広げて、サーモンペーストをのせる。
スプーンなどで均等にはしっこまで広げよう。
満遍なく広がった。
端っこはなんとなくあけておく。
もう1枚のパイ生地を上からかぶせよう。
端っこはなんとなく押さえつける。
サパンの形に成型していく。
中心を意識しながら左右対象になるように。
ところどころ線が二重に入ったりしているので、カットに躊躇した様子が見受けられる。
余分な部分は別によけて、枝の部分に切り込みを入れる。
適当な幅で切り込み入れ始めたけど、ぴったりだった。空間把握能力ありがとう。
枝をねじねじ、ねじねじ。
おおおおお!すでに、「っぽい」
星は最初に切り取った余分な生地をくり抜いた。
星型大活躍でうれしい限り。
とき卵を刷毛で表面に塗り、ピンクペッパーを散らしたら、180度に予熱したオーブンで20分くらい焼く。
オーブンで焼きに入っている間、もう一品にとりかかることにしよう。
エビとアボカドのサラダ
野菜を買いにビオのスーパーに行ったら、アボカドが特売だったという理由だけで思いたってつくることにした。
本体は、アボカド、むきエビ、レモン(これプラス2かけ)、マヨ。ピンクぺッパーは結局使わず、黒胡椒ごりごりのみ。左下のラディ(二十日大根)は、本体に使おうと思ったけれど、作っている最中に別のアイデアが湧いてきたので別に使用。
アボカドは細かく切って、速攻でレモン汁をかける。変色防止もしてくれるし塩っ辛さを和らげてくれるし、そして二日酔いの味方だし、本当レモンって素晴らしい食材。
むきエビもアボカドと同じくらいの大きさに切って、マヨと黒胡椒で和える。この後、追いレモン、日本人モードでしょうゆも回し入れた。
あとは盛り付けるだけ。なんと楽チン。
ただ盛るのは芸がないからセルクル型に入れようとは思っていたのだけど、冷蔵庫にきゅうりが余っていることを思い出して、ちょっと盛り付けを工夫してみることに。ひとつアイデアが浮かぶと暴走がはじまる。まだ盛り付けだけだからよいけど。
きゅうりをスライサーで薄くスライスして、円形のお皿に輪っかを作るように並べる。そこに、同じくスライサーで薄くスライスしたラディもならべる。
真ん中の空白スペースにセルクル型をのせ、中にエビとアボカドを和えたものを入れる。ちょっと押し込むように。
これに飽き足らず、周りにレモンを添え、エビアボカドの上にあまりのラディスライスをたたせる感じでのせて、黒胡椒ごりごりでフィニッシュ!
おおっと、そろそろサパンが焼き上がる頃ですね・・・
1☝️
2✌️
3🙋♀️
ダアァァァアアーーーーー
これはなかなかの出来ではなかろうか。
お星さまなんてロッテのパイの実みたいな可愛さ。ん?これロッテのパイの実自作できる?・・・むにゃむにゃ。
ちなみに、サパン型サーモンパイで余った生地は、適当に棒状にして一緒に焼いた。明日のOtto氏のおやつかお昼です。
さあ、役者はそろったので、ここで本日のメニューの復習。
サパン型のサーモンパイ
唯一の難点は、はみ出ないお皿が我が家にないということくらいか・・・。
エビとアボカドのサラダ
緑が多くて若干わけわかんないけど、まあ見た目及第点。
・鶏のリエット(市販品)と、チーズ
チーズはブリーとシェーブル(Sainte-Maure )。
アネットが死ぬほどあるので、ノエル感醸成のため、ただのせた。
チーズと肉を同じ皿に盛り付けるなんて何事じゃ!?とOtto氏に詰問されたので、その後リエットを別のお皿にうつした。テーブルが小さいから空間を節約しようとしただけなのに。
フライング祭り、スタート
クリスマスっぽく、この時以外に使い道がまっったくない赤いキラキラボールをテーブルデコレーションで転がしてみたりした。
どれも美味しかったんだけど、パイ生地2枚はさすがにふたりだけでは食べきれず、葉っぱだけ食べて幹だけの状態に。祭りのあと状態。
食器も調理道具もかなりもっているから、願わくば、たくさん料理がのるテーブルがほしい。お願いサンタさーん!
え?呼んだ??いつもの場所降り立ったとこなんだけど🐶🤶
サポートいただけましたら、俺のおやつがちょっぴり豪華になります🐶