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ロワイヤルなクスクスと、ボジョレー・ヌーボー

11月第3週木曜日は、日本でもすっかりおなじみとなったボジョレー・ヌーボー解禁の日。

ボジョレー🍷
いくら酸っぱくとも、いくらバナナの味がしようとも、いくらマーケティングだと言われようと、スーパーの安物でいいから私は毎年必ず飲むと決めている。

ひとえに、365日毎日お世話になっている私のエネルギー源を提供してくれる生産者の方々に感謝したいからだ。
・・・という建前。本当は祭りが好きなだけ説もある。

毎年この日は、街のカーヴ(ワイン屋さん)を中心に、商店街のお店がテラスとか店内でご近所さんにボジョレーをふるまってフェット(祭り)したりしていたものだ。

ちょっと前になるけれど、2014年の解禁日はこんな感じだった。

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今年は外出制限で外に出ておらず、家でもひたすらクリエイションに励むかyoutube観るか読書するかしかしていない。

それゆえ、Facebookで日本の知り合いのおじさまが「ボジョレーを飲んだ」という投稿を拝見して初めて、「あ、そうだった明日じゃんボジョレー🍷」と思い出した。

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この日はすでに、作りたいリストの筆頭にあった、常日頃お世話になっているケイチェルおじさん太鼓判のクスクスを作る予定だった。とても美味しそう。

マグレブ(北アフリカ)発祥と言われるクスクスは、フランスではかなりメジャーな食べ物と認識してはいる。
が、フランスに住んでトータル5年以上になろうというのに、クスクスを食べた記憶は2回くらいしかないし、味もぼんやり覚えている程度。

おいたんのレシピを見る限り、肉×ピリ辛っぽいし、薄い赤ワインで流し込むのにちょうど良さそうだな・・・ということで作戦続行。

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ちょうどみるぅのお散歩中、ご近所のモロッコレストランを通りかかった。
現在ロックダウン中のフランス、カフェ・レストランは持ち帰り以外営業停止中なので、壁に貼り出されたいた持ち帰り用メニュー(クスクス)がこちら↓

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「agneau(アニョ)=仔羊」
ユイじょりの偏愛フランス語、コンフィヌモンに続きよろしければご記憶のほど。

入っている肉の種類と量で値段が決まる感じなのだな。
最安はベジタリアンの肉抜きだけど、基本羊で牛または鶏。
豚がないのは当たり前か。

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私は、かなりの羊ラヴァー。
大好きなレストランでもリクエストはいつもアニョ。

ジンギスカン?臭いだなんていわせない。
カルビの脂は無理でもジンギスカンならパクパクだ。

ちなみにフランスのスーパーの肉売り場に並ぶ肉は、おそらく順番に、
「牛、仔牛、仔羊、豚、鳥、七面鳥、うさぎ、、etc」
冬はこれにジビエ系が並び、マルシェの肉屋はかなりグロテスクな感じになる。

7年前フランスに降り立って一番いいと感じたのは、仕事疲れで雑巾化してスーパーに立ち寄っても普通にアニョが手に入ることだった。

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先に貼らせていただいたおいたんのクスクススープは、羊オンリー。
こんな薄切りの肉は売っていないのもあるが、うちのOtto氏がどうでるかわからない。

もし羊食べないプーン😤となったときのことを考慮し、この近所のお店の上から2番目、ロワイヤルなクスクスを参考に、鶏肉とメルゲーズ(羊肉ソーセージ)も加えてみることにした。

このシェフのレシピも参考にしようと思ったけど、なにやら複雑な感じなので、ところどころ参考にさせていただき、メインはおいたんのレシピで。


肉はアニョのもも肉(gigot d'agneau)、メルゲーズと、骨付き鶏肉(ケンタッキーの推し部分)。
モロッコは行ったことがないけれど、なんとなくカラフルなイメージなので、にんじんとカブに加えてズッキーニとかパプリカ、ひよこ豆もいれちゃおう。

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まずはアニョのもも肉を水から茹でる。沸いたら煮こぼして、ザルにとり、水でよく洗う。澄んだスープになるコツらしい。

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フライパンで、メルゲーズと鶏肉をこんがりと焼いて、バットに取り出しておく。

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肉の下準備ができたら、あとは煮込むのみ。
鍋(ストウブのオーバル大を使用)に、刻んだにんにくとオリーブオイルを入れて熱し、香りが立ってきたら薄切りにした玉ねぎ、乱切りにしたにんじん、適当に薄切りにしたパプリカ、ズッキーニを入れて、炒める。

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しんなりしてきたら、下準備しておいたお肉たちをのせる。
野菜の半分くらいの高さまでの水とスプーン山盛りのトマトペースト、クミン、塩胡椒を適当にふり、蓋をして20分くらい弱火で煮込む。

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20分後、スープを味見してみたら、

衝撃美味!

塩胡椒とクミンしか入れてないのに、何このうまみっていうかコクっていうか。
よくわかんないけど美味しい。メルゲーズ効果?アニョのおかげ??
びっくりしたー。

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美味しすぎて危うくこれにて終了するところだったけれど、まだ具材が残っていた。
カブとひよこ豆を入れて、さらに10分くらい煮込もう。

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煮込んでる間にアペロといきましょか。

夕方のスーパー、大して盛り上がってないボジョレー売り場にて、パッケージが一番可愛いやつを買った。

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スープができたら、次はクスクス。

帰宅後アペロ中のOtto氏に、今日はこれですとクスクスのパッケージを見せると、

「クスクスはうまく炊くのがめちゃくちゃ難しいんだけど、クスクス初めての君にできるのか?」

と仰せらる。

たしかに、スーパーのクスクス売り場で種類がたくさんあってどれを買おうかまず悩んだ。

悩んで買ったもののパッケージ裏面を見ると3つも調理法がある・・・。

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こういうのって、指示通りにやると大体うまくいかないのは経験済みなので、ここはスーパー主婦かつ世界料理研究家のケイチェルおじさまの指南を仰ごう。

クスクス170g(Otto氏100、私70)を計測し、バター2かけと塩ふたつまみ、オリーブオイルひとまわし。

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熱湯約200ccを外側から注いで蓋をして10分ほどとろ火で蒸らす。うちのIHの最弱でやってたらとろ火以下だった模様なので、ちょっと強くしてさらに3分くらいしたら完璧であった。

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バターがあとになって、スマイリーっぽい感じに。これを木べらでかき混ぜておく。

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出来上がっていたスープを再度温めよう。

これだけでも申し分ないのだけど、ピリ辛感を出すために、HARISSA(アリッサ 注:フランス語はHを発音しない)という、モロッコのスパイスペーストを小さじ1くらい入れる。

ネットで調べたら、北アフリカの豆板醤みたいな位置づけらしく、スーパーに普通に売ってた。
辛いけど、にんにくやクミン、セロリの風味もしてなんだか複雑な味で美味しい。

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さてフィニッシュ。

どどーん。

パスタ感覚でいたけど、意外にクスクスが量あるな。

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!?!?!?!?

なにこのクスクスって食べもの。
今までなんで作ってなかったんだろうってくらい、衝撃の美味しさなんですけど。

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このクスクス粒子にバターがうまいこと絡んで、これにうまみたっぷりなさらさらピリ辛スープで流し込むと、永遠にいけてしまう感じ。
麻婆豆腐的に飲めるやつですな、これは。

胃袋大きかった時代にハマっていたらこれはきっと大変なことになっていたに違いないわ・・・。
今の私の胃袋だと70gでも多くて、翌日(今日)のお昼に持ち越し、一晩寝かせたスープとともに美味しくいただきましたとさ。

Otto氏によると、「初めてにしては非常に上出来」とのことだけど、
「改善するとしたら、骨付き鶏の変わりにブレット(肉団子)、もう少しスープ多め、クスクスの炊き方も要改善(どのようにかは謎)」と、ポンポンでてくるでてくる・・・。
こりゃー2週に1度はクスクスかな。


世界は美味しいものであふれている。
もっと異国の美味しいものを知りたいなと思った、ボジョレーナイトなのであった。

ということでおいたんはじめご近所のみなさん、これからも異国料理のご紹介を、どうぞよろしくお願い申し上げる次第。


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ボジョレー解禁の翌朝、モミの木販売も解禁されておりました🎄

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