カブのファルシ、ロマネスコとミクニ風フリット添え
師走初日の夜は、壮大なる創作からスタート。
昨日、いつもお世話になっているnoteご近所のケイチェルおじさんが、香川県からお取り寄せしたご立派なカブを使ってなにやら美味しそうな牡蠣鍋をしていて、なんだか私は無性にカブが食べたくなってしまった。
おいたんの言うように、冬場に出回るフランスのカブ(navetといいます)は、甘みがあってとても美味しい。大好きな野菜のひとつ。
浅漬けにしたりそのまま野菜スティック風にむしゃむしゃしていたけど、どっぷりハマっているMUJIのぬか漬け、そして先日初挑戦したクスクス・ロワイヤルなんかにも使ったりして、最近殊に大活躍中のカブ。
カブの葉っぱとか茎をちりめんとともに油炒めにしたーい!TKGのせしたーい!!と思いつつ、こちらでは基本身の部分オンリーで売られているので、我慢ガマン。
皮のこの紫色が美しいのよね・・・これを活かしたいなどうしよう。
ふと思いついたのが、食べられる皮は正義な一皿、ファルシ。
夏にカラフルズッキーニで作っていたなそういえば。
ズッキーニにしてもトマトにしてもナスにしても、食べられる皮は器にしてしまうのが私は好きだ。
こんなにも美しいカブの紫を器にしない手はあるまい。カブでもこんな感じでできないものか・・・ぼーっと考えながら、カブとその他野菜を適当に仕入れる。
会計で、なんとレジでの量り売りにもかかわらずトータルで予算ピッタリの金額が出てきてびっくり仰天。こりゃ幸先いいからうまくいくに違いないと謎の自信が出てきたので、完全なる創作、いってみよう。
主な材料は、主役のカブのほか、玉ねぎ、にんにく、セロリ、マッシュルーム。冷凍庫に鶏肉のミンチがあったような気がしていたのに、記憶ちがいで見つからず。牛と豚はあるのにぃ・・・なんとなく気分は鶏なので、仕方なく冷凍していた鶏のウィンナーで代用。
カブ以外の材料をすべてみじん切りにする作業の間に、付け合わせの野菜をゆでよう。
本日の野菜はこちら。冬になるとカリフラワーやブロッコリーとともによく見かける、ロマネスコ。
ちょっとお得になってると即買いしてしまうサガ。
味はほぼカリフラワーだけど、もっと甘いかも。
ああ、この圧倒的なビジュアルクイーン感。
これにデコレーションして、クリスマスツリーですって言い張ってもいいくらい(我ながらいつかやりそう 笑)。
こちらをブロッコリーとかカリフラワーと同様、茎からガシガシもぎ取って、塩を少し入れたお湯で茹でておく。
コンロが空いたら、メインのファルシの中身を作ろう。
オリーブオイルでにんにくとたまねぎを炒めたら、残りの具を全部いれてさらに炒める。
白ワインをまわしかけつつ、コンソメと塩胡椒で気持ち濃いめに味付け。
加工品ウインナーを使っている時点で本日は化調モード解禁。水分がなくなるまで炒め続ける。
次に、カブの器をつくろう。くりぬき器で慎重に中身をくり抜く。
このくり抜いた中身がみずみずしくて甘くて美味しすぎて、ずっとパクパクしてしまう・・・。
くりぬき完了!4つのカブカップができた。
蓋もビジュアル的にあったほうがいいかな、ということで、とっておく。
軽くカブカップの内側に塩胡椒をして、ファルシの中身を詰め込む。中身が足りなくなりそうだったので、私の分にはカサ増しでくり抜き部分もチョイ入れした。
そしてこのあとOtto氏用には、上にシュレッドチーズをのせた。
通常のファルシのように、このままオーブンで焼いても美味しいのかもしれないけど、今日は茅乃舎野菜だしを入れたスープのなかにドボン。蓋をしてカブカップに火が通るまでぐつぐつ茹でる。このあと速攻でミクニフライポを作る予定なので、スープの中に入れて余熱でも火が通るはずと踏んで、気持ち短めで火からおろす。
もうひとつの付け合わせは、作りすぎてもはや目を瞑っていても皿洗いしながらでも作れる、シェフ・ミクニ風のフリット、通称ミクニフライポ。
今日もいい揚がり具合で完成。
フライポが縮んでいく姿を見ながら、何かソース的なものが欲しいなと思い、カブがINしている野菜だし汁を少し小鍋に移して火にかけ、生クリームとちょっぴりバターを加え、冷蔵庫にまだ残っているエストラゴンをみじん切りにして加えた。
ブレンダーがあったなら、よりカブ感を出すべく、くり抜いたカブをだし汁にいれて火を軽くとおして、ブレンダーでぎゅいーーんしてみたい。
でも今日は、背後に突き刺さる腹ぺこフランス人の視線が痛いので、これくらいでいいや。
そんなこんなで、役者はそろったので、盛り付けに。
お皿全体にソースをしいて、
主役のカブカップをのせる。蓋もちょこんと立てかけて。
こちらはチーズがのっかっているのでOtto氏の分。
脇役なのに主演を食いそうになる助演女優賞レベル、ロマネスコと、安定の名脇役ミクニフライポをのせて、主役にパセリのみじん切りをちょいのせしたら、完成。
私の分は、チーズなし。
さてお味はいかに、ボナペティ。
断面はこんな感じ。よきよき。
カブカップにもだしが染み込んでいて、しみじみ、美味しい。ミクニフライポのカリカリと合わせながら食べても、オツ。
冷めないうちに!と促したので、一足早く食べ始めていたOtto氏。
Pas mal(パ・マル 悪くない)と言いながらパクパク食べていたので気にせずにいたのだが、随分早くごちそうさまでしたと言ってデザート(砂糖のかたまりHARIBO!)に移行しようとしていたので、Otto氏のお皿に視線を向けると、
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ものの見事に皮だけ残していやがる・・・・・・!
そういえば、前にズッキーニのファルシを作ったときも、ナスのファルシを作ったときも、いくら美味しいよと説いても氏は頑なに皮だけ残していたんだった。
カブもだめか、だめなのか・・・。
これを捨ててしまった日なんぞ、私は良心の呵責に苛まれるにちがいない。
ということで翌日すなわち今日のお昼は、こんな感じでひとりカブ尽くしランチとなった。
まずは、カブカップ用にくりぬいたカブの中身と人参、マッシュルーム、セロリを余っただし汁にいれてちょい水足しーの、味整えーので、優しい系の野菜スープに。カブのくりぬきがコロンとボール状になっているので、可愛らしい。
そしてメインは、昨日自らが食べきれなかったものと、Otto氏が残したカブカップにクスクスを炊いて塩胡椒したものを詰めてみた。おかずを主食で囲むイメージ?
MOTTAINAI精神ここに極まれり。
2日にわたってカブを食べ尽くした感じだ。
そして期せずして今回現れた、魚介類に続くあらたなテーマ。
うちのOtto氏、いったい全体何なら食べられる器を食べてくれるのか。模索する日々が続きそうだ。
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