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おうちで京巻き・バウムクーヘン

さっきニュースをぼーっと見ていたら、今日はルイ16世がギロチネされた日(処刑された日)だということを知った。1793年1月21日、御年38歳というから、昔の方々は若くしてとんでもなく重大な責務を背負っていたのだな。

そういえば、Otto氏にフランスの歴史上人物の中で誰が一番好き?と聞くと、「Louis XIV」と返ってくる。太陽王ルイ14世だ。4歳で即位してからの在位期間72年。もちろんフランス史上最長在位期間。もはや超人である。

さてさて、前置きはこの辺にして、久しぶりにおやつのお話。

今週はみるぅのお散歩とそれに伴う食料品の買い物以外、リアルに全く外に出ていない。お昼後にちょっと外出しようかなと思うと、天気がどんよりしていたり雨が降っていて、途端にやる気をなくすことがほとんど。

昨日もそんな感じで、遅めのお昼を食べた後、外出する気をなくしたので久しぶりに何か甘いものでも作ろうかという気になった。私はiphoneのカレンダー以外にコクヨのCampusマンスリーカレンダーを数年前から愛用しているのだが、月ごとの余白欄に作りたいものを殴り書きしている。今月はまだ2020年版でいける。2021年版は実家に送って父に頼んで郵送してもらっているけど、到着はいつになるのやら。

2020年8月から毎月、ずいぶんと殴り書いて、だいたいは作った。甘いもので作っていないものは何かなとふと眺めていたら、目に留まったのが、11月に殴り書いていた「バウムクーヘン」。ちなみに残りは「みそパン」と「メロンパン」と「蒸しパン」。甘いパンを欲しているのか?

家でバウムクーヘンで作れるのかな?と思って検索して見つけたのが、中高時代の愛読書『オレンジページ』のこのページ。

ここでピーンとインスピレーションが湧いた。

・💡・

先週末、タコをメインに久しぶりの酒処を開催したが、そこでこれまた久しぶりに作った、だし巻き卵。

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この記事で、いつも心温まるコメントをくださる料理人のチャーリー・ノートンさんが、だし巻きの最後巻きに入るところの上の写真を指して、

「この写真のだし巻き卵はもしかして、手前から巻いている京焼き玉子ですか?」

とおたずねに。私は京焼きという言葉さえ存じ上げなかったのだが、たしかにいつもだし巻きもお弁当の卵焼きも自然と手前から巻いている。手首で支えやすいというか体重がかけやすいというか、なんというか。

チャーリーさんから続けていただいた、うれしいコメントを転載させていただこう。

ふーむ、京巻きとも言うだし巻き卵は京都の料理屋では必修の技です!
自然と覚えたのですか、ふーむ。
手前から巻いて行くと火がしっかり入るので幕内弁当や松花堂弁当には京焼き玉子が必須です。手の動かしかたやタイミングなど習得するのは難しいですがなあ。アンビリーバブルユーアー!

うおおおおーー!そうだったのか!!

そういえば、前にも誰かに手前から巻くの?って言われたことがあるな・・・と思って過去の記事を遡ってみたら、案の定、だし巻きチャレンジの仕掛け人、ケイチェルおじさま。

この記事に触発されて、75cc→90ccだし巻きにチャレンジしたとき、コメントで「手前から奥に巻くのは初めて見た」とおっしゃっていた。

習得が難しいらしい「京巻き」なるものを自然に習得していたとは。
「皆さま、実はうち、京都の女なんどすえ?」

大ウソ。三陸と信州のハイブリッドだ。

・💡・

以上が脳内で繰り広げられた回想なのだけれども、豚もおだてりゃ木に登る。さっきのオレンジページのフライパンバウムクーヘン、卵焼き用のフライパンで京巻きしたろ〜と思った。

昨日のクイズにお答え頂いたスーパーVIPのお三方。

>ぽなちゃん、オールドファッション、惜しい!形一緒!
>PATA様、お菓子音痴卒業です!バウムクーヘン大正解!
>ケイチェルおいたん、PATAさんと答えが一緒だとつまらないからとブルボンのルーベラ的なやつとお答え頂いたけど、作りたいものリストに殴り書いた(笑)

まずは、真ん中の穴づくりとでも言うのか。割り箸を2膳用意して、卵焼き器の横幅より気持ち短いくらいに切り込みをいれ、渾身の力を振り絞って折り曲げる。その後、アルミホイルを巻き付けて、直径2cmくらいの筒状のものを作る。

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巻き込む際にくっつくかもと思って、クッキングシートも巻きつけてみた。

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材料は、こちら。オレンジページのレシピと同じ。ホットケーキミックス、卵、はちみつ、砂糖、牛乳、バター。なお、ホットケーキミックスはないので、こちらのページから薄力粉と砂糖、塩、ベーキングパウダーで自作。

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生地作りは、いたって簡単。バターを溶かして、材料を全部よく混ぜるのみ。

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ラムも入れてまお〜!

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ホットケーキとクレープの間くらいの粘度の生地ができた。

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さてと、ここからが本番どすえ。サラダ油を引いて、ペーパーで余分な油をふきとる。

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表面全体に生地が行き渡るように、生地を注ぐ。おたま一杯分くらい。

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ポコポコ穴が開いてきた。

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表面が乾いてきたら、例の穴あけ棒を手前にのせて、巻きつける。

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くるくる、くるくる。

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はい、1巻き目、出来ましたァ。

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手前に持ってきて、ペーパーで油を引いたら、2巻き目いきます。

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ちゃんと焼き目をつけたほうが出来上がりの断面がきれいとあったので、気持ち長めに焼いて、くるくる。

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これをひたすら繰り返す。

だんだん巨大化してくるバウムさん。7巻きくらいして、ようやく最終巻き。第3コーナー回ったあたりか。

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ゴオオオオオオーーーール!

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思っていたよりもかなりいい感じにできている。断面が気になる欲を抑えつつ、冷めるのを待とう。

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結局、昨日の夜ごはんのチリコンカーンもどきに取り掛かり始めたら断面のことはすっかり後回しになってしまったため、熱がとれたところでラップをして一晩休ませることに。こういうのは1日置いたほうが美味しくなるに違いない。

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先ほど、夕飯後のデザートに、いざ入刀。

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穴のガタガタはまあ手作りだから仕方ないとして、意外にもちゃんとバウムクーヘン!!成功どすなぁ?

やはり焼き目をキチンとつけたほうがいいというのは正しい。一応層になっている。

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ハーゲンダッツのあまりがあったから、Otto氏にはアイス付きでサーブすることにした。上にかけたのは、ロータスのビスケットを砕いたもの。

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(以下、Otto氏🇫🇷、私🇯🇵)

🇫🇷「これはナンダ?」
🇯🇵「バウムクーヘンです!」
🇫🇷「???」
(このやりとりが3回)

バウムクーヘンが、通じない。

🇫🇷「どこのお菓子だ?」
🇯🇵「たしかドイツだよ!バウムクーヘン!」

はっきりめに発音してみても、一向に通じない。Otto氏は第2外国語がドイツ語だからわかるはずなのに・・・。

仕方ないなと思って日本語のウィキペディアにあるドイツ語表記を見せたら、

「ああー!Baumkuchen!(←発音がドイツ語っぽい)🇫🇷」

ドイツ語をひとかじりもしたことがない私の発音とは確かに一線を画す感じなのであった。いつかちょっとくらいかじってみたいドイツ語。まずはフランス語ちゃんとしなさいよアンタ。

🇫🇷「ラム入れただろ?」
🇯🇵「うん、ばれた?」
🇫🇷「なんのラム使った?」
🇯🇵「安心してください、高いやつじゃないよ」
・・・
・・・・・・

その後、Otto氏は黙々と完食し、ソファでご就寝。


日々、試行錯誤なおうちごはんやおやつが作れることに感謝しつつ、Otto氏と毎回繰り広げられるこのたわいもない会話が、今の私の小さくて大きいしあわせなのだなあ・・・と、氏とイヌの寝顔を横目で見ながら思う、そんな夜。



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そういえばワタシ、昔バウムクーヘンにされたことがあるんですよ奥さん🐶😡

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