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SDGs経営って何なんでしょうね…「セールスフォースのすごいオフィス」に思う

26日、日経Xトレンドにセールスフォース日本法人の今年2月に移転した千代田区大手町の新オフィスが紹介されていました。

いつも筆者の記事に出てくる、このオフィスビルの中は、日経Xトレンドの写真のようになっています。

日経Xトレンドの記事によると、オフィス設計は海外のデザイン会社が手がけており、世界共通のデザイン基準のほか、日本拠点としての特徴的なデザインもあります。リモートワークができる環境づくりのほか、人と人とが直接会う楽しさや自発性の向上にもつながる柔軟性のある働き方を目指したといいます。最上階に位置する「オハナフロア」は、社員やパートナー、顧客との絆を深める場として捉えており、議論や交流の場として使用。フロアの中央に静穏な和室と日本庭園。窓の外に見える皇居外苑の景色などとつながり、富士山も見えるといいます。室内だけにとどまらない奥行きを演出。オハナフロアには、一流シェフを社員として招いて軽食やスイーツなどを提供するコーナーもあります。イベントも開催できます。オフィスにはフリーアドレスにした広々とした空間が広がるほか、どこでも自由に仕事や議論ができる場を用意。カフェなども設け、社員同士の交流が活発になるようにしたということです。同社のキャラクターたちが、オフィスのあちこちに描かれています。

一流シェフを招いたカフェテリアもあるという立派なオフィスですが、筆者の記事に出てくる発達障害者差別訴訟に発展した問題の背景にある、社員の長時間労働やハラスメント、メンタルヘルスへの対策にもリソースを投じてほしいな…。SDGsやサステナビリティ、リモートワーク化や脱首都圏化の進んだ時代、優秀な人材ほどオフィスの豪華さよりむしろ後者に注目する流れではないでしょうか…?トランスジェンダー社員の利用も意識したジェンダーニュートラルトイレ(引き戸になっており車椅子の利用も意識)は画期的ではありますが。

何年かしてから「ド派手に輝かせるオフィス・立派な広告を作っていたけど、コンプライアンスにもハラスメント対策にもメンタルヘルスにも長時間労働軽減にも後ろ向きな会社だった、これぞホワイトウォッシュ」という評価になっていないか。

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一方で、2022年5月、国内IT大手サイボウズのオウンドメディア「サイボウズ式」で、「『超男性的』な社風は、男性も苦しめる」という対談記事が発信されていました。

記事では、「超男性的」な社風の特徴として以下4つが挙げられています。

・家族やプライベートよりも仕事を優先する
・激しい競争
・決して弱さを見せないこと
・精神力と体力の顕示

「短期的に見れば、競争の勝利者にとってはメリットがあるかも知れないが、そのうち代償の方がメリットを上回っていく」とまとめられています。

障害者雇用への反対姿勢を示すなど発達障害シングルマザーへの差別と退職強要をめぐる裁判が起きた同社日本法人についても、元社員からまさに「超男性的な社風」の弊害を指摘する声が出ています。障害のない人にとっても、給与水準は高いがノルマが非常に厳しく長時間労働であり、短期離職者が多数出ているという声がいくつも出ています。これは特にバックオフィス以外の営業部門において顕著であるということです。気がかりなのは、こうした企業が「フレキシブルで働きやすい」「家族的」「ボランティア熱心な社員」などソフトなイメージ発信をして採用活動をしているところです。

筆者の記事に、サイボウズ社長や社長室の方も見て反応をくださった(ツイッターでの「いいね」やnoteマガジンフォロー)ことがありました。対岸の火事とせず、職場文化をつくる活動の参考にしていただければ、と思いました。

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