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お酒フレンドリーになった結果おせちの真価を知ってしまった

あけましておめでとうございます!
いままでで一番のんびりした年末年始。仕事の積み残しもなく、遠出もせず、買い出しもそこそこ。もうなーーーんにもない。というフクフクとしたお正月を過ごした。サイコー!
今年もいっぱい食べてたくさん笑って元気に書いたり作ったりする年にしていこうと思います。

と宣言するまでもなくいっぱい食べているけど、
今年のお正月はおせちの良さみを改めて感じられたのも良かった。というのも、今年は日本酒と一緒に味わったのだ。

去る年の瀬に用があって新潟の方に出向き、せっかくの米どころだから、と日本酒の飲み比べをしてみたのだった。一口一口は少量ながら味の違いは色鮮やかで、今までほとんど知らなかった日本酒の世界にとてもとても心ときめいてしまった。
こんなにも美味しく飲めた記念に、せっかくだから買って帰った。蛇足だが、わたしはあまりにこの手の挙動が多いので「せっかくなので買い」と自ら名付けている。

普段お酒を嗜む時はビールが多いけど、たまには生活の中で呑んでみようじゃないの、日本酒。もし苦手だと思ったらお料理に使うとか、ちびちびとお風呂に入れてもいいかもしれない。と、とても気軽かつ厳かに(どっちやねん)買ってみた良い日本酒を、またもや「せっかくだから」とお正月に飲んでみることにしたのだ。

最初は冷やしたものを、ひとくち。
そんなわけないのだけど、雪の味みたいだった。
上越新幹線で長い長いトンネルを抜けて見えた白銀の世界。川端康成の小説の出だしそのものみたいなその情景にいたく感銘を受けた、その雪の味。雪深い場所は水が美しくて、それゆえにお米や作物が美味しいのだと聞いたことがあるが…あの味わいを思い出すに、疑いようのない事実だった。美味しい。美味しい!冷たいのに、おなかの底からポッポッと花が咲いたみたいにあったかかった。まろやかな香りが顔の周りを漂う。

続いてぬるめにあたためて、また一口。今度は、お米の姿をよくよく感じた。アルコールが和らいで香りがぐんと増し、冷やしたものを音にするならキンとかシンとかみたいな感じだったのが、フワ、とか、ホワ、みたいな感じになった。そんなことしたことないけど、頭の先までぬるい温泉にとぷん、と浸かって強ばった心と体がほどけていくような感覚。たまらない。

で、そんな日本酒に、おせちが合うのだ…
お酒ならビール、おせちなら日本茶、で過ごしてきたお正月が長かっただけに、日本酒のおつまみとしてのおせちのポテンシャルをこの歳になるまで知らなかった!昆布巻き、田作り、酢蛸、筑前煮…保存のための甘辛くて濃いめのお味付けが日本酒と出会うともはや芸術だった。素材も野菜にはじまり海鮮もあり肉もあり海藻もあり。ひとつひとつ甘じょっぱくて主張の激しい味わいなのを透明なお酒が雪解け水みたいに流れてさらっていく。舌のキャパが目一杯になったころ伊達巻や黒豆や栗きんとんで甘さをぶつけるとヒャッとなるほど元気が出る。ほろ酔いの心地にかずのこの歯触りが心地よい。エビにかぶりついたりなんかしたらもう、もう…

どのおせちもひかりを帯びたみたいに味わいが際立って、ああ美味しい!と夢中で味わった。和の寿ぎの味わいと銘酒のタッグマッチ。恍惚、、、知らなかった、、、と多幸感に包まれて食卓で朝からニコニコしていた。

ふと思えばお出汁、お醤油、みりん、お味噌、そして日本酒と、発酵食品に作られた幸せいっぱいのお正月。大いなる大地の恵みと小さな微生物の働きと沢山のひとの熱意あるお仕事によってもたらされた、宝物みたいな年末年始。

ああ、ありがたい!
どうぞ皆さま、健やかに。
2022年も宜しくお願いします。

日本酒、おせち、大好き。

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