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とうもろこしよ、君はどこから

すこし前に、またひとつ歳を重ねた。
顧みればみるほどに「大胆不敵」だった今までと、せめてちょっとずつ憧れの「何だか素敵」に近づいていきたいこれからの間の日々。美味しく楽しく、やっていきたい。

白状すると、夏生まれはつまらん!と昔から思っていた。小さいころは夏休みの最中で友達にあんまり会えないし、大人になってからも夏という季節の概念は何だか爽やかでちょっと切なくてとても好きだがお祝い事に供される花とか食べ物とか、そういったものは他の季節を羨ましく思ってばかりであった。特別な食事くらいドッサリ、こってりしたものが食べたいし、そういうものは大概寒い季節が美味しいのだ!ついでに言うとひまわりよりシャクヤクとかの方が好き!わーん!
と誰に言われたわけでもないのにふんすふんすと妬ましく思っていたのだ。

今年はそんな私を見かねた夫が「おまいが生まれた季節、好きにさせたる!」と気合を入れてお祝いしてくれた。いろんな種類の鮮やかなひまわりにワイルドフラワーを加えた眩しいくらいの花束をプレゼントに選んでくれて、あちこちの美味しいものを食べに連れて行ってくれたのだった。
それまではひまわりという花がこんなにも多様な咲き方や色合いに満ちていることも知らなかったし、どっさりコッテリだけでなく、あっさり、さっぱりといった諸々の味わいを心から嬉しい年齢になっていたことにも気付かされた。柑橘の爽やか、野菜の瑞々しさ、夏が旬の食べ物たちはどれも慈愛に満ちた味をしていて、美味しくて、すっかり私は今年から夏生まれを誇ることにしたのだ。
夫に感謝である。いくつになっても夫のような大人に私は近づけているかわからないので、せめてリスペクトし続けていたいものだ。

そんな今年の夏はとうもろこしをたくさん食べた。茹でor焼きorスープの選択肢しか知らなかったし、それらで十二分に満足していたからとうもろこしのあれやこれやを食べるのがとにかく新鮮だった。特に感動したのはフレンチにおけるとうもろこしの存在感であった。ムース、冷製スープ、フリット、アイス仕立て…どれもがまろやかでとろりと甘く、奥行きのある味わいで素晴らしかった。
日常においても食す機会が増えた。焼き茹で、天ぷら(キツめの塩をちょびっと添えたら天国)、ガリバタコーンご飯、ある意味タコスとかもか、あとはコーン茶も美味しく飲んでいる。

とうもろこしに対して特別な気持ちを持ち合わせていなかったが、今後は好きな食べ物として挙げていこうと固く誓った。

そんなとうもろこしが出てくる書物を先日読了した。稲垣栄洋さんの、世界史を大きく動かした植物という本である。

そこに書いてあるとうもろこしの記述がものすごく面白い。なんたって、宇宙から来た説をまことしやかにささやいているのだから。
詳しくはこちらをご覧下さい

人間の半分はとうもろこしから出来ている、人間はとうもろこしに操られている…書けば書くほど何事だよという感じだが、その全てに身に覚えがあって笑う(陰謀論とかではないです、悪しからず🌽)。

心動かされたあれこれの感動がとうもろこしによる能動的なものだとしたらもっと食べて学びたい。美味しすぎるんだもの。作ってくださった方々のセンスと技術もさることながら素材として美味しすぎる!

参った、とうもろこし、君はどこからやってきたんだ。来年の夏も、そばにいてくれ。

とうもろこし、大好き。

そしていつもこのブログ読んでくださる皆さま、ありがとうございます!
誕生日を越えて改めて、楽しい文字書きの機会とお読みくださる方々に感謝でいっぱいです。
これからも、よろしくおねがいします🌽

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