ピグマリオン画像

【マネジメントTips】ピグマリオン効果  「リーダーが期待しつづけるということ」


▽概要

今回の記事(マガジン)では、チームをうまく運営するには?
という問いに対して、情報を整理したい。

規模問わずメンバーを持ち、メンバーの成長をサポートする立場の
方に少しでも有益な情報になるよう発信したい。

私自身がえらそうに語れる実績/経験を持っているわけではないが、
「社会科学分野で通説とされる理論」×「日業業務での実践」
をつなげていくことにより、合理的/効率的に業務を推進できるのでは
ないかと考えている。

今回は、教育心理学における心理的行動の1つである「ピグマリオン効果」を解説しながら、人の可能性を信じ続ける事、期待をかけ続ける事の重要性を伝えたい。

綺麗事にも思える、以下についてその効能を改めて整理したい。
「人の可能性を信じ続ける事がなぜ大事なのか」
「期待をかけ続ける事がなぜ大事なのか」

▽ピグマリオン効果とは

「ピグマリオン効果」とは、
「人は他者に期待されるほど意欲が引き出されて、成績が向上する」という状況を示す教育心理学の法則のひとつである。
古くは、キプロス島の王ピグマリオンが自分で彫った象牙の女性像を
愛し続けた結果、彫像が本物の人間の女性になったというギリシア神話に
ちなんでピグマリオン効果と名づけられましたとされている。
「教師期待効果」あるいは「ローゼンタール効果」ともいわれている。

具体的な事例としては、以下の検証実験にて、効果が実証されている。

ロバート・ローゼンタールがサンフランシスコの小学校で行った実験にて、
生徒に対して特別なテストを行い、
教師に、今後成績が伸びる生徒は誰なのかを教える。
ただし、この成績が伸びると言われた生徒は、
リストから無作為に選ばれただけの生徒ととなる。
その8か月後にもう一度テストを実施したら、無作為に選ばれ成績が伸びるだろうと言われた生徒は他の生徒より成績を上がった。

▽日常のマネジメント業務へのブレイクダウン


たとえば、以下のような事例で考えてみたい。

個人差が出やすい「営業」という職種 ※1
          ×
周りからの「期待」に差が出やすい入社直後 ※2

※1 補足
「営業」という職種においては、個人業績は明確に提示される。
 他の職種に比べ、チーム単位ではなく、個人単位であり、
 定量的な結果を比較しやすい事から個人差が出やすい。

※2 補足

入社直後というのは新卒/中途に関わらず、
周囲からの期待に差が出やすい。

▽周囲からの"期待の変化"によって起こる正のサイクル

キャリア採用にて、営業として中途入社。
入社直後、「周囲からしっかりと期待」がある。

配属後、少し苦戦するも周囲から継続した本人への"期待"があり、
本人のモチベーションも持続する。

次第に業務に慣れていき、しっかりと実績をだすようになり、
更なる周囲からの期待を得るようになる。

ここで重要なのは、「周囲からの継続された本人への高い期待」

図解すると以下のような状態。

▽周囲からの"期待の変化"によって起こる負のサイクル


キャリア採用にて、営業として中途入社をするが、
入社半年経っても、なかなか実績が上がらない状態が続く。

入社直後には周囲からの期待もあったが、
緩やかに"期待した通り”に実績がでないこと
を契機に、
周囲からの期待が下がっていく。

図解すると以下のような状態。


▽負のサイクルにならないために期待をし続ける事

入社直後に関わらず、期待し通りの実績をあげられないメンバーに
今後の期待を伝え続けられるか。

言うは易く行うは難し、である。

実行はなかなか難しい。実態は、リーダーや周囲からの期待/関心が、
薄くなってしまっている場合が、多く見受けられる。

「ピグマリオン効果」を理解した上で、
以下のような姿勢でメンバーをサポートできるリーダーでありたい。

・これまでの実績や評価ではなく、
 今現在のメンバーを理解し、期待しつづけるスタンスをとること。

・日々の会話、週一回の1on1、月一回の振り返りの中で、
 リーダーからの期待をしっかり伝える事。

・リーダーの期待が独りよがりにならないように、 「期待について どう思うか」「納得感があるか」などを向き合える関係を保つ事。


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