猫飼 弱(ねこかいよわし)

猫を飼っている弱い人間です。

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スポーツセックス(小説?)

 パートナーとの関係は悪くない。エリカという日本人女性で二年前からペアを組んだのだが、とくに騎乗位での密接度が高い。  この競技を始めたのは中学二年生の時だ。毎…

クライマックスオフィス (短編小説)

「あー、ちょっとさー、これちょっと間違ってるんだと思うんだよね」  江原部長は中田さんを呼び出し、皆にも聞こえるよう大きな声を張り上げた。 「だいたいさー、若くて…

ご褒美 (短編小説)

「すみませーん」  わたしはいつものように赤羽の駅前で終電が終わった後、駅前広場でぶらぶらしている女性に声をかけた。  銀縁の横長眼鏡に黒いスーツ、大きめの黒いハ…

スポーツセックス(小説?)

スポーツセックス(小説?)

 パートナーとの関係は悪くない。エリカという日本人女性で二年前からペアを組んだのだが、とくに騎乗位での密接度が高い。
 この競技を始めたのは中学二年生の時だ。毎日セックスができると喜び勇んで始めたはいいが、これが大きな間違いだった。放課後は毎日文字通り性根尽きるまで練習し、帰ってきてからは冷たいシャワーを浴びなければ食事も喉を通らなかった。
 知らない人はいないとは思うが、一応ここで再来年のオリン

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クライマックスオフィス (短編小説)

クライマックスオフィス (短編小説)

「あー、ちょっとさー、これちょっと間違ってるんだと思うんだよね」
 江原部長は中田さんを呼び出し、皆にも聞こえるよう大きな声を張り上げた。
「だいたいさー、若くてかわいい子だからって会社に甘えてないかな? あのさー、ここ学生さんのサークルとかじゃないから、そういうの通用しないの」
「はい、すみません」
「謝ればいいってもんでもないし、社会じゃ通用しないよって教えてあげてんの!」
 中田さんは泣きそ

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ご褒美 (短編小説)

ご褒美 (短編小説)

「すみませーん」
 わたしはいつものように赤羽の駅前で終電が終わった後、駅前広場でぶらぶらしている女性に声をかけた。
 銀縁の横長眼鏡に黒いスーツ、大きめの黒いハンドバッグ。髪はやや茶色に染めていて、肩までのボブヘア。年はだいたい三十前後といったところだろうか。
「はい?」
 後ろを振り返った女性の顔にわたしはカメラを向ける。
「家ついてっていいですかって番組の収録をしてるんですけど」
 すると、

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