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世界中の保護者が必要としてる教育

私は香港で生まれ育った。日本人の両親のもとに生まれ国籍も母国語も日本であるが、父親の転勤で私含め妹弟全員香港で生まれ育っている。そしてその頃の香港の友人と先日5,6年ぶりくらいに連絡を取り合った。彼女は私の高校時代の後輩で今は5歳児の母という事だ。我が家の娘と同い年である。

子育ての話の中で

つもる話は横に置き、今の仕事の話になった。当然私が今取り組んでいる金融教育の話になった。

彼女も娘の「お金」の教育で悩みを抱えているということだった。彼女の悩みは「子供がお金を私に預けて」とういう内容であるとのことだ。

香港にはSuicaと同じような交通系プリペイドカードが普及している。Octopusというカードだ。日本と同じようにどこでも利用することができる。そして彼女の娘はこのOctopusにお金を入れておいてくれ、というものだという。日本でいえば子供がSuicaにお金を入れておいてくれと言っているようなものである。

しかし彼女の娘はそのカードをなくしたこともあり、管理面でもまだお金を預けるのは早いと感じているようだった。しかしながら娘はお金を自分で持ちたいという要望が強くなる為、夫婦で話し合うこともあったようで、私が取り組んでいる金融教育は彼女の家族にとっても良いタイミングだったようだ。

まずはお小遣いを「稼ぐ」という取り組みがある

まず話したのは「稼ぐ」という事から手をつける事だ。我が家の5歳児の長女はすでに「稼ぐ」という経験を繰り返す中で「買って!」と言わなくなり、「あと何ポイント(*注1)で買える?」というようになった。(*注1:お金の単位をポイントと教えている)

その事をまずは説明した。そして「稼ぐ」「使う」という経験を繰り返す中で、我が家の娘の金融教育が進んでいるという事も話した。

お金という報酬が動機づけになることへの不安

彼女の率直な不安は「なんでもお金でやる」という事にはならないか?ということだった。

この問いに対する回答は子供たちがまだまだ金融教育の過程にあるため私も的確なことは言えない。なので、私なりの考え方を共有してみた。

そこで私はまずやる気を作り出すからくりを説明した。

やる気を形成するものとして「内発的動機づけ」と「外発的動機付け」がある。お金は「外発的動機付け」となる。以前の投稿、子供のコツコツ習慣の作り方中1男子と5歳児のやる気を引き出す教育法でも触れたとおりだ。

次に説明したのはタスク化するべき作業である。私がお勧めしたのは「やらなければならないことだが、なかなか自発的にできないこと」である。このような作業というものは毎日のように親が「やれやれ」という内容の作業や行動である。毎日「やれやれ」と言って動かない場合、結局親は「叱って」子供を動かそうとする。

そしてこの「叱る」と行為も結局は「外発的動機付け」となる。

ここまで伝えた私は、結局のところ、子供を「動かす」為に「お金という報酬を利用するか」または「叱る」という選択をするかでしかないと言った。

さらに今は金融教育という家庭内で取り組める教育があり、古い時代、子供を商店に「ぱしらせる」為に「お金(=お駄賃)」を与えるのとはわけが違うとも説明した。

金融教育において「お金を与える」とは、作業タスクに取り組む労働対価として「稼ぎ」としてお金を与えることである。場当たり的に与えるお金とは質が異なる「お金」となる。

場当たり的に大人の気分でお小遣いを与えるのであれば金融教育とは言えない。しかし毎日取り組む作業タスクに取り組んだうえで手に入れるお金はやはり「稼ぎ」となり、お金を「稼ぐ」という事を体験的に学習する事となるのだ。

しかり続けるのか、それともこれを機に金融教育に取り組むのか?

私との会話の中で最終的には躾の話になったが、彼女が至った結論は、子供の行動改善を図るうえで、「叱る」のか「報酬を与えるのか」という違いであるということだ。

結果的に作業タスクの設定は子供の生活改善、勉強ヘ取り組み、さらには習い事への取り組みとなり、すべては子供のしつけに通じている。そして子供の行動改善を図る中、結局は「叱りつける」という方法か「金融教育」の力を借りる方法のどちらかの選択があるというところに考察が落ち着いた。

友人同士の話であるので阿吽で話を進めた感は大いにあるが、それでも金融教育を通じ外発的動機付けを行うことへの理解は進んだようだ。

いち日本人家庭での取り組みに留まらないお金の教育

彼女はまだ金融教育に取り組んでいないので、外発的動機付けの部分の理解でとどまったが、それでも外発的動機付けの理解が進んだだけでも子供に接する中で何かのきっかけにはなるだろう。

私は日本で金融教育に取り組み、徐々に日本流の金融教育を作り上げることにステップを進めているが、私が体験したことや分かってきたことが国をまたいで通用することを確認することができた。

金融教育のサービスをけん引しているのは欧米であることは間違いない。しかしながら、金融教育のコンセプトは欧米のみならずこの日本においても、さらにはアジアにおいても有意義で大切な教育コンセプトとなるのだと感じている。

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