イジン伝~桃太朗の場合~XXXXXV
前回記事【 朗の家は学校からさほど離れていない郊外にあった。この表現に矛盾があると猿野に噛みつかれた朗も
「でもそう言うしかないんだ」
と素っ気なく言うしかなかった。しかし、だからこそ朗は隠れ家として自分の家が適当だと考えたのであった。“鬼”の包囲網が到達しておらず、比較的国の統制システムが緩いから安全だろうと朗が説明すると、走るのに疲れて既にほうほうの体になった木地川が息も切れ切れ尋ねた。一呼吸ついては話すといった具合だったので聞いている朗たちは頭を働かせて彼の言葉を再構成