【散文詩】二空間
母さんから買い物頼まれてたんだった。今日はすき焼きにしたいんだってさ。早く買っていかなくちゃと財布もって家を出る。
相変わらずこの街は静けさってやつを知らない。平日でも祝日でも長期休暇でも一年中どこかで雑踏を見かけるんだよな。変わらない街並みが大好きさ。
変わったのなら地下鉄が出来たことだ。ずっと空の下で電車に乗ってきた。目まぐるしく変わろうとしている痕跡があったんだな。気づいていなかった。でも、素人の僕には結局空の下か道路の下かしかの違いしかわからないや、地上駅か地下駅どっちが趣があるかなんて。わかっているのは、どちらもこれからどんな景色が窓から見えるんだろうなという、楽しみが待っていることさ。
この記事が参加している募集
もしサポートがあった場合、生活費や活動費として使用させていただきます!